黒木渚のレビュー一覧

  • 檸檬の棘

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    レモンの木は見たことが無く、棘があるのも初めて知った。

    主人公の少女はほとんど家にいない父親をずっと憎み続けながら成長する。

    崩壊寸前の家族から逃げるため、全寮制の中学校へ行く。
    しかし、大人になっても「父親」という存在にいつまでも囚われている。

    離婚して出て行った父親を憎む記念として、
    弟と一緒にホームセンターで見つけた、
    枯れそうな弱いレモンの苗。

    いつしか庭でしっかりと成長し、大人になるころには大きな実をたくさんつけるようになる。

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    2023年07月05日
  • 檸檬の棘

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    黒木渚の自伝的小説。
    もう読んでいてずっとチクチク痛かった。
    父との確執。
    父を敵とする中でギリギリ自分自身のメンタルを保ってはったんかな?
    作中で父に対する決別のために、弟と一緒にレモンの木を買いに行って植えるシーンがあるが、普通の学生には思い浮かばない発想のように感じて、辛いシーンやけどなんか感心してしまった。

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    2024年04月25日
  • 呼吸する町

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    乳酸菌飲料ラクトルを届けるラクトママ4人のお話。
    この設定を聞くと有名な乳酸菌飲料ヤ◯◯トが思い浮かぶ、、
    「八十ミリリットルの液体に何億個もの菌を忍ばせて人々の体内に送り込む。私達の仕事は菌を配ること。」
    確かにその通りかもしれないが、言い方に笑ってしまう。

    同じ仕事をしているのに売り方、仕事の考え方、私生活に抱えるものは、みんな全く違っており、それぞれのお話に違った面白さがあった。

    個人的には、ラッキーマチコさんのお話が好きだった。
    ちょっとしたラッキーが、とてつもない幸運が続いてるように話が進んでいく。
    くすっと笑ってしまう話も多く散りばめられているのも良かった。
    特に、パンクバンド

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    2023年09月30日
  • 呼吸する町

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     ある町で働く乳酸菌飲料販売員の女性たちの日々を描いた短編集。
     主人公の女性は各話で異なる。表題作は1話目に配されている。全4話。

          * * * * *

     出来のよいのはやはり表題作。

     主人公のベテランラクトレディの春子は明るく人好きする性格で、販売員としても優秀。毎朝出会うランニング中の年配男性や歴史好きの亭主のセリフなど、伏線の質がよくオチのつけかたも見事で、爽やかな読後感をいっそう引き立てています。
     何より軽やかなテンポで読みやすく、作品の導入にぴったりでした。

     第3話は、ガラリと趣を変え、現代版わらしべ長者のようなストーリー。なかなかうまく組み立てられていて感

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    2022年06月17日
  • 呼吸する町

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    何気なく手に取った本でしたが、良かった。
    ラクトルと言う乳酸菌飲料の配達をするラクトルママさんたちの周辺で起こる、切なかったり面白かったりする日常で遭遇するであろう出来事が、良いリズムで描かれています。
    音楽でも活躍してる人らしいので、文章のリズム感が良いのかなぁ。スラスラ読めますが、心に響く箇所がありました。
    「華麗なる配達」は楽しく読めて、最後のオチが良かった!

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    2019年10月07日
  • 壁の鹿

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    レンタカーの中、朝のFM番組から流れてきた「砂の城」という曲(詩の感性)に衝撃を受けた。誰かに似ている気もしてネットの口コミを読むと椎名林檎の名が現れる。確かに似ているとは思うが、椎名林檎のこともよく知らないからよく分からない。

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    2019年02月03日
  • 鉄塔おじさん

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    これまでの作品からすれば、刺激が小さ目で普通の作品の範囲に収まっていると感じたが、それにより著者のファン層の拡大が期待できるのではないかと思った。

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    2018年03月24日
  • 壁の鹿

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    ネタバレ

     壁に飾られた頭だけの鹿の剥製。深く孤独を感じた時、ふと眼について話しかけてみる。その何気ない呼びかけに、鹿の剥製たちが応え始めた――。
     小二から施設で暮らし、全寮制の女子校へ進学するも友人を作らず孤独に生きようとする少女タイラ。結婚詐欺を生業とし、婚活サイトを利用して女性を漁る多田野マシロ。面倒くさくて重くてわがまま、重度の恋愛依存症で男に逃げられる少女あぐり。3人の主人公たちはそれぞれ孤独の底で突如鹿の剥製と会話ができるようになる。鹿との会話を通して、3人は目を逸らしてきた自分の本当の望みに気付いていく。そして物語は狂気の剥製師、夢路へ繋がる…。
     ミュージシャンとして活動する黒木渚の、

