R・D・ウィングフィールドのレビュー一覧
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とうとう、フロストシリーズの最終話を読んでしまった。存分に堪能した満足感と、もうこれでフロストやウェルズやモーガンはじめテントン署のお馴染みメンバーに会えなくなる寂しさで胸がいっぱいになる。
本書でも、いつもの通り次から次へと事件が発生し、フロストは食事や睡眠をとる時間もなく、慌ただしく同時進行で複数の事件の捜査をする羽目になる。それでも、いつものくだらない冗談など飛ばしながらちょっぴり間抜けなモーガンとのコンビの活躍する姿に、夢中になってしまう。
今回の悪役担当(?)は、転任して来たスキナー主任警部。スキナーと、署長のマレットは共謀してフロストをデントン署からの追い出し作戦を仕掛ける。フロストは絶体絶命の窮地となる。
最後は、フロストが気持ちよくスキナーをやっつけるんだろうなと思ったらなんと…。
結末も意外な展開だが、途中フロストが、死んだ妻との新婚時代を思い出すところも、思わずこちらがもらい泣きしてしまうのも面白い。
物語は終わってしまうけど、ジャック・フロストはテントン市警察署で永遠に、お馴染みの同僚たちと活躍していって欲しいと願わずにはいられない。
でも、最後の解説を読んだら、作者であるウイングフィールド亡き後、2人組の作家がジェームス・ヘンリーという名前で、フロストがまだ巡査部長時代を描いた小説を数編発表してるとのこと。
これらは、まだ翻訳は無いようだ。
英語版か。すぐに挫折しそうだけど、チャレンジしたいような、やっぱり無理なような…。
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Posted by ブクログ
上巻から一気に読みました。
登場人物一覧に、けっこうな重要人物の名前が抜けているんだが…?
スキナー主任警部とマレット署長の差し金により、デントン署から異動することになってしまったフロスト。
デントン署を去る日が近づく中、連日ほとんど寝ないで捜査にあたる。
妻をめった刺しに殺したと自首してきた元食肉店主のルイスだが、家の中は潔癖すぎるほどに消毒されている。
残虐に殺されたデビーとトマスの殺害現場を探し当てるも、なかなか捜査が進まない中、凄惨な殺害場面を映したビデオが送られてくる。
ビーズリーからは早く脅迫犯人を捕まえろという矢の催促。
行方不明となった少女は未だ見つからず。。。
割ける人員はわずか、あっちに行かせればこっちで事件が起きたり動きがあったり…でにっちもさっちもいかない。フロストは思い切った手に出る…
まぁ、思い切った手に出るのは初めてじゃないけどね!既視感!笑
しかしマレット、部下の殉死の場に居合わせておいて、署長として指揮すべき立場にいたのに、その部下に責任全部おっかぶせるとかマジでクソじゃない????
最終作できっちり落とし前つけてほしかったのに、なんでそのまま署長やねーん!せめてせめて、辞任するくらいのことがあってもいいのに。マレットのクソっぷりに終始イライラしながら最後まで読んだ読者(私)、ちょっと浮かばれない。
ウィンズフィールドはもともとシナリオ作家で、小説はフロストシリーズのみ。故にこれにてコンプリートとなる。寂しい。 -
Posted by ブクログ
フロスト警部シリーズを書いた、R・D・ウィングフィールドは、イギリスの小説家である。シリーズの主人公のフロストは、有能なのか無能なのか分からない(最後は事件を解決するので有能なのだろうが)警部。各巻に共通しているのは、フロストの前に次々と事件が起こり、フロストはそれを解決しようと悪戦苦闘、ほとんど休む暇もなく働き続けるという設定。最後には、くたくたになりながらも、フロストは事件を解決する。フロストのドタバタぶりがユーモラスに描かれている部分と、ミステリーとしても面白いストーリーがミックスされたシリーズであった。
ウィングフィールドは、2007年に既に亡くなっている。もともとは放送作家であり、小説は多くを書いている訳ではなく、このフロストシリーズも、わずか6冊のシリーズであり、それが、ウィングフィールドが書いた長編小説の全てであるようだ。
広い意味での探偵小説・ミステリーというジャンルで好きだったシリーズは沢山あるが、このフロストシリーズは、最も好きなシリーズの1つであった。シリーズの最後の作品となった、本作が日本で発行されたのは2017年のことだ。もちろん面白く読んだが、再度の作品であり、読み終えてしまうのがもったいないな、という気持ちも持ちながら読んだような記憶がある。 -
