ミヒャエル・エンデのレビュー一覧
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梟書茶房という池袋にあるカフェで、生まれて初めてタイトルやあらすじを伏せた本を購入した本。本の紹介が数行程度書いてあり、確か誕生日の番号に振られたものだった気がする。購入記録を振り返るとゆうに6年前、、よくもまぁここまであたためたなと。笑
十数年勤めた会社にほとほと嫌気が差してしまい、退職を決意し長め休暇をとっている現在ですが、このタイミングで読む気になったのもご縁を感じる。ベッポのように、自分の中のこだわりを大事に仕事をしていたのだけど、会社の方針や求められるスピードに自分がついていけなくなってしまった。自分を嫌いになっていく感覚、まさに灰色に景色が見えるかんじ。
幼い頃、死んだ顔をして -
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1年に一度の自分への贈り物は、時間にまつわるものが多い。
一昨年は、どうしても行きたい場所があり、ひとりの時間を。
去年は義母が入院中だったので家族でゆっくり過ごす時間を。
そして今年は、「時間」についての物語である本書を選んだ。
時間はいのち。
そう思って時間を大切にしてきたつもりだった。
それなのに『モモ』を読んで、私は本当の意味での豊かな時間の使い方ができていなかったのではないか、と考えさせられた。
町に現れた灰色の男たちは、人々に効率と節約を教え込み、時間を貯めることこそが豊かさだと信じさせる。人々は忙しくなり、会話や遊び、無駄に見える時間を切り捨てていく。その結果、心は次第に痩せ -
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田舎生まれ田舎育ちの親戚が東京に遊びに来て、平日の電車に乗った時の感想。
「みんな無表情で楽しくなさそう。電車が動いてる時はスマホ見て、止まったらドアに向かって一斉に吸い込まれていって、みんな同じ動きをしている。ロボットみたいだし、何かに操られてるみたいに見えた。」
モモを読んだ後ならはっきりわかる。
彼が見たものは灰色の男たちだったんだな。
究極に生産性や効率だけを考えて動くと、倫理観や感情が失われてしまう。
灰色の男に完全に支配されないというのは現実問題難しいが、少しでも立ち止まれるように。
"無駄な時間"とされるものも、ただ時間として存在している、もともと正当なもの -
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年末年始によみました。この時期にぴったり!
わたしはハリーポッターが大好きで、魔法使いってそのイメージだったけど、
この本の魔法使いはハリーポッターを読む前の魔法使いってこんなんだったなあ!って感じの元祖魔法使い!
魔法のカクテルとはどんなカクテルなのか
なぜ大晦日にカクテルを完成させないといけないのか
この2つの設定が面白さの理由です。
カクテル作りの場面も原点の魔法ですごくわくわくしました!
しかもこのお話、魔法使いは主人公じゃありません。
魔法使いがカクテル作りをしている裏側で、
本当の主人公が、カクテルの完成を阻止しようと奮闘しているんですよね。
ふたつの場面の物語が分刻みで進んでいき -
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この作品が半世紀以上も前に書かれていたとは、驚きです。まさしく現代の社会を映し出しているようです。
完全無欠のビビガールはさながら数年前のロボット人形だし、カシオペイアというかめはまさに現在のAIロボットです。
この作品がひときわよいと感じた点は、モモのことば(セリフ)がいかにも子どもらしいことです。
多くの児童書が、言語化のお手本のように主人公のことばをすばらしく表現している点は、すてきな主人公にあこがれをもつ一方、こんなふうに豊かに表現できる子どもばかりじゃないと多少違和感を感じていました。
モモは信念を持ち勇気をふるいたたせて、奪われた心を取り戻しに行きます。孤独な少女がひとりで行 -
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ドイツ人作家ミヒャエル・エンデの児童文学を手にとる。人にとって普遍的なテーマである『時間』を扱った作品。このような素敵な作品に小さい時に触れることができた読書好きの方々を羨ましく感じた。
第一部の「モモとその友だち」ではファンタジー世界へ導き、夢を大きく膨らませるための助走がしっかりとれる内容で、登場人物の性格や子どもの純粋さをとても上手く表現している。
そして人の話を聞くことで周りを幸せにするモモの特殊な力を哲学的な言い回しで記す。
一一 友だちみんながうちに帰ってしまった晩、モモはひとりで長いあいだ、古い劇場の大きな石のすりばちのなかにすわっていることがあります。頭のうえは星をちり -
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読む本読む本でおすすめされていたので、「そんなにいいなら…」と思って手に取りました!
登場人物のキャラクターや「時間泥棒」という言葉は児童書らしくてかわいいのに、読んでいくうちに、どこか現実世界につながる冷たさというか、ゾワっとする怖さもあって不思議な感覚に…
静かな時間を過ごしてると、「何かしたほうがいいかな?時間無駄にしてないかな?」と焦ることがある自分を思い出して、もしかしたら私も知らない間に時間泥棒に洗脳されて、時間を取られてる側なのかも…と感じ、ちょっと鳥肌が立ちました(汗)
ありきたりですが、「自分にとって本当に大切な時間とは何か?」を自然と立ち止まって考えたくなる本。
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ネタバレ「時間を節約することで、実は別の大切な何かを節約してしまっていることに、誰も気づいていない」
「時間とは生きることそのものであり、人の命は心を住処としている。時間を節約すればするほど、生活は痩せ細っていく」
という言葉が強く印象に残った。現代社会では、時間をいかに効率よく使うか、無駄なく処理するかが常に求められている。それは正しい態度のように見える。しかし『モモ』を読んで、時間を切り詰めることは、単に行動を早めることではなく、感じること、立ち止まること、誰かと心を通わせることまで削ってしまう行為なのだと気づかされた。
効率化の先にあるのは、豊かさではなく、むしろ「生きている実感の希薄さ」なのか