シルヴァン・ヌーヴェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレモキュメンタリー文体で描かれたSF、第3部。
SNSの実況に通じると看破した解説に、さもありなんと頷く大作だった。文句なしの星5つ。
ただ、解説にて(意図的に書かなかったのか?)書かれなかったことだが、地球で起きた『収容所をめぐる一連の、非科学的極まりない差別』は『遺伝子』だけでなく『宗教、民族』もそこにふくんでいる。
主人公の一人に「わざと」自国の自主独立を主張させたり(少しぐらいそういう事を言わないと、という計略)。
サイコパスのようで実は切れ者の女性キャラに、ボスニア・ヘルツェゴビナの話をさせたり。
作者シルヴァン・ヌーヴェルは間違いなく、SFを語っている。
もちろん、オタク小説にあ -
Posted by ブクログ
前作から9年後の世界。すっかり世間に馴染んだテーミス(異星人が過去に地球に残していった巨大ロボット)とそのパイロットたちの前に、テーミスと同じタイプのロボットが突如現れて……っていうお話。
基本的に登場人物の会話か独白でストーリーが進むからテンポが良くてサクッと読めちゃう。
余計な描写がないおかげて、シーンをいろいろ想像できて楽しい。
今作の目玉は何といっても世界各地にワラワラと現れる巨神たち。
無言のまま人類を虐殺しまくるという物凄い展開にビビった。
カーラ(テーミスのパイロットのひとり)をめぐるドロドロの人間関係も読みどころ。
それとアリッサ先生が遺伝学の講義をしてくれるんだけど、自分に素 -
Posted by ブクログ
異星人ロボットSFとして読んでいたけど、人種(に入ると思う)差別や排斥が大きなテーマになるとは…面白かったです。思考停止で異なるものを排斥、というのは恐怖の裏返しなんだろうけどそれにしても疑心暗鬼が攻撃にすぐ結び付くのは怖いです。
ローズに始まりローズに終わったな…と思いました。エヴァとヴィンセントも重要だったけれど。
カーラからエヴァへのお手紙、ジーンとしました。
インタビューや私的な文書のみで構成されてたシリーズだったけれど、それで充分何が起こってるかわかるのは凄いです。思ってたより骨太でした。
エヴァがダリル推しなのも嬉しい。
しかしこれ、「計画」と「覚醒」はともかく、「降臨」は各方面 -
Posted by ブクログ
第1作からだいぶ間があいてしまっているものの、読みながら何となく思い出してくる。
科学的な刺激とともにドンドン展開するストーリーに引き込まれていく上巻であった。
ただ、相変わらず何を言っているのか意図がよく解釈できない箇所が小骨のように気になる。
たとえば以下のような会話。
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- わたしはあなたが忙しいか尋ねたつもりだったのですが。
- これこれ。
- なんですって?
- これですよ!
- ・・・・
- いいえ、わたしは忙しくありません。話をする時間はあります。
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なんだこれ??
原文ではもっと気の利いたやり取りな気がするけど、訳しきれていないのかしら。。
ま、それ以上に話が面白い