スウィフトのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
小人の話と巨人の話は有名で、皆さん子供の頃に読んだかもですよね。その後があるなんて知らず、アニメPsycho-passの槙島聖護がバルニバービの医者の話をした所で、ガリヴァー旅行記本来のユーモアの香りを感じ、自分の好みに合うかも、と思い読んでみました。
実際バルニバービの医者の話を読みたくて読んだ人も少なからずいるのではないでしょうか?
シニカルで皮肉の籠った物語で、現実の色んな場面で「ラピュータの数学者達は、自分が精通してないが故に政治に対して好き放題、熱心に文句を言ってたみたいだね」とか「リリパット国の、王子は体裁と自分の思想のどちらもを取って靴底の高さが違う靴を片足ずつ履いて、歩き方が不 -
Posted by ブクログ
この旅の物語がこれほど怒りに満ちた物語だったとは。。
子どもの頃に誰もが読んだ小人の国、巨人の国の話は、それぞれ原作の第一篇と第二篇の抜粋に過ぎない。原作は、これでもかというくらい、風刺と皮肉のてんこ盛り。そして、第三編の空中に浮かぶ島国を経て、怒りの頂点は、馬が支配する国を描いた第四篇にやって来る。馬が、獣人 (=人の形をしたけだもの)を家畜同然に扱うという設定からして、奇異な気配を感じるが、さらにこの馬が極めて理性的であり、馬の国では統治らしい統治が不要であるということに至って、これはもう人間否定・人間嫌い以外の何ものでもないことが分かる。なぜ、政治が必要なのか、なぜ法律が必要なのか、なぜ -
Posted by ブクログ
政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。
ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他あらゆる悪徳を鮮明に描き出し、最早ラディカルの域を超えて人間そのものを否定するに至るほどです。その背景には、スウィフトの生い立ちが大きく関係しているのは広く知られているところではないでしょうか(リリパットとブレフスキュや、ラピュータとバルニバービの関係が、スウィフトの時代の国際情勢の反映である点等)。
成人した今だか -
Posted by ブクログ
ページ量が多くて、読もうか止めようか迷いましたが、読んで正解です。ものすごく楽しめました。
多種多様な登場人物たちですが、思わずこんな人いるいる!といいたくなるような身近な存在に感じられて、とても今から300年近く前に書かれた作品とは思えません。
屁理屈というのは、身に降りかからない限りにおいては、これほど聞くに楽しいものはありません。もう自分勝手な理屈のオンパレードです。作者の人間観察眼に感服です。
子供のころに読んだという人も、ぜひ大人になった今読んでみてはいかがでしょうか。きっとうなずくことしきりです。
『天空の城ラピュタ』にちょっとだけ出てくるラピュタ人の話もあります。 -
ネタバレ 購入済み
次は、何処へ?
こんな話だっけ?(笑)小人の国に行った後、巨人の国も、有ったんだね。次は、何処に行くのかな?ふらふらっと、また、出かけそうね。
-
Posted by ブクログ
ロビンソン・クルーソー。中流階級の三男。家出。航海。ギニア(アフリカ西海岸)で金持ちに。帰国。再度ギニアへ向かう途中、海賊につかまり、モロッコでムーア人(北西アフリカのイスラム教徒)の奴隷に。逃亡、海上でポルトガル船に助けてもらいブラジルへ。ブラジルで農園主に。奴隷を調達するためギニアに向かう途中、大嵐に会い、無人島に流れ着く▼自分の生活の明るい面をより強く見、暗い面はあまり見ない。なくて困っているものよりも、現に享有しているものを考える。こうした考え方がしみじみとした深い慰めを私に与えてくれた▼危険への恐れは、危険そのものよりも一万倍恐ろしい▼今日、私たちは明日憎むことになるものを大事にして
-
Posted by ブクログ
ネタバレガリバーが最初に到達した「小人国」は誰でも知っているだろうし、その後迷い込んだ「巨人国」までなら知っている人もいるかもしれない。
しかしその後「日本」や「ラピュタ」、そして「馬人国」まで行っている事を知っている人は少なかろう。
そして岩波文庫版では巻末にドッと注釈が載っているのだが、これほどまで風刺に満ちていると知っている人はほとんどいないのではないか。
その風刺は「小人国」あたりではまだ当時英国に実在したウォルポール内閣を皮肉る程度(この事により書かれた年代が実際の世界史と符合する)なのだが、「巨人国」ではとにかく女性の体臭や風貌を批判するような論調になる。
要約すると「どんな美人も巨