高田由紀子のレビュー一覧
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ネタバレすごく心に残る話だった。
母親の言うことを聞かされ続けてきた史織が、父と共に祖母の家に行き、ゆったりと過ごしていく物語。
最初の母親はすごく恐怖だった。なんであんなに史織に執着してるんだろう。史織の進路さえ自由に史織自身が選ぶことも許されない。窮屈でたまらないだろうと思う。
でも、史織の祖母、さっこちゃんのところに行ってから、史織は心を休ませる場所ができた。さっこちゃんの夢、佐渡島で島にシネマを作ることを応援しながら、クラス間で孤立している藤原さんと話したりしてゆったりと、そして少しだけ恋愛もする。自分ごとのようにほっとした。母の電話の内容にはゾッとしたけれど、史織のような子供は私の身近にいる -
Posted by ブクログ
ネタバレ航、龍之介、信司、海人の四人が紡ぐ青春水泳小説でした。水泳を嫌になっていた航が、新潟県への引っ越しを機に新たな仲間と出会い、変わっていく過程がしっかりと書かれていた作品だったと思います。
仲間と交流を深めていくにつれて、仲間たちが抱える家庭の事情や水泳にかける思いの強さを知って、人間的に成長していく航の姿を追うことができてとても楽しい読書時間でした。
努力する意味は他人から与えられるものじゃなく、自分の手で見つけていくものだと気付いてからの航は、周りに気を遣える優しい子になりました。航の一つ一つの成長を見る度に、胸が熱くなって心が温まる想いがしました。
とても良かったです。 -
Posted by ブクログ
夏休みを佐渡でおばあちゃんと過ごすことになった主人公の小学五年生の男の子が、遠泳大会に出たいと口に出したことから始まったひと夏の物語。今回も佐渡の景色がありありと浮かんでくるような描写が、佐渡出身者にはたまらない(もちろんそうでない大多数の皆さんもそれぞれの夏の思い出がありありと思い浮かべられるでしょう)。
特に今回は相川が主な舞台なので、あ、ここは達者(たっしゃ)か、姫津(ひめづ)のあたりかな、とか、連想できて楽しいこと楽しいこと(まぁ、そこは佐渡出身者の特権ということで)。
物語は小学生高学年向けとなっていたけど、大人でもしっかりくすりと笑えて、しっとり泣けて、じんわり感動できるかと。子供