川内イオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
40代も後半になって、この先のキャリアのことを考えるようになった。
今の仕事をずっと続けてもよいのだけれど、どうも70歳くらいまで働かないといけなそうだし、あと20年以上も今の仕事をするのかというと、ちょっとほかのことにチャレンジしてもいいかもしれない。
そうなったら、私は何をしたいんだろう。
思えば、仕事を選ぶときはずっと、大失敗してもなんとかできるかばかりを気にしてきた。
普通そうといえばそうなんだろうし、転職したときはかなりチャレンジングなことをしたつもりだったけれど、それでも、ダメなら前の仕事に戻ればいいと思ったし、ある程度安全が保障された範囲でしか挑戦をしてこなかったと思う。
もっとどうなるか分からないような挑戦を、どこかでしてもよかったんじゃないか、とか思ったりする。無理だったなとも思う。
食のイノベーターたちの取材をまとめた本だけれど、その生き方が根本から違うんだなというのをひしひしと感じた。
そこまで思いをかけられるのは、少し羨ましい。
ここまではできなくても、これから先の人生では、多分自分の失敗できる範囲も広がった気がするし、もうちょっとチャレンジしてもいいかもしれないとちょっと思った。 -
Posted by ブクログ
アップルを辞め、独立してから7年。「アップルがイノベーティブな企業であり続けられる理由はなんだと思いますか?」と問うと、ダグラスさんは「んー」と一瞬考えた後、こう答えた。 「アップルが作るものがなぜヒットしたかと言うと、センスのいい人たちが自分のセンスを信頼してものごとを決めたからだと思うんです。『誰かにアンケートをとってこういう結果が出た』とかじゃなくて、誰に対してこびることもなく、世の中にない、自分がほしいものを作ってきたから」
この話の流れで、「日本からイノベーションが生まれないのはなぜだと思いますか?」と質問した。その答えは、しごく明快だった。
「その理由はハッキリしていますよ。日本のメーカーに勢いがあった時代って、エンジニアがトップに立っていたじゃないですか。ホンダもソニーもそうでしょう。僕は、そうじゃないメーカーってひとつも知らない。でも企業が大きくなって、営業とかマーケティングの人がトップになってから、面白くなくなった。今は営業マンのほうがエンジニアより給料が高かったりするでしょう。泣けるよね。少なくとも、アップルはそうじゃなかった」
しばしば、日本企業の人間がダグラスさんのオフィスを訪ねてきて、「イノベーションってどうやって起こすんですか?」と質問するそうだ。そのたびに、「正しくないかもしれないけど」 と前置きして、ここに記したようなことを話すという。日本企業の人たちがダグラスさんの言葉をどのように捉えているのかはわからないが、彼は今も、アップル流の哲学を信じてモノづくりをしている。しかも、自分のライフスタイルにカスタマイズする形で進化させながら。
例えば、ダグラスさんは「『自分はセンスがいい』って勘違いしたものを作ったら、アウト」という。自分のセンスを信じる。でも、過信してはいけない。この微妙なバランスをどうとっているのだろうか?
