黒木渚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
乳酸菌飲料ラクトルを届けるラクトママ4人のお話。
この設定を聞くと有名な乳酸菌飲料ヤ◯◯トが思い浮かぶ、、
「八十ミリリットルの液体に何億個もの菌を忍ばせて人々の体内に送り込む。私達の仕事は菌を配ること。」
確かにその通りかもしれないが、言い方に笑ってしまう。
同じ仕事をしているのに売り方、仕事の考え方、私生活に抱えるものは、みんな全く違っており、それぞれのお話に違った面白さがあった。
個人的には、ラッキーマチコさんのお話が好きだった。
ちょっとしたラッキーが、とてつもない幸運が続いてるように話が進んでいく。
くすっと笑ってしまう話も多く散りばめられているのも良かった。
特に、パンクバンド -
Posted by ブクログ
ある町で働く乳酸菌飲料販売員の女性たちの日々を描いた短編集。
主人公の女性は各話で異なる。表題作は1話目に配されている。全4話。
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出来のよいのはやはり表題作。
主人公のベテランラクトレディの春子は明るく人好きする性格で、販売員としても優秀。毎朝出会うランニング中の年配男性や歴史好きの亭主のセリフなど、伏線の質がよくオチのつけかたも見事で、爽やかな読後感をいっそう引き立てています。
何より軽やかなテンポで読みやすく、作品の導入にぴったりでした。
第3話は、ガラリと趣を変え、現代版わらしべ長者のようなストーリー。なかなかうまく組み立てられていて感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ壁に飾られた頭だけの鹿の剥製。深く孤独を感じた時、ふと眼について話しかけてみる。その何気ない呼びかけに、鹿の剥製たちが応え始めた――。
小二から施設で暮らし、全寮制の女子校へ進学するも友人を作らず孤独に生きようとする少女タイラ。結婚詐欺を生業とし、婚活サイトを利用して女性を漁る多田野マシロ。面倒くさくて重くてわがまま、重度の恋愛依存症で男に逃げられる少女あぐり。3人の主人公たちはそれぞれ孤独の底で突如鹿の剥製と会話ができるようになる。鹿との会話を通して、3人は目を逸らしてきた自分の本当の望みに気付いていく。そして物語は狂気の剥製師、夢路へ繋がる…。
ミュージシャンとして活動する黒木渚の、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私事だが、若いころから楽器の演奏はしないものの、ただひたすら音楽を聴くこと、が好きだった私だが、最近、音楽を聴くだけでなく提供する側、すなわち舞台に立つ、事ができた。そのような私であるから、この書籍の解説と、読みだしには大いに期待して、主人公は女子高校生であるにもかかわらず、自分なりの感情移入をして、読み進めることが出来た。
ただ、感情移入する、と言っても、作品中の後半からの誰か他人にあまりにも感情を抱くことにより傷ついたり、己の体を自傷したり、といったことまでには同化することは出来なかった。そこは私が自分の半生で「道を外れる事の無い様」身に着けてきた処世術によるものでもあると思うし、残念な