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    2017年11月02日
  • 壁の鹿

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    著者の楽曲の歌詞にも強烈なインパクトを受けたが、小説もなかなかに刺激的な世界観をもって読者に襲いかかる。
    音楽、文学ともに将来が楽しみなアーチストである。

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    2017年10月09日
  • 壁の鹿

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    歌詞がとても好きなのでとても気になっていた小説。
    あともう一冊も読んでみたくなりました。なるほどね。

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    2017年09月06日
  • 壁の鹿

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    これもちょっと疲れちゃった。
    黒木渚の音楽を聴き始めた頃なら体力がもったかしら。

    あぐり的な病みは見ていて苦しい。
    その末路も。

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    2025年11月11日
  • 本性

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    世界観に浸りつつ。
    今の私には毒々しいかな。若い時のほうがハマった気がする。
    臭いものには蓋をしたい。

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    2025年11月05日
  • 本性

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     3編とも意外な方向へ物語が進んで、思いも依らぬ着地を見せる。あとがきも含めて読者を惑わせる構造に引き込まれた。

     お気に入りは「超不自然主義」。主人公の同居人が地蔵と結婚しているという特異な設定が語られるが、それは当の本人にとっては普通のことであり、いったい普通とはなんなのだろうと、考えさせられる物語だった。

     人の本性は発露されると怖いけれど、同時に愛おしいものでもある。それら引っくるめて人間はやっぱり面白いと思った。

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    2025年04月16日
  • 壁の鹿

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    ネタバレ

    この本は偶然、古本屋で見つけて、惹かれるように手に取った。ここに登場する主人公たちはどこか歪んでいる。そんな彼女たちのもとには偶然か必然か、目の前に〈鹿の剝製〉が現れる。そして皆が言うのだ。私は、僕は、あの時、確かに〈鹿の剝製〉と会話した、と。〈鹿の剝製〉とのひと時は、彼女たちが奥底にしまい込んだはずの思いを吐き出させる。この本を読み終えたとき、誰しもが自分にとっての〈鹿の剝製〉について考える。もちろんこれから出会うことにもなるかも。六つの短編としても、〈鹿の剝製〉で繋がった一つの物語としても面白かった。

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    2023年01月13日
  • 予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる

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    ネタバレ

    私事だが、若いころから楽器の演奏はしないものの、ただひたすら音楽を聴くこと、が好きだった私だが、最近、音楽を聴くだけでなく提供する側、すなわち舞台に立つ、事ができた。そのような私であるから、この書籍の解説と、読みだしには大いに期待して、主人公は女子高校生であるにもかかわらず、自分なりの感情移入をして、読み進めることが出来た。

    ただ、感情移入する、と言っても、作品中の後半からの誰か他人にあまりにも感情を抱くことにより傷ついたり、己の体を自傷したり、といったことまでには同化することは出来なかった。そこは私が自分の半生で「道を外れる事の無い様」身に着けてきた処世術によるものでもあると思うし、残念な

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    2022年09月26日
  • 檸檬の棘

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    他の作品も読む。

    ちょっと痛いし苦しいし、女子校のモワッと籠もった感じリアルだし、だけど、読もうと思った。

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    2022年08月02日
  • 呼吸する町

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    乳酸菌飲料を配達する4人の「ラクトママ」たちのお話し。
    我が家もヤ◯ルト配達してもらっているのだが、最初の章で、
    「秘密結社女スパイであるラクトルママは顧客の体内に何億個もの菌を送り込む。これは生物兵器なのである。」
    おもしろい発想だなぁと思う反面、複雑な心境になった(笑)

    読んでいて途中、中弛みがあったが、最終章で思わずの展開で興味深く読み終える事ができた。

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    2021年05月30日
  • 壁の鹿

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    剥製の鹿と会話ができるなんて、ファンタジーだなあと思ってたけど、どんどん違和感がなくなって物語に入り込んだ。でも後半はなかなか…読み進めるのが辛い重苦しさもあり、読後は妙な納得感と達成感でした。

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    2020年10月28日
  • 呼吸する町

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    表装に惹かれて読んでみた。
    ラクトル・・・ヤクルト?
    ヤクルトレディたちはこんな生活を送っているのだろうかと想像しながら読んだら、職業小説のようでもあって楽しめた。

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    2020年01月16日