ラグナル・ヨナソンのレビュー一覧

  • 閉じ込められた女

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    アイスランドの女性刑事フルダ。夫と13才のかわいい女の3人家族でバリバリ仕事をしている所から始まる。
    前2作を読んでいるとその後の悲劇がわかって余計に辛いが、フルダの孤軍奮闘ぶりは身につまされる。ジョンダーギャップの小さいアイスランドと言うが1980年代だとこんな風なんですね。
    3作通してアイスランドの美しくも厳しい自然が登場人物の心象風景にも重なって印象的。
    行きたいなぁ。
    殺人事件なんてレアケースだと、書いてあるし。

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    2025年05月19日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    レイキャヴィークの警部、フルダ。定年間際で狭い部屋に一人暮らし。実はとても有能な警部なのに、出世が止まり、家族を失い、寂しい老後に絶望している。
    そんな彼女が最後の事件を意地と沽券にかけて解決しようとする。憂鬱な始まりだが、フルダの人生やアイスランド女性の生きようをかいま見る中の、迫力ある展開でとても惹きつけられました。描かれる風景もすごい。

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    2025年05月19日
  • 閉じ込められた女

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    フルダシリーズ三部作の完結編。
    レイキャビークという首都の名前も、海岸線を縁取るニョロニョロとしたフィヨルドに囲まれたサイの横顔のような国の形も、随分身近に感じられるようになった。
    前作から更に10年遡り、フルダは40歳。夫のヨンも娘のディンマもまだ生きている。

    今回はクリスマスの時期に起こる事件で、舞台は人里離れた雪深い高原地帯の農場だ。読むだけで体が冷えるので、暖かい上着と熱いルイボスティーは必須だな。
    近くの一軒家で一人暮らしをしている娘と過ごすクリスマスを楽しみにしているエルラと、その夫のエイナール。しかしドアをノックしたのは心待ちにしていた娘ではなく、一緒にきた猟の仲間とはぐれたと

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    2025年02月12日
  • 閉じ込められた女

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     終わったところから始まる物語。時間を逆行して発表されてきた女刑事フルダのシリーズ三部作、早くもその完結編である。

     これを読んだのは、北海道までをも巻き込んだ猛暑のさなかだったのだが、作品世界は雪に閉じ込められたアイスランドの一軒家である。とりわけ、三人だけの登場人物による恐ろしい駆け引きの第一部は、大雪で閉じ込められ、血も凍る恐い心理小説なのである。まさに猛暑対策にはこの上ない一冊なのだった。

     アイスランドという国、その特色を生かした寂しさと孤独と、辺縁の土地を襲う暴風雪。それらが重なるだけでも、いわゆるヒッチコック的スリラーの完成度が極めて上がる。そこに加え、前二作によるヒロインの

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    2021年09月22日
  • 閉じ込められた女

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    フルダシリーズ三部作の最終巻。
    重い内容ながら読みやすく、あっという間に読んだ。
    三部作を通してフルダが対応している事件よりも彼女の家庭が気になる。
    二作目までで家庭で何が起こったのかは匂わされてはいるが、本作でもフルダの心情は描かれるが実際家庭で起こった出来事が詳細に語られることはない。
    本作が読めるのを楽しみに待っていたのでその辺をもっと詳しく読んでみたかった気もするが、重すぎるテーマゆえ、娘と夫に関しては淡々と事実が描かれるだけでも胸が苦しくなる。
    三作通して、アイスランドの凍てつくような寒さも相まってひたすら重い雰囲気の作品ではあるが、名作である。

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    2021年07月07日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ネタバレ

    死に際に自分の罪を回想するシーンがなんともやるせない。。。
    まさかこんな終わり方するなんて。
    シリーズがあるようなので楽しみ。

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    2020年10月28日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ミステリーなのだけれど、私小説な、定年退職後の、生活を思い描きながら、日々の暮らしと現在の、取り巻く壁に立ち向かう力が、丁寧に綴られていて、主人公の、気持ちに寄り添う事が、出来る。
    限りある時間の中で事件解決に迫る主人公の最後は、重く心に残る作品でした

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    2020年10月13日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    途中で挟まれるストーリーでフラグ立ちまくり!と思いきやミスリード。最後まで一気読み。堪能しました。アイスランドものはこれまで多々読んできましたが、特に今作の勢いは素晴らしいです。退職を控えたフルダの寂寥感、ひしひしと胸に迫りました。たった2日の出来事、最後の時間を駆け抜ける彼女と一緒にラストまで走った感があります。良かったです。「北北西、、」でアイスランドのビジュアルを目にしていますが、今作でも原始的で厳しい風景が目に浮かびました。いつか実際にその地に立ちたいです。上記解説によると、映画化するんですか!絶対見ます。

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    2020年02月24日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    テンポが良い。1週間の中の話なのかぁ。いくつかの事件がうまく絡んでいて読み応えもある。北欧独特の寒々しく閉塞的な空気感を味わえた。
    最後そう持ってくのね…はじめてのパターン。

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    2020年02月05日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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     一方の端からもう一方の端へと振れ幅の広さにまず驚く。

     昨年、アイスランドのシグルフィヨルズルという北極に最も近い漁村の警察官アリ・ソウルのシリーズに驚いたぼくは、この人の作品は書かれた順番に読もうと誓っている。なので、アリ・ソウル・シリーズも一作、二作という順に読んで、先に翻訳された五作目はそのまま手元にあるが読まない。この作品はこのシリーズの三作、四作と読んでから取り組むべきなのである。それを感じたのは一作から二作へ渡される作者の想いのようなものだと思う。時間というバトンは決して軽くない。作者はそれだけアリ・ソウルとシグルフィヨルズルの街を丁寧に扱いたいのだと思った。