「信頼できる10人くらいの仲間から、率直な意見をもらっています。そのなかには妻もいるし、ジョナサン・アイブのチームにいた元アップルのプロダクトデザイナーや、ワールドバリスタチャンピオンもいます。自分が脱線していないか、いいものを作っているか、彼らの視点でチェックしてほしいんです。ただし、その輪を拡げすぎるといろいろな意見が出てきて混乱しちゃうから、本当に信頼できる人だけでチームを作って、フィードバックをもらうのが大切です」
アップルでは、オフィスに行けば各分野のプロフェッショナルがいて、すぐにアイデアを共有したり、相談できる環境があった。経営者になり、糸島のオフィスに自分ひとりしかいない今は、 仲間たちがダグラスさんの背中を押し、支える役割を担っているのだ。
自分以外の誰かに喜んでもらうことを一義的な目的にする――これは道徳や倫理の話ではありません。他者に喜んでもらう、他者に貢献することが自分にとってもいちばんうれしいというのは人間の本性です。本性だから無理がない。この本性に忠実であることが、商売が長続きする秘訣です。
これは日本資本主義の父と言われる渋沢栄一の「論語と算盤」にも通じる話です。商売の本質は自分以外の誰かの役に立つことにあるからこそ、渋沢は「道徳的であればあるほど結局いちばん儲かる」という原理原則に到達したのです。
ちっとも儲からない売り上げ1000億円の会社が1社あるよりは、売上高1億円でも商売の王道を貫いて長期利益を出している会社が1000社あったほうがいい。成熟した日本はその段階に入っています。
昨今、「経済のサービス化」とか「モノづくりよりコトづくり」といった言葉が飛び交っています。本書に登場する10人は「モノづくりこそコトづくり」を地で行っています。モノがコトを創造し、モノがコトの強力なメディアになる―――本書はこれからの日本のモノづくりの一つの方向を示しています。 -
Posted by ブクログ
・学生の時にアメリカにいってKPMGでインターン、会計士に正式採用されたけど地元に戻って、科学的に落花生を栽培する試行錯誤をしたり、ピーナッツバターのラインナップやパッケージデザインまで一人でやってしまった人
・デュポンで働いていたけど、梨園で畑仕事ではなく「農園のマネージャー」としてカイゼンプロジェクトを回した人
・海外志向でラテン語も勉強、父親が農家でありながら世界を旅して高級レストランで食事するツアーに連れて行ってくれ、その視点もあって一流シェフと渡り合って欲しいハーブを作り売る人
など
いずれも、農業に全然詳しくなくて、外がわにいた人たちだけど、農業を変える。ITもつかうけど、泥くさく、ひたすらマッチングに奔走したり、製造業のカイゼンのようなことをしたり、①農業と関係のない人がハードルを乗り越えて農業の門を叩き ②門の中の農業王国は閉ざされていたので、外界のやり方を取り入れたり,その人のルーツを少し変えて使ったり ③その人がいなくなっても回るように仕組み化をがんばったり、自分の知り得たことを広める学校を作ってさらに産業を、活性化させたり
あくまでも「熱意とエネルギーとをつぎ込んでやってみた」話なので、持続するかどうか、冷静に分析しておく必要はありそう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「稀人ハンター」という肩書を標榜し、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を取材して紹介する著者が選んだ10人を紹介した本。
結果的に成功している方々なので、当然、生存バイアスがかかってるのは承知しておりますが、サクセスストーリーまたはシンデレラストーリーを楽しめる人には良いと思います。
もちろん成功前のしんどい時代、中には壮絶すぎる人生を送られている方もいましたが、ある程度の暗いトーンまでで抑えつつ全体的に明るい話題になっており、スーパースター扱いしない点も好感が持てました。そして、結果論ですが、成功に至った原因や行動・考え方は参考になるかもしれません。
時計職人のセリフで「お金がなかったので、それが一番の不安要素で。でも、深く考えていたら辞めていない。ある意味バカだからできることでしょう。とにかくワクワクする時計を作ろうということで辞めました」を見て、いわゆるサラリーマンでも、人生を賭けるほど冒険はできないけど、限らた範囲でバカさを追求できると仕事って、充実感が得られるのかな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
どの人もこの市場はニッチで一儲けできるぞというような✍️計算があってモノづくりをしていなくて。なんとなくこれを作りたいな。から始まっていたりすり。途中で断念するチャンスもたくさんあったなかで成功というか続いているのはやはりその人の魅力で応援する人を惹き付けたり、自分が信じて作ったものにニーズがあることを目の前で確認できたりするひととき。運命的な出会いもある。とはいえそれぞれベースとなるスキルについてはバリバリ努力した上で成り立っていると思った。独立するタイミングは勝算あってもなくてもしているようにみえた。
著書の稀人ハンターの基準が好きだなと思うのはニッチではなくウルトラニッチなところを攻めているところ。
1人一冊にしても良いなと思うくらいそれぞれの続きを読みたい