あらすじ
本人の意思を考慮することなく学校を休ませて中学受験のための勉強をさせたり、言うことをきかないとほっぺたをぶったりと、わが子を自分の思い通りにしないと気が済まない、過干渉の母。そんな母を新潟に残し、父とともに佐渡へ転校してきた、中学2年生の史織。好きなこともやりたいこともなかった史織は、カフェ&映画館の「風のシネマ」をオープンした祖母やクラスメイトと交流する中で、次第に大切なものに気づいていく。そして、ついに、母との対決の時が……。自分の「居場所」を見出す、少女の葛藤と成長の物語。全体の構成は次のとおり。第一章 佐渡へ/第二章 瑛太/第三章 いす/第四章 中学校/第五章 廃墟/第六章 風のシネマ/第七章 サグラダファミリア/第八章 近所のコロッセオ/第九章 手紙/第十章 作戦会議/第十一章 おばけ屋敷/第十二章 ニューシネマパラダイス/第十三章 母/第十四章 わたしの場所
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Posted by ブクログ
すごく心に残る話だった。
母親の言うことを聞かされ続けてきた史織が、父と共に祖母の家に行き、ゆったりと過ごしていく物語。
最初の母親はすごく恐怖だった。なんであんなに史織に執着してるんだろう。史織の進路さえ自由に史織自身が選ぶことも許されない。窮屈でたまらないだろうと思う。
でも、史織の祖母、さっこちゃんのところに行ってから、史織は心を休ませる場所ができた。さっこちゃんの夢、佐渡島で島にシネマを作ることを応援しながら、クラス間で孤立している藤原さんと話したりしてゆったりと、そして少しだけ恋愛もする。自分ごとのようにほっとした。母の電話の内容にはゾッとしたけれど、史織のような子供は私の身近にいるのかもしれない。
Posted by ブクログ
佐渡に小