新井一二三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去に台湾旅行で訪れた際、蒋介石に因む施設を案内され、台湾の歴史について全く無知なまま旅行していたことに気付いた。
海外旅行をしていると、台湾人はいつも親切にしてくれるし、台湾のことが好きだという自覚も持っている。
でも、知っているのはテレビに映る台北や、民進党政権の動静程度
台湾の歴史やアイデンティティ、風俗や文化について知りたいと思い、手にとった。
驚くようなエピソードや発見に満ちた書で、興味のあるトピックだけ流し読みするつもりが、全文精読してしまった。
最終章は紀行文という構成で、工夫が凝らされているし、何より筆者の台湾への愛情が感じられた。 -
Posted by ブクログ
21世紀に入り、中国は大きな変化を経験したと言っていいだろう。私が子供の頃にならったBRICsという枠組みはもはやメディアで聞かなくなり、中国は経済成長中の一国から世界の覇権を握る経済大国になりつつある。著者である新井一二三氏の中国語概説書としての前著"中国語はおもしろい"が刊行されたのが確か2004年であるから、21年に刊行された本書はおよそ17年ぶりの概説書となる。その間に中国のみならず氏も環境が変化したようで、05年から明治大理工学部で中国語の弁をとっているようだ。私自身もその1人だったので身に沁みてわかるのだが、理工系の学生にとって第二外国語というのは大学入学と共に
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台湾入門の一冊として、また、旅行前に持っておいたほうがよい基礎的な知識が、歴史政治文化地域地理と多岐に渡りわかりやすくバイアスがない視点で網羅されているため得やすく、トラベルガイドとしてもわくわくする良書。
以前は台北と台北以外という区別しかなかったこと、
台南の文化的ステータス、台南は台湾のボストンと言われていること、とか読み物としても、歴史を踏まえての多民族社会(国家と簡単にいえないもどかしさ)日本人にもフレンドリーと簡単に誤解を含む言説がよく聞かれるが様々な関係性の中で多様な人々と社会形成せざるを得なかった共生社会が台湾のベースでありフレンドリーは日本人のみにではなく、また、他者新参者へ -
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現在明治大学で中国語を教えていらっしゃり、以前は香港、台湾、北京、上海などの新聞や雑誌に中国語のエッセイや評論を書いたりしていらした著者。
著者の「中国語って本当に楽しい!」に溢れた著書で、同じように中国語の魅力に取り憑かれた私も楽しく嬉しく読みました。
私が中国語を学び始めたきっかけは「キングダム」と「三国志」。
昔の中国の人たちはどんなふうに会話していたんだろう。今と同じような中国語かな?
そしてすっかり中国語の響きが大好きになってしまいました。
私は今中国人の先生に中国語(普通語)を習い、台湾人の先生に台湾華語を習っています。キリッとしてかっこいい普通語も好きだし、優しくて歌うような台 -
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新井さんが中国語文学でいう「雑文」—叙情性を備えた評論文を指す—を目指しているとおっしゃっているように、台湾の歴史、言葉、神さま、建築、地名などのテーマがとってもわかりやすく心にすっと入ってきます。
台湾の過去・現在・未来。
いろんなバックグラウンドを持つ人達がいて、日本がかかわる悲しい歴史もあって、私なんかが軽々しく思いを述べることはとてもできないけれど、台湾について深く思い、考えることができ、ますます台湾が好きになりました。
最後の台湾一周の旅がとても素敵で、私もいつかゆっくり時間をかけて「環島」-台湾一周- をしたいな。 -
Posted by ブクログ
世に溢れる中華料理や発展して未来都市になったような中国の諸都市に魅了され、中国語を学ぼうと思い立つはいいが何度も挫折している。大概は日本語とあまりにも違う音韻体系に壁があり、文法まで辿り着かない。ならばモチベーションを上げるしかないと、ド直球なタイトルの本書を手に取ってみることにした。一体中国語の何が面白いのか、と意気込んで頁をめくっていくとなんのことはない。新井女史が中国語に恋焦がれて焦がし尽くした女性だっただけのことだった。
本書は三章構成になっており、第一章では自分の経験を交えながら中国語の成り立ちや背景情報を、第二章では簡単な中国語の例文を見ながら勉強法などを、そして第三章では中華文化