高田由紀子のレビュー一覧
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夏休みを佐渡でおばあちゃんと過ごすことになった主人公の小学五年生の男の子が、遠泳大会に出たいと口に出したことから始まったひと夏の物語。今回も佐渡の景色がありありと浮かんでくるような描写が、佐渡出身者にはたまらない(もちろんそうでない大多数の皆さんもそれぞれの夏の思い出がありありと思い浮かべられるでしょう)。
特に今回は相川が主な舞台なので、あ、ここは達者(たっしゃ)か、姫津(ひめづ)のあたりかな、とか、連想できて楽しいこと楽しいこと(まぁ、そこは佐渡出身者の特権ということで)。
物語は小学生高学年向けとなっていたけど、大人でもしっかりくすりと笑えて、しっとり泣けて、じんわり感動できるかと。子供 -
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ネタバレ毒親(母親)に育てられた主人公が、2年間、父親の母(父方の祖母)が住んでいる島に移住し、過ごしていく中で段々と自分のしたいこと・やりたいことを言えるようになったり、主人公の父親が味方になってくれたりして毒親(母親)から少し卒業することができた物語だった。
最近話題になっている毒親。
子供に対してどのような声かけをして子供に害を与えるのか知りたかったため、この本を読んで勉強することができた。毒親本人も被害者である子供も、その親子関係が異常だということを知らないんだなということを改めて感じた。
児童図書にしては内容が深いなと思った。 -
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水泳をめぐる、少年たちのお話。
佐渡に引っ越してきた主人公の少年は、東京の強豪スイミングチームに所属していたものの、妬みと挫折を経験してスイミングをやめている。
一方引っ越し先の佐渡には、今にも潰れそうな温水プールの施設と、「メドレーリレーに出場したいけれど、人が足りない」スイミングチームがあった。
ありがちな展開だけれど、
その中で描かれる友情と努力に挫折、
努力しても届かない公共施設の問題などが
すっきりと描かれて、読みやすい作品だと思います。
実際問題として、
存続が危ない公共施設なんて地方に行けばたくさんあるだろうし、そういう問題を身近に感じられるといいなあ。
水の中の泳いでいる -
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ネタバレ竹内裕輔は、万福寺の跡取り息子。お坊さんになるための子ども向けの勉強会に参加するために坊主頭にされて、2学期のはじめにみんなにからかわれた。
裕輔は、お寺のことも手伝いもするし、檀家さんたちにもきちんと挨拶をしたり、頑張っている。けれど、本当はお寺を継ぐより、大好きな漫画家になりたいのだ。
お寺に生まれたばっかりに、山奥まで、やたらと長い通学路を一人で歩かなくてはならないし、お寺の手伝いは大変だし、朝のおつとめとかも大変。お寺の息子ということでのプレッシャーもある。
2学期、席替えで隣の席になった美雪は、1年前にお父さんが亡くなってからほとんどしゃべらなくなった女の子だ。
でも、美雪はノート