スウィフトのレビュー一覧

  • ガリヴァー旅行記

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    小人の国と巨人の国の2編。もう二つのお話はカット。事細かな描写を読むのがとっても面白くて、大人向けに出版された作品とは言え子どもが夢中になるというのもわかる。中学生からの方が楽しめるかな。

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    2012年09月07日
  • ガリヴァー旅行記

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    ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』は、一見すると奇想天外な冒険譚に過ぎない。しかし本書の真価は、啓蒙主義が称揚する「理性」の限界を、その内側から暴き出した点にある。本書は旅行記の形式を借りた哲学的寓話であり、同時に、近代的主体の解体の書でもある。
    著者は「異世界」との邂逅を通じて、人間理性の相対性を暴露していく。これは単なる風刺ではない。むしろ、フーコーが『狂気の歴史』で描き出した「理性による狂気の排除」の過程を、逆説的に照射する試みとして読むことができる。
    本書の批判的構造は、以下の三層において展開される:

    1.スケールの相対化による理性批判
    ・小人国における「巨人の理性」の無力

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    2024年11月19日
  • ガリヴァー旅行記

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    全員4編入っているのかと思ったら、前半2編の収録だった(自分の確認ミス)。『小人国渡航記』は、絵本等でも有名な物語。ストーリー自体のワクワク感は変わらないが、若年層向けの翻訳だけに大分印象は違う。単純な冒険物語ではない側面もしっかりと描かれている為だろう。『大人国渡航記』の方は今回初読だが、国王との対話が実に考えさせられる。現代にも通じる視点がある。風刺については捉われず物語として楽しんで欲しい、とのスタンスによる翻訳のようだが、個人的には、多少社会批判的視野を持ってから読むと尚面白い内容だと思う。

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    2024年06月13日
  • ガリヴァー旅行記

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    特に、第三節のラピュタの話が面白いため再読。この章の後半には日本の江戸が出てくるのであるが丁度、江戸時代。踏み絵の話などがちょこっと出てくる。作者は無事にオランダ経由イギリスに帰るまでの冒険のお話。

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    2021年07月25日
  • ガリヴァー旅行記

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    本当はこのあとも続くとのこと。

    絵本で読んでいたイメージのガリバー旅行記。
    イメージと全然違ってびっくり。
    大人向けで出版された物語とあって、
    かなり面白いストーリー。

    主人公が、小人の住む小人国と
    巨人の住む大人国へ行く。
    ありえない設定を、信じ込ませてくれるリアリティのある書き方がすごい!数字とか食事の描写がリアル。

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    2021年01月17日
  • ガリヴァー旅行記

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    幼い頃から知っていたけど、きちんと読んだことがなかったので読んでみました。

    最初はファンタジーで読みやすいなと思っていましたが、読み進めるうちに政治や法律の話が出てきて…これはただのファンタジーではないぞと感じました。

    こんなにも軽やかに、でも辛辣に人間の世界を風刺できるものなのかと感心しました。終始読みやすかったので、なおさら印象的でした。

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    2020年11月01日
  • ガリヴァー旅行記

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    アニメPSYCHO-PASSで、槙島聖護の台詞に引用されていたので、興味を持ち、読んでみた。また、絵本のガリヴァー旅行記とどのように違うのかも気になり、この本を手に取ってみた。
    最初、とても分厚かったので、萎えたが、折角だから読んでみようと思い、挑戦した。文体がダラダラといちいち長い印象を受けたが、言いたいこと(皮肉など)ははっきりと述べるところが面白かった。また、ガリヴァー旅行記といえば、小人の国という印象だったが、それは第1篇だけで、その後に、小人の国とは反対の、巨人の国や、「『天空の城ラピュタ』は、ここから来ているのか」という発見があったラピュータや、PSYCHO-PASSで出てきたバル

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    2020年02月26日
  • ガリヴァー旅行記

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    スウィフトらしい皮肉たっぷりの作品。

    色んな冒険をしながら人の愚かさを伝えてくる。

    皮肉が好きな人におすすめ。

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    2019年09月16日
  • ガリヴァー旅行記

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    子供の時に絵本で読んだ記憶のある本作。絵本ではたしか船で遭難して小人の国に行き着いてしまったという内容だったような...イギリス貴族社会を少し小馬鹿にしたようなスウィフトの思惑を感じて、絵本で見たときとは全く違う印象を受けた。

