斎藤孝のレビュー一覧
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日本国民に対して危機感を伝える本書。
特に国民の学問の程度を嘆いている。
あれこれ文句を言う前にまず勉強せよとのこと。
その人の職の苦労を知らずに主観で語るなと。
また、政府と国民の関係を良好に運ぶために我々がすべきことが書かれている。
結論を言ってしまうと、学問をし、知識や見聞を広め、一般常識や教養を身につけなさいとのことだ。
非現実的な例だったが、悪い政府に対しては自分とその子ども、さらにその先の子孫を通じて改善されるまで抗議しろと。彼の気概が感じられて良い。
そして、国民との約束を守る良い政府であるなら、素直に従い、面倒を起こさないことが平生だということだ。
これに関しては、良い政治 -
Posted by ブクログ
『学問のすゝめ』がこんなに愉快な本だったとは!まさかの、あっという間に一気読み。
もともと若い学生に向けて、なぜ学問が必要なのかを説いた本なので、ユーモアに溢れ、そして想像以上に易しい。
恥ずかしながら、福沢諭吉、『学問のすゝめ』というだけで、自分には到底理解できないであろう古語で書かれた難しい哲学書と思い込んでいた。
しかし、そもそもは女性や子どもも読んだ明治のベストセラーである。多くの庶民が手にした本だ。
面白くないわけがない。
福沢諭吉の物事の本質を捉える能力のすごさに、言葉を失う。
当たり前のことに、なぜ疑問を持つことができたのか。
本当に正しいのか?と疑う視点はどのように養われた -
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明治5年から明治9年まで発表された、17冊の分冊をまとめたものが、「学問のすすめ」です。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
「学問のすすめ」が勧める学問とは何か、それは、社会の役に立つ実学である。そして、実学をすべての人が、学ばなければならない。
・人は学ばなければ、智はない。智のないものは愚かな人である。
・天は富貴を人に与えるのではなく、人の働きに与える
・一生懸命にやるべきは、普通の生活に役立つ実学である。
・学問をするにあたっては、西洋の翻訳書を調べ、だいたいのことは漢語を使わずにできるだけやさしい言葉で対応すべきである。若くして学問の才能があるものについては、西洋 -
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一万円札でお馴染み、福沢諭吉のベストセラー。
有名な「天は人の上に人を造らず」から始まる明治初期の超ベストセラーを現代語で分かりやすく読める一冊です。
江戸時代の封建的な雰囲気がまだ残っていたであろう明治の初め、海外列強諸国に飲み込まれまいと近代国家に変遷していく最中に、国民にとっての「学問の大切さ」を当時の国民目線でわかりやすく書いたことがベストセラーになった理由なんだと、実際に読んで納得した一冊でした。
しかも、令和の現在、日本周辺にも地政学的リスクが迫り、SNSにはポピュリズム的な言動が溢れ、テクノロジーが精巧なフェイクニュースを簡単に大量生産可能としている中、他者に依存することな -
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ネタバレ「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言えり。」
自由・独立・平等について明快に説いたこの一説は、単なる人権平等を説いたわけではないのは周知の通りである。
人は皆、同じ権利を持っている。
しかし、世の中には富める人も貧しき人もあり。貴人も下人もある。
なぜか、
それは賢人と愚人との差に、学ぶか学ばぬかがあるからだ。
ゆえに学問、特に実学に関する学問に励み、実践することを福沢はすすめる。
学問のすすめが出版されたのは、幕末から明治という日本の歴史の中でも変革期に属する時期である。
幕末から明治にかけて起きた大きな変化といえば、士農工商の身分の差が無くなったこと、これに尽きるであろ -
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ネタバレこれ、本当に明治時代に書かれたもの?というのが素直な感想。例や比喩には時代を感じるが、考え方などは今の時代でも通ずるものが多く、福沢諭吉の先を見通す筋(すじ)力に感嘆した。
ドキリとした文言に「読書は学問の技術、学問は物事をなす技術」とあり、読書で終わらず物事をなす段階までやれよという言葉が隠れていると感じた。
また、現代に通じるが故に今の日本の状況と自分の考えについて思い直すことがあった。国民と政府の関係の考え方はこれから必要になるものではないかとも思う。
学問は判断力をつけるためって言葉、慶應卒のDA○GOさんも言ってたなぁ… -
Posted by ブクログ
みんな福沢諭吉さんを勘違いしてないか??
人権の平等を説いただけの人として認識しているなら間違い。
有名なフレーズ「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は一度は聞いたことがあるかもしれない。
でもこのフレーズだけで、福沢諭吉が人権平等を訴えた人だとするのは浅い。
実はこの続きがあり、それを読めば深い意図がわかる。
福沢諭吉は言う、「世の中には賢い人、愚かな人がいる。金持ちも貧しい人もいる。」と。
生まれた時は平等なはずなのに差が生まれる要因は、学ぶか学ばないかだとしている。
それは本当にそのとおりだろう。
有名なフレーズで終わっていてはもったいない。
他の事でも上辺だけ、一部分 -
Posted by ブクログ
出会いかた:本好きの知人に勧められて。
齋藤孝さんはいろいろな著書や発言からも「本をたくさん読んだ方が良い」とされている方です。この本は齋藤さんの恐ろしいほどの読書量と身につけた知識・引き出すスキルがちりばめられており、斎藤さんの目からみた世界はきっと自分なんかと解像度が全然違うんだろうなと思いました。この本でも触れられている「大人」の4つのステージの中でもちょうど自分がファーストステージにあたる45歳~であり、世間的にはベテラン・中年・旬を過ぎた世代と思われ、自分もそう思ってきている所でした。しかし、今からがまさに大人として、人間として面白くなってくるところなんだよ!というメッセージを受けま