斎藤孝のレビュー一覧
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「難しい仕事をする人を地位の重い人といい、簡単な仕事をする人を地位の軽い人という。およそ心を働かせてする仕事は難しく、手足を使う力仕事は簡単である。だから、医者・学者・政府の役人、また大きい商売をする商人、たくさんの使用人を使う大きな農家などは、地位が重く、重要な人と言える。」(p.10より引用)
この主張がどうも癪に障る。わたし自身はここで言う「重い人」に該当するものの、手足を使う力仕事を簡単だと主張する福澤の語り口があまり気に食わない。
福澤の主張の9割は正しいと感じたし、愚痴っぽい主張も正直共感できた。ただ、出版物という公の場所で主張するにしては、軽度に過激な学問至上主義者で、学問か -
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日本を代表する近代の書籍なのに読んだことが無かった。慶應義塾大学の創設者でもあり、現・一万円札の顔となっている福澤諭吉氏による、今でいうところの自己啓発本である。原書は漢文体(?)で書かれているそうで、現代語訳はありがたい。
言わずと知れた、明治維新の時代である。福澤氏は、当時の日本国民に独立せよ、そのためには自らの判断力をつける必要がある、判断できるようになるには学問を積むしかない、と説いている。
興味深いのは、西洋文化を真似するだけではだめだ、その背景を理解して見習うべきところだけを取り入れよ、と言っているところ。
学問をするというのは、論文を読んで自分が納得するだけでは不十分で、それをア -
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やはり現代人に文語体はハードルが高いです。このような現代語訳が出てくれることは大変有意義だと思います。
しかし、新書で売り出されて「ビジネス書」としての側面を打ち出されるのはなんだか複雑な気分もします。そういう自分も新書でなければ手に取らなかったと思いますが。
福澤諭吉の視点は、いまの時代を生きる自分から見ると、法律を守ること、他国から独立を守った強い日本国であることを重視する”保守的”な考え方や、学問をすることで財産や地位を得るという”新自由主義”的な考え方が見られるなと思いました。その一方で、政府と国民が対等であることを強調し、不満があれば正当な手段で政府に抗議することを勧めてもいます。 -
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名前だけならみんな一度は聞いたことがあるはずの学門のすすめ。やっぱり原文だと堅苦しいし、わからない言い回しもあってハードルが高かった。齋藤孝先生の本はすーっと頭に入ってきて読みやすい。たまたま実家にあったから読んでみたけど、何十年も昔から大切なことは変わってないんだなって思った。
学び続けること、その学んだことを使って新たな価値を生み出すことが求められている。平々凡々な私に新たな価値なんて大それたもの、見出せる気はしないけれど。
最近また本を読むようになって、新しい知識を得るって楽しいことなんだってことを再確認できたから、まずは自己満足でも好奇心に身をまかせて知識を増やしていきたいな。 -
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・およそ世の中の物事は、進歩しない者は必ず退歩する。退歩しない者は、必ず進歩する。進歩も退歩もなく、そのままのところに留まる物はありえないのが理屈である。
・天の正しい道理にしたがうのは、人たる物の仕事である。
・信じることには偽りが多く、疑うことには真理が多い。
・今日、世間のありさまを見ると、傲慢無礼で嫌われている人がいる。人に勝つことばかり考えて嫌われている人がいる。相手に多くを求めすぎて嫌われる人がいる。人の悪口を いって嫌われている人がいる。どれもみな、他人と自分とを比較する基準を誤っているの だ。自分の高尚な考えを基準にして、これを他人の働きと照らし合わせる。 自分勝手な理想像を基 -
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元号が変わる2019年の幕開けとともに、冬休み図書として購入。
前年にハイデガーの『存在と時間』の入門書を読んだのがきっかけで、他の哲学者についても知りたくなったのと、いつか齋藤孝氏の本を読んでみたいと思っていたことが購入理由である。
また、手軽な新書レベルの分量で分かりやすい哲学全般の入門書が他にはなかなか見られなかったということも本書を選んだ理由である。
本書は西洋哲学をベースに、古代ギリシャ哲学から中世・近代を経て現代哲学へ至るまでの大まかな流れに沿って、それぞれの時代を代表する哲学者とその思考法をコンパクトにまとめてある。
また、各節の終わりにその節で解説した哲学者のサマリを載せてい -
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読解力は人生を生き抜く力と定義しており、ベースになる力。
書き言葉の語彙を大量に仕入れる小学生のうちに読解力を磨いておくと、その後の勉強も人生も大きく変わる。
読書が大切である。いわゆる名作がテキストとして最適である。
本を読んだら、あらすじを話させてみる。要約させることが目的で、子どもの気持ちや感想を聞かない。
とにかく繰り返す。量を質に変える。
まとめると読解力をつけるには、1.名作を音読し、2.あらすじを言い、3.本に直接書き込み、読み解いていき、4.感想を言う。
とにかく繰り返す。
国語が基礎ということはよく分かる。また音読が効果があることもよく分かった。 -
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ネタバレ知識や技能を実生活に活用する「新しい学力」が近年求められている。
齋藤孝教授は上記の学力を「読解力」と置き換え、
それを小学生の時に身に付けるべきだと提唱している。
齋藤氏は「読解力」を得るためには「名作を読む」ことが必要だと語る。
本を読むことで、日常の会話では身に付かない「書き言葉」を身に付けることができるからだ。
「書き言葉」の意味をとれるようになれば、自然と生きるために必要な「共感力」「要約力」「伝達力」も習得できる。
名作の読ませ方としては、「音読」→「要約」→「書き込みながら読む」→「感想」の順番が良い。
「音読」で書き言葉と表現をしみこませ、「要約」でまとめさせ、
「書き込み