川内イオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フリーランスの著者がウルトラニッチと言われる需要は小さいが圧倒的なニーズのある商品をつくる10人の商品や半生をインタビューなどを通して描いた一冊。
動物専門の義肢装具士やスプーン作家、独立時計師、トランペットのマウスピース製作者など知ることのできなかった人物を本書を読むことで知ることができました。
その道に進む中で軌道に乗るまで生活が困窮していた方も多くいたり、それぞれターニングポイントとなる出会いや発見があったりとニッチな分野で突き抜けるまでの波瀾万丈を本書で感じることができました。
値付けの難しさ、相手の期待に応えること、
売り方や届け方を考えること、作る過程のプロセスが大事であることなど軌道に乗せるまでに様々な工夫をしないといけないということも本書で学ぶことができました。
本書を読んで紹介されている10人の今後が楽しみになるとともにまた違うウルトラニッチが生まれることが楽しみになる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
非常に狭い市場で、しかし唯一無二の製品を作り出した人たちを取りあげている。苦難の人生を歩んだ上で成功した人もいれば、大企業に努めていてそこから独立して起業した人もいる。
どの事例も共通しているのは、特定の分野に大きな興味を持ち、周囲の心配もよそに一つのことをやり抜いた姿だ。組織の枠のなかにいたら「リスク回避」「過去の成功体験」の下で実現できなかったであろう事例だ。
無数の失敗や挫折もあるなかでほんの一握りの成功事例ではある。しかし本当に革新的なことに取り組もうと考えたら、企業の枠組みの中では難しいのだろうということも考えさせられてしまう。 -
Posted by ブクログ
中国雲南省に10年近くいたので、日本の農業がどのような変化を起こっているのかを知りたくて読んだ。「僕は農業って最高だと思ってますよ」という冒頭の言葉が、10人の農業を担う人たちを表す表現と言える。私も以前は「農業 面白すぎるぜ」と言っていたのだが。
著者の「稀人ハンター」という視点が、よく活きていて、変な農業人にスポットライトを当てている。そのヘンさは農業を変える力になるかもしれない。もともと変革するには、「ばか者、よそ者、わか者」と言われるが、そういう類の人たちが、農業に参入するのは面白い。
ここに登場する10人は、農業をビジネスと考えていて、経営として成り立たせようしている。日本の農業は衰退しているとか、農業政策が悪いとか、農業は3K(キツイ、キタナイ、キケン)にさらに3つのK(クサイ、カッコワルイ、ケッコンデキナイ)が加わるが、そんなことは全く気にしていないのだ。逆に、農業は儲かると思って農業に取り組んでいる。
杉山は、ニューヨークの会計事務所KPMGに勤めていて、1904年のセントルイス万博で、ピーナッツの品評会で、「遠州半立ち」という落花生が一位になったことを知り、ピーナッツバターをつくる農家となる。ピーナッツバターが、貧富の差がなく食べることに可能性を見出し、「遠州半立ち」を探し出し、無農薬、無添加のピーナッツバターをつくって直販する。物語性がうまく作られている。農水省の提唱する6次農業である。だいたい6次農業ができるには、農民では無理がありすぎ、補助金をつけても失敗するのが落ちだ。そこを切り抜けているのがえらい。ピーナッツにこだわったからこそできた。私は、雲南省で4粒入りピーナッツと黒ピーナッツを追いかけていた。
世界のスターシェフを魅了するハーブ農園の梶谷ユズルは、世界のシェフが何を求めているのかを若くして父親に教えられ、さらに栽培法を原典にあたって、珍しく求められるハーブの栽培をする。パリの3つ星レストランにハーブを納品する。「世界を旅行をしながら新しいものを探してきて、それを栽培して食べてもらってお金ももらえる。本当にこんな楽しい職業があっていいのか、と思う」という。
小杉佳輝は、静岡の標高800mの茶畑で、高級茶「東頭」100グラム1万円の茶葉を作る。それだけの値打ちを作り出すのだ。日本のお茶は、アートなのだ。
田中節三の国産バナナ「もんげーバナナ」は、凍結解凍覚醒法という栽培方法がいかがわしいが、たまたま皮ごと食べられるというインパクトのある品種に出会ったからよかった。
アースサイドの稲田信二は、レタスの植物工場を展開する。ロボティクスやIoTを活用することで、育苗から収穫までの栽培工程を自動化。視野は日本だけでなく、世界を目指す。
植物生理に基づいたサイエンスと最新のテクノロジー、農業ベンチャーのクラスター創造による農業ルネサンスに尽力するベジタリアの小池聡。
飛騨高山の藤原孝史のスーパー肥料。悪臭をなくす有用菌の活用。益虫となるガブリダニや線虫の土壌生物を繁殖させる。
ファーメンステーション酒井里奈の飼料米から、バイオマス、化粧品への発展させて、コメに発酵技術を導入したセンスは素晴らしい。
佐川友彦:東大卒の畑に入らないマネージャーによるカイゼンに取り組み知恵袋になる。農家から農業へ発展させる。
SEND菊池紳の農家とレストランをつなぐマッチングと物流革命もいい取り組みだ。農家が売り先を考えずに作るということをこの手法で、顔が見え、同時に求められる農産物を作る。
農業は、奥行きが深く、このネクストファーマーズの挑戦は、まだまだ農業が面白くなることを感じた。農家が農業と向き合い農業をかえると思うことによって、日本の農業は、まだまだ可能性が多くあるなぁ。