新井一二三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
基本的には中国語を軸としたエッセイ、という感じであるが、第七章の香港の言語革命は本書中の白眉。香港の大陸化と戦う人々はそれまで話し言葉であった粤語(えつご、香港で話される広東語)を暗号としての言語に昇華させる為、書き言葉(粤語白話文)としての機能を大きく備えさせた。香港人の知性と不屈の精神を感じさせる戦術である。
大学時代の第一外国語として発音に苦戦したクチだが、当時この本を読んでいたらもう少し肩肘張らず発音に向き合えていたと思う。という事でこれから中国語を1から学ぶ大学生や社会人に準備体操や予備知識としてオススメ。
Books&Coffee パルネットベルマージュ堺店
にて購入。 -
Posted by ブクログ
やっぱり中国だいすき
適当さというか強さというか自分中心というか、そういうとこが私としてはめっちゃ好き。
あと、語学についても書かれてておもしろかった。
書いてあったこと
★何事も無駄にしない中国人の合理性というか図太さ
★動乱の世界を生き抜いてきた中国人は誰からも奪われないものに投資する
一に教育 二に食事
★「友人が一人多ければ道が一本多い」
中国社会はネットワーク社会 親戚・友人・知人が網の目のように広がっている
ネットワークからうまれるものがたくさんある
★人と人を結びつけることで何かなそうとするプロデューサー的感覚
★日本人が英語だけを習得すると、日 -
Posted by ブクログ
著者は中国語で香港や台湾などの新聞にコラムを書いたり、本を出版したりしている人で、これは中国語を使いこなし世界各国の華人ネットワークを渡り歩いた体験に基づくエッセイである。中国語そのものについてより、その背景にある中国語文化圏の話がほとんどだが、大変面白かった。
中国語学習についての記述で一番印象に残ったのは、初心者は漢字に頼らずピンインで学べということ。日本人にとっては見慣れた漢字という視覚的なアンチョコに頼らず、耳から脳へ音を届けて解明する努力をすべき、という意味であり、これはなるほどと納得した。
最後の方に中国料理の話もあり、著者おすすめのウー・ウェンの料理本(北京料理シリーズ)は見てみ