【感想・ネタバレ】中国語は楽しい ――華語から世界を眺めるのレビュー

あらすじ

中国語の世界は広く、面白い。その話者は、中国のみならず、台湾、香港、東南アジア、北米……世界各地に分布し、十億人を超える。それだけの人が話せるのだから、じつは中国語はマスターしやすい。そして学ぶのが楽しい、魅力がたっぷりの言語である。中国語で書く作家として活躍する著者が、文法や発音など基礎はもちろん、華語として世界に広がるこの言語と文化の魅力を存分に描き出す。

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Posted by ブクログ

21世紀に入り、中国は大きな変化を経験したと言っていいだろう。私が子供の頃にならったBRICsという枠組みはもはやメディアで聞かなくなり、中国は経済成長中の一国から世界の覇権を握る経済大国になりつつある。著者である新井一二三氏の中国語概説書としての前著"中国語はおもしろい"が刊行されたのが確か2004年であるから、21年に刊行された本書はおよそ17年ぶりの概説書となる。その間に中国のみならず氏も環境が変化したようで、05年から明治大理工学部で中国語の弁をとっているようだ。私自身もその1人だったので身に沁みてわかるのだが、理工系の学生にとって第二外国語というのは大学入学と共に現れる一つの壁である。ただでさえ化学の実験レポートや物理のテストやらで手が回らないのに、だいたいの大学で二外は必修なのである。そのため学生は楽に単位が出ることを祈りつつ、寝不足のクマを作りながら出席点をとりに行くことになる。新井女史もそのような環境で如何に学生に中国語の魅力を伝えるかを苦心されたのであろう、前作と比べて本書は格段に興味を引く内容に仕上がっている。
前作との違いをもう一つ。本書ではいわゆる南方、すなわち台湾、シンガポール、香港における"華語"事情について全体の半分をも割いて解説されている。一つ紹介すると、香港では2014年に起きた共産党政権へのデモ以降広東語の文章が発達し、スマートフォンでそれを使いこなす若い世代は普通話に対してかなり反発的らしい。私が香港を訪れたのはその直後の2016年であり、その時使ったタクシーの運転手さんは普通話を話したが、もしかしたらギリギリだったのかもしれない。20年後の香港で普通話は通じるのだろうか。

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2023年08月02日

Posted by ブクログ

マンネリ中国語学習者の気持ちに寄り添ってくれるような本でした。少しでも日常にいかせたら楽しい!それで十分!そんな前向きになる本でした!ありがとう作者!

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

中国語に関する概説を世界のあらゆる場所から説いた本。台湾の台湾語と香港の広東語の対比が興味深かった。

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2021年04月12日

Posted by ブクログ

現在明治大学で中国語を教えていらっしゃり、以前は香港、台湾、北京、上海などの新聞や雑誌に中国語のエッセイや評論を書いたりしていらした著者。
著者の「中国語って本当に楽しい!」に溢れた著書で、同じように中国語の魅力に取り憑かれた私も楽しく嬉しく読みました。

私が中国語を学び始めたきっかけは「キングダム」と「三国志」。
昔の中国の人たちはどんなふうに会話していたんだろう。今と同じような中国語かな?
そしてすっかり中国語の響きが大好きになってしまいました。
私は今中国人の先生に中国語(普通語)を習い、台湾人の先生に台湾華語を習っています。キリッとしてかっこいい普通語も好きだし、優しくて歌うような台湾華語もどちらも好きです。

「『才能とは楽しむ能力のこと』だとは、何ごとについてもいえますが、中国語については特にそうです。なぜなら、中国語にはしゃべる喜び、聴く喜び、見る喜び、書く喜びに加えて、識る喜び、食べる喜び、旅する喜びなどおまけがたくさんついてくるから。」

中国語を使ったり通じるところは広く、各地の言葉の違いなど奥が深く、普通語の学習さえ全然進んでいないけれど、興味と楽しみは果てしない!と感じます。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

基本的には中国語を軸としたエッセイ、という感じであるが、第七章の香港の言語革命は本書中の白眉。香港の大陸化と戦う人々はそれまで話し言葉であった粤語(えつご、香港で話される広東語)を暗号としての言語に昇華させる為、書き言葉(粤語白話文)としての機能を大きく備えさせた。香港人の知性と不屈の精神を感じさせる戦術である。

大学時代の第一外国語として発音に苦戦したクチだが、当時この本を読んでいたらもう少し肩肘張らず発音に向き合えていたと思う。という事でこれから中国語を1から学ぶ大学生や社会人に準備体操や予備知識としてオススメ。

Books&Coffee パルネットベルマージュ堺店
にて購入。

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2021年05月03日

Posted by ブクログ

著者は中文コラムニストでもある明治大学教授。中国語に関する歴史や広がりなどのあれこれ。楽しく読んだ。

印象に残った個所は”中国語を話すと楽しくなる。...そして多分、中国人がなべてお喋りな理由もここにある”。
私は中国語を少し勉強し始めた程度なので話すレベルに全く達していないが、中国語が楽しいというのは何となくわかる気がする。なんとなく楽しい。著者が言うように文法がシンプルだからかもしれない。活用などもなくパズルのように漢字を並べ替えて文ができるようなところが楽しい。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

中国語をちょうど勉強中で、それをきっかけに中国の歴史などにも興味が湧いてきていたので手にとってみた本。文法がわかりにくい時もあるが、ここで紹介されているように語順が決まっていることや時系列順に並べることなど、その特徴を知ると少し学びやすくなる。発音するのが楽しいというのは本当にその通りで、四声がきれいに発音できた時は歌を歌うときのような面白さがある。華語や方言のあたりはやや難しかったが、これを読んで語学学習のモチベーションがさらに高まった。

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2022年05月05日

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