Posted by ブクログ
「フロスト始末」(上・下)R.D.ウィングフィールド。芹澤恵訳。創元推理文庫。原著は2008年英国で発表されたようです。
2019年1月に読み終えているようです。
フロスト・シリーズ最終作。作者のウィングフィールドさんが2007年に死去。遺作です。でも未完ではありません。
死病の床で完成されていたそうです。拍手。パチパチ。
病床で弱りながらとりあえず最後まで書いた、とか。
ほぼ未完だったけど編集者が手を入れてなんとか完成させた、とか。
そういう感じは読んだところまったくしません。堂々たる傑作。
まあ、ほんとのところどうなのかは分かりませんが。
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相変わらず、混沌とスピード感と緻密さのエレクトリカル・パレード。
一方で、スタイルや美学にこだわらない泥臭い、下品で人間くさい、猛烈な圧力の、ヘヴィメタル・エンターテイメント。
このシリーズを語るときに、矢張りヰの一番には主人公の中年(初老?)警部であるフロストの、
連続シリーズの主人公としては相当に冒険的な下品さ、卑猥さ、が注目されることになります。
それに、ダーティ・ヒーローなんてものぢゃないんです。単にダーティ。
普通に警察なり会社なり、速攻でクビになっておかしくないような不正を、フロストは犯しちゃいます。
それも、「そう見えて、実はそうぢゃなかった」という構造ではなくて、ほんっとに悪いことしてます。
さあ、だけど応援しちゃいます。
これは一寸、興味深い疑問なんですが、「フロスト・シリーズに10代や20代の若者たちは熱狂するのか?」。
上記の味わいも含めて食べ物で言えば、確実に雲丹とか生牡蠣とか鮒寿司とか豆腐餻とかブルーチーズとか山羊とかモツとか、そういう類いのものです。
臭い。苦い。けれど、癖になる旨さ。
他に例えれば。煙草だって、15や16で始めて口にしたときから「旨い」と思う人はほぼいないでしょう。
不健康で不健全で違法で悪徳な香りに憧れて始めて、続けて、ハッと47歳になったときには、「ああ、煙草がうまい」と心底から震えたりします。
フロストも(煙草と比べるのが妥当かどうかは兎も角)我ながら、若い頃に読んでも「面白い」とは思ったでしょうが、心底震えたりはしなかったのでは。
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ですが、そういう持ち味は、さておいて。
そういう持ち味議論に隠れて、実は舌を巻くのはエンターテイメントとしての執念。
謎解き、ミステリ、ドンデン返し。それが1本の筋として流れるのだけど、並行して別の事件が起こり、クロスして3つ目の事件まで起こる。
さらにパラレルで署内で行われる胃腸がげんなりするような権力争いと出世競争、そこにカンウンターを入れるギャグと皮肉精神。
更に主人公に訪れる、破滅の危機・・・。
そして、崖に爪を立てて血を流してでも、とにかく「安易な性善説」と「お涙オセンチ感動路線の決着」だけは避ける。
その慄然とするまでのエンタメ精神・・・。
もう、これは本当に凄いンです。
ここまでの執着と執念で小説を書ける人は、なかなか居ません。
かろうじて横山秀夫さんなんかが近いかも知れませんが、横山さんは究極やっぱり短編アーティストで、ウィングフィールドさんの胸板の厚いパワープレイの迫力はありません。
ウィングフィールドの、この弩弓の迫力の前では、伊坂幸太郎さんも小さく感じます。プレミアリーグとJリーグの差・・・。
海外でも、スティーブン・キングさんやエルロイもすごいンですけど、やっぱりお国柄、文化なのか、どこかザックリ感とスプラッタ感があります。
(デニス・ルヘインさんが、比べ得る存在かも知れません)
これは、ウイングフィールドさんが、前職が放送作家だった、と言う事とも関係があるかも知れません。
なんというか、「とにかくスピード感!」みたいなブレなき精神。
そして、「冬のフロスト」もそうだったはずなんですが、この「フロスト始末」も、
ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに、文庫本で言えばラスト1頁のところで、鮮やかにひっくり返される。
もう、この技術。この執念。
涙、なみだ、のスタンディングオーベーションです。
創元推理文庫ですし、ミステリ小説、犯罪小説、警察小説なんですけれど、
こういう技術こそが、小説がアートである、ということなんだと思います。
