伊藤和行のレビュー一覧
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努めて冷静に振る舞おうとしているが今まで見ることのできなかった物を見ることができた喜びと興奮が伝わってくる。ページ数は多くないが重要な記述が多い。後にガリレオ衛星と呼ばれることになる木星の衛星観察では、動きを詳細に記録することによって周期を割り出そうとし、同時に星の周りを回る星の存在を示すことで地動説を裏付けようとしている。また、月の表面が地球と同じような地形をもっていることを示したり、星雲が星の集まりにであることを示すなど、現在では当たり前であるが、当時としては革命的な記述がある。望遠鏡による月や木星の観察の単なる記録と考察にとどまらず宗教的な宇宙観から抜け出す記念碑的な著作といえる。
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Posted by ブクログ
ギフテッドという属性名称は単なるIQスコアと、それを診断した場合に生じるものなので、IQ以外の能力の状態はその優劣も多様だし、IQスコアが高いことが表面化せぬ事も多い。ギフテッドの名称を得ている、という事は何かしらの原因でIQ診断を受けた人である。更に、受診の動機は「生きづらさ」である場合が多いので、ギフテッドは生きづらいというイメージが仕上がり易い。受診せず、故にギフテッド認定されず社会的成功を得ている人が多いのも事実。そう考えると35人に1から3人ギフテッドがいる、と言う本著の記載も納得できる。また、アスペやサヴァン、発達障害と混同され易い理由も分かる気がする。生きづらさ起点での診断ゆえ、
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Posted by ブクログ
学校に馴染めないけど、何か才能があるような子をよりよい環境で才能を伸ばしていくようなプロジェクトがあるのを、テレビ番組でみたことがあったのですが、この本を読んで頓挫したことを知った。確かにその番組を見ていたとき、逆に「自分たちは特別なんだ」っていうような他を落とすような方向になるんじゃないかっていう思いはもった気がする。ただ違う形で、学校に馴染まない子たちの支援は継続されているそう。
戦時中のエリート教育の話は、初めて知った。
人には色んな特性があるんだと、私も大人になって色んな情報をみることによってわかったくらいなので、多くの人がまずは「知る」ということからはじめなきゃいけないのではない