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    2018年07月06日
  • ガリヴァー旅行記

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    小さい頃に読んだ絵本だが、覚えているのは小人に縛られて解放された後に、嵐の中で難破しそうな船を助けて感謝されるというもの。大きくなったらガリバーみたいになりたいと思っていたが、原作を読むと結末は全く異なる。ガリバーは小人の国だけでなく、巨人の国、科学者(宇宙人?)の国、馬の国にも流れ着いていて、その国の王や神官、政治家のような人たちと交わす会話には、人間の国に対する鋭い批判や自己嫌悪に満ちている。別の国の彼らから見て、人間はなぜ戦争を起こし、飽食と飢餓、嫉妬、差別、詐欺、殺人、浮気、子殺しなどを行うのかという指摘に答えに窮するところは、単なる絵本の原作にとどまらない書と感じた。

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    2018年05月06日
  • ガリヴァー旅行記

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    ガリヴァー旅行記といえば、小人の国・巨人の国がまず思い浮かぶところだけれど、それは前半の約1/2に過ぎない。 ガリヴァーはさらに空飛ぶ島ラピュータや、馬が知性をもつフウイヌム国をも訪れる。
    人間というものは素晴らしい生き物である反面、愚かな部分も大いに持ち合わせていることが、フウイヌム国に行けば誰もが痛感させられるに違いない。スウィフトの人間世界への嫌悪感が、存分に描かれている。
    フウイヌム国渡航記は、この作品の神髄であるといってもいいと思う。

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    2016年10月20日
  • ガリヴァー旅行記

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    単なるおとぎ話ではなく、当時の自国(イギリス)や、人間一般への風刺が込められている。特に、一番最後の章。

    江戸時代の日本もちらっと出てきて、やはり踏絵は問題のようだ。

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    2015年05月03日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

    Gulliver's Travels(1735)

    Jonathan Swiftの風刺・冒険小説の2004年岩波少年文庫版で、小人国渡航紀(リリパット)と大人国渡航記(ブロブディンナグ)の二つの冒険が収録されている。
    中野好夫氏の訳文が非常に分かりやすく、古い小説であることを感じずに、快適に読めた。解説の海保眞夫氏がいうように、当時の英国を風刺した批判文は現在でも、しかも日本でも通じる部分があることに驚いた。

    他の二つの冒険も含めてくれれば完璧だった。

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    2015年01月10日
  • ガリヴァー旅行記

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    17世紀英国、ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。小人の国と巨人の国の話のみ、童話として知られている話だが、読んでみるとなかなか、時代を下っていても人間という現象の中に普遍的に潜む業のようなものが、子気味よく描かれていて、考えさせられもし、なかなか楽しかった。
     ガリバーのバイタリティーに驚かされるが、英国紳士という背景から、道徳的に筋の通った現実主義者で、力のある立場でも、弱い立場でも信条は変わらない。風刺小説でありながらも、これだけ読まれ続けるのは、そのいやらしさがナマナマしくもあるけれど、想像力豊かに彩のある表現の衣をまとっているから、物語然としながらもちくりと刺さる、空想だと断じきれ

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    2014年07月12日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

    かの有名なガリヴァー旅行記、ただし、子供の頃読んでいた巨人のほのぼのとした話ではない。

    人間に対して非常に皮肉が効いた作品であった。
    著者がどんどん狂っていくのがわかるのが怖い・・・

    また、ガリヴァー旅行記というと、小人の国に漂流して自分が巨人化したという話しか読む前までは思っていなかったが、逆のパターンもあり、巨人の国に漂流し、自分が小人化したという話。

    さらに、なんとあの「天空の城ラピュタ」のモデルも収録されている!
    1700年代に原作があったとは知らなかった・・・

    最後は馬の国で、著者が完全に狂う。

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    2013年02月13日
  • ガリヴァー旅行記

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    スウィフト。風刺小説。巨人の国と小人の国の物語は児童向きであり、残りの章、特に最終章においては人間社会に対する痛烈な批判が展開されており、作者がかなりの変人で人間嫌いであることが強烈にうかがわれる。旅が人間の視野を広げ、物の考え方を根底から覆すというのは古今東西これすなわち真であろう。

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    2012年03月11日