2020年、あるいは2021年あたりに、シリーズ全部再読しようと目論んでいます。
(こういうとき、電子書籍は圧倒的に強いんですよね・・・場所を取らないし、汚れたり傷んだりしないから) -
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遂に読み終わってしまった。一気読みしてしまった。作者逝去によりフロスト警部最終作となった本書。足掛け20年近くかけて読んだ、僕の人生トップ5入りの名シリーズ。ぐっちゃぐちゃの展開も、主要登場人物も、いとおしくてたまりません。
抜群に面白かった。惜しむらくは、今作はおそらくシリーズ最グロで、気分が悪くなる描写が多いうえ、サラリーマン小説史上屈指のくそ上司マレット警視がわりとマトモに見えてユーモア部分が食い足りなかった点。とはいえ、できるならば一生読み続けたいシリーズなので、贅沢言ってる場合じゃない。
また20年かけて読み直そうかな。テレビ版は一度もみたことないので、Huluでじっくり見ていくのもアリかも。「フロストロス」は止まりそうにないので。 -
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ネタバレフロスト警部シリーズの最終巻.「完結」というわけではないが,作者のウィングフィールドが10年前に亡くなってしまっているので,本当に最終巻.いや,自分の先が長くないことは分かってたはずなので,「完結」を意識して書いたかもしれないけどね.
フロストは相変わらず下品で行き当たりばったりで運頼みなんだけど,上下巻構成となった第4弾の「夜のフロスト」あたりから徐々に作品に枯れた雰囲気も漂いはじめ(十分下品なんだが),同僚からも忌み嫌われていたはずが,いつの間にか人気者になってしまい,まあ,この辺が完結の潮時だったのかもしれない.読んでいて先が見えてしまうこともしばしばだし.とはいえ,本書も面白い.面白いのは,訳者の芹澤恵さんの功績も大きいように思う. -
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「フロストと連立方程式」
みなさんは「フロスト病」という病をご記憶でしょうか?
そう、英国の小説家、R・D・ウィングフィールドの「フロスト警部」シリーズを読みふけることによって、
夜昼関係なくこの本から目が離せなくなり、途中、奇声を発する方
はたまた突然、一人でげらげらと大笑いするといった症状がではじめ、
翌朝には、ぼぉ~っとしたかと思うと、思い出し笑いするなどいろいろな兆候がみられる病なのです。
その「フロスト」シリーズの遺作、「フロスト始末」がこの度出版されました。
で、私はこの上下2冊を一気に読み上げましたが、何故かこの度は多少ニンマリすることはあっても、
声を出して笑うといことはありませんでした。
これまで読んだ5作品に中身は勿論記憶にあるわけではありませんが、
これまでとは少し違っておかしみの部分が減りちっと変化があるような気がしております。
しかし、何故かこの本が一番読みやすかった感じも否めません。
さて、このフロスト警部の出立ちは刑事コロンボを想像していただいたほうがちかいでしょうか、
しかしこの上なく下品で、上司やお偉方、悪者には悪態のつき放題、
それでいて部下や市民に口は悪いがなんともやさしい。
これが部下に慕われ、読者を惹きつける要因なのかもしれません。
出されたコーヒーカップに鉛筆を入れ、砂糖をかき混ぜるなんて人、そんなにはいないでしょう(o^。^o)
このシリーズでは毎回、いろいろな事件が重なって発生します。
でも小さい田舎の警察署のこと、フロストにそのお鉢が回ってくるのです。
行方不明、殺人、スーパーマーケットへの脅迫etc.
そして読んでいる途中、ある事に気が付きました。
未知数が4、5とある連立方程式の解をもとめる数学に似ているなと?
ご存知のように連立方程式は未知数の数ほど関係式がないと解はえられません。
この上下2巻のお話に中で、X、Y、そしてZ等の関係式を描いているのです。
ヤツがホシだと言った彼の第六感も調べが進行していくうち、
第2,第3と状況が変化し、方程式の係数も変わってきます。
そして何かの拍子に未知数Xの解がえられると、YやZの答えも引き出されてくるのです。
今、本屋さんにゆくと第1作の「クリスマスのフロスト」から全作が置かれています。
まだ一度も読まれたことの無い方、あなたはしあわせものです。
無作法で口の悪く、お下劣なフロスト様にお会い出来るのですから!!!
でも、この作品が最後になるとはほんとうに残念至極であります。