クリサートのレビュー一覧

  • 生物から見た世界
    それぞれの生物が見ている世界は同一の環境ではなく、それぞれの生物が主体として作りだす"環世界"であるという考え方。

    すごく新鮮で面白かった。
    生物が捉えてる環世界について、いろいろな実験が挿絵付きで紹介されていてとても興味深い。
    生物学的な評論なのかな?と思ってたんですが、生物学的もさることながら...続きを読む
  • 生物から見た世界
    環世界という概念。当然のことを言っているのかもしれないが、改めて色んな動物の世界の見え方をイメージしてみるととても面白い。
  • 生物から見た世界
    生物(主体)は自分が持つ感覚器で世界を捉え、作用器で世界を変化させる。外界の物体(客体)は生物からの作用によって変化させられ、その結果生物に与える作用を変化させる。この環状構造を環世界と呼び、全ての生物がそれぞれ固有の環世界を持っているという。
    感覚器の空間方向の分解能(例えば視力)によって世界の捉...続きを読む
  • 生物から見た世界
    見ているものは同じでも見る人が違えば、見ているものの意味が違う。感じ方が違う。ということを思うと、正解探しはナンセンス。それが環世界
  • 生物から見た世界
    普段、我々が五感で感じている世界は、絶対的にそこに存在しているものと思っている。しかし、他の生物とって同じような世界が存在しているわけではない。それぞれの生物には、それぞれが感じる世界(環世界)しかありえないのである。ユクスキュルはマダニやヤドカリなどの具体的な生物を例に挙げて、それをわかりやすく説...続きを読む
  • 生物から見た世界
    「環世界」という言葉に既視感があり、手にとった一冊。

    この言葉に初めて遭遇したのは、『目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)』 という本を読んだときだったかと思います。

    環世界は、人間だけでなく、他の生物も当たり前のように持っています。

    人間の視点、ハエの視点など、様々な感覚知...続きを読む
  • 生物から見た世界
    人間を含む生物の感覚と、そこから見える主観的な世界。自分が見ている世界も主観であることを免れ得ない。そういうものの見方を鮮やかに示している。
    最近出版される本にもしばしば引用されているが、気軽に原本に触れられるのはありがたい。良書。
  • 生物から見た世界
    人間が見ている世界が全てではないことを教えてくれる。動物の世界がいかに自分と違うのかこの本でもわかることにはわかるが、これをVRを使って誰もが体験できるようになれば、多様性への共感が高まるし、環世界に生きているという実感がわいて面白いなと感じた。
  • 生物から見た世界
    ・「環境」は、あくまで客体であり、主体の周りに存在しているだけのもの。
    ・一方で「環世界」は、主体が意味づけをして構築した世界を指す。

    環境問題はあくまで人間が起こした侵略のしっぺ返しであって、それが動物やら自然やらに貢献するものだという文脈はあまりに身勝手になるのだと。
  • 生物から見た世界
    ユクスキュルは動物が知覚し作用する世界がその動物にとっての環境であると考え、それを「Umwelt(環世界)」と呼んだ。
    たとえば、虫を捕えて食べるトリは、動いている虫に反応する。動いていない虫には反応しない。トリは動かない虫に気づかないのではなく、動かない虫はトリの世界に存在していないのだ。虫が動い...続きを読む
  • 生物から見た世界
    環世界をテーマにしたアニメ見てたのですが、これ読んでかなり理解度深まった気がします。すごーく面白かった。薄いけど、本棚における優先度はかなり高いです。
  • 生物から見た世界
    あらゆる生命は、それぞれの時間軸をもち、その多様な時間軸がたまたま歯車のように噛み合って世界が回っていると思っており、そのイメージからこの本を読み始めた。

    すると、空間も時間も、まず先にあるものだと思っていたが、主体があってから始まるという話がかかれており、新鮮かつ腑に落ちるような話だった。
    また...続きを読む
  • 生物から見た世界
    生物の本であって哲学書のような本でした。

    生きた主体なくして空間も時間もないという哲学的な見解を生物学の観点から導くあたりは、素晴らしい。
  • 生物から見た世界
    動物や昆虫から見た世界を知るのは、環境保護を考える上で重要なことだ。生物の話だが、読んでいるうちにAIのことを考えた。自分の視点を変えてくれる内容だった。
  • 生物から見た世界
     各々の生物の視界すなわち環世界について考察した本である。人間が生きている世界は他の生物が感じ取ることはできない。その逆もまたしかりだ。

     人間の視界はあらゆる目的に沿って見えるものが分類されており、その分だけ様々な行動がとれる。一方、黒いものに反応するコクマルガラスや超音波を発するコウモリなどの...続きを読む
  • 生物から見た世界
    よい本でした。読後に「手のひらを太陽に」(やなせたかし作詞、いずみたく作曲)が頭の中に流れてきました。

    人も大きな動物も小さな虫も、知覚や先祖の経験をもとに見える環境が異なり、それぞれが一つの世界を形成しているという内容。生物を通じて哲学を教えてもらった感覚です。

    生前のユクスキュルはドイツなど...続きを読む
  • 生物から見た世界
    いきもの達は、この世界をどう見ているのか?
    この問いへの手がかりが得られる本。
    環世界の中で自然が果たしている役割は矛盾だらけ、というメッセージが印象的で心に残った。
  • 生物から見た世界
    環世界という考え方。
    それぞれの生物が持つ、刺激としてのトーンを持つものしか環世界には存在しなく、したがってそれぞれの生物にとって見えている(捉えている?)世界は全く異なるということか。
    それぞれの生き物での時間の感覚が異なることを捉えた実験は面白かった。人にとっての一瞬は1/18秒らしい。
  • 生物から見た世界
    環世界や魔術的環世界など、日常生活では耳にしないような小難しい概念が度々登場する。
    内容としては、新たな視点から生き物、および生き物が捉えてる世界を解明しようとするものであり、示唆に富んでいる。
    相手の主観を通して世界を捉えようとする行為は、動物に限って重要なのではなく、人と人の関係性の中でも重要な...続きを読む
  • 生物から見た世界
    同じ部屋の中にいても、虫には光のみが浮かんで見えていて、人には光に照らされた家具などが見えている。
    同じ環境にいても、どのように見えるかは客観性ではなく、主体性であるという環世界という考え方を基に、生き物の多種多様な行動をカテゴリーごとに丁寧に紐解いていく。
    見たいものが見えているということ、そして...続きを読む