     さてアリ・ソ

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    2020年02月03日
  • 喪われた少女

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    アイスランドのフルダ警部シリーズ2作目。前作の十五年前、フルダは家族の喪失に傷つきながらも、有能さを発揮している。十年前、20代の仲良し男女 5人組に何があったのか。事件を引きずる4人はどういう青春を送ったのか。フルダ自身の過去も絡めて解決の時が来る。
    絶壁の無人島エトリザイ、露天風呂のある西部フィヨルドとアイスランドのすばらしい風景が描かれていて、行ってみたいなぁ。

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    2025年05月19日
  • 喪われた少女

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    『闇という名の娘』に続くシリーズ2作目。
    このシリーズは、回を重ねるごとに過去に戻るのだ。
    主人公のフルダ・ヘルマンスドッティルは、前作では定年間近だったが、今作では10数年遡り、まだ50歳。偉くなりたいという野心の炎は赤々と燃えている。

    フルダという人間は、非常に頑固で扱いにくい一面がある。
    それは彼女が幼い頃、ある理由から施設に預けられていたからなのか。
    その頑固さ故なのか母親と心を通わせることができなかった。その人間としての不完全さが、彼女自身を傷つけているのではないかと思う。

    起った事件についていうと、前回の話より今回の話のほうが分かりやすく、読みやすかった。
    10年前に起こった、

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    2025年02月10日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    『ヴェラ~信念の女警部』が好き過ぎて、海外の女性刑事というと、頭の中で描くビジュアルがすべてヴェラになっちゃう。困ったもんだ。
    それはおいといて。
    とても面白かったです。訳者との相性がよかったのか文章はスルスルと読み易く、あまり馴染みのないアイスランドという国の美しい風景写真を眺めながら、あっという間に読み終わりました。

    数か月後に定年を控えた女性刑事、フルダ。64歳。
    いわゆるガラスの天井なるものに阻まれて、優秀だったにも関わらず警部どまりだったことに憤りを感じている。夫とは死別しており、今はひとり暮らしだ。
    最近趣味の山登りで、素敵な男性と知り合った。穏やかな人柄で、暮らしぶりもよく

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    2025年01月21日
  • 喪われた少女

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    ネタバレ

    ともかく、主人公が不幸過ぎる。そして事件の当事者達も酷すぎるな。この作家さんは残酷だよ。
    ミステリーとして面白いが解決が少し安易かな?まぁ登場人物が少ないので犯人を推理するのは容易だった。
    イヤミスみたいな物で、読後感の悪さはなかなかでした。
    最後の主人公の願いも一冊目を読み終わってるだけに、凄い皮肉だ。

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    2023年10月14日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ネタバレ

    謎解きは面白くテンポも良い。そして、あっと驚く結末。
    充分に読み応え有り。
    でも、作者の書きたかったのは、主人公の生い立ち、苦悩、苦境、孤独などなど、
    どこ切っても辛く悲しく、そして憤り。
    こうまで辛い人生でも刑事として自分なりの正義を貫こうとする姿勢は、立派だけど作者は更に捻りをいれてくる。
    正義って見方によって、悪にでもなるし、悪い事をすれば、災厄が自分に返って来る
    なんて、説教臭いけど、いわゆる因果応報ってことだね。
    衝撃的なラストも、僕に皮肉が強すぎて、まるでコメディのように思えて、不謹慎だけど笑ってしまった。
    ともかく、すげぇ~と思わせる作品だった。

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    2023年10月09日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ネタバレ

    定年間際や定年後の刑事を描く物語というのは特に珍しくはないが、意に反し早期退職を迫られ良かれと思ったことが裏目に出て焦るあまりに墓穴を掘るという不幸の連続にはサラリーマンの読者であれば身につまされること請け合います。アイスランド語の原著の英訳本から翻訳しているので本当のところはどうなのか判らないが、陰々滅々だといえなくもない話なのに日本語訳では小学生にでも読めそうな拍子抜けするほど平易な文章なのが「いとをかし」

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    2021年12月28日
  • 喪われた少女

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    フルダシリーズ2作目。1作目の解説で、2作目の紹介が有ったのでフムフムと。
    前回のフルダはいわば「人生の難破船」的精神状態。崩れ落ちて行く周囲の世界の合間でどこまでが現実やら、どれが現時点やら、こちらも雪盲状態?で読み終えた。この作家さん、独特の精神世界。センテンスの短さ、驚くほど文字数の少ない症候性で抜群の読み易さというか「読む絵本」的。
    そうはいってもひしひし迫る冷たさと嘘寒い恐怖の高まりは今回も同様。

    若返っているはずのフルダはなんか老成している感じ。
    前作は夫との関係、哀しい娘の生涯が語られたが今回はフルダ自体の出生の秘密。
    アイルランド版朦朧体とでも言えるかな。

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    2021年12月06日
  • 閉じ込められた女

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    フルダシリーズ、最終章。3作め。
    遡ってシリーズになっているので、彼女の、苦しみを、わかりつつも、最後は、結果的に、~なんだよね。って!
    事件における物語は、いつも解明される段階で、味わい深い。もう一度、1作めから、読みたくなった。

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    2021年11月04日
  • 閉じ込められた女

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    そういうことか、、うまいな、とうなってます。アイスランドの厳しい冬が少しだけでもイメージできました。全く外に出られず、外と繋がる手段もない、テレビもない、なんてとても無理です。誰もがそうしたくなかったのにな、、とため息が漏れます。

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    2021年08月07日
  • 喪われた少女

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    ネタバレ

    今作も面白かった!
    娘の死についてあまり書かれていなくて残念。どうして感の鋭いフルダが気づかなかったのか?そしてどうやって知ったのか。。。
    自作が待ち遠しい!

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    2020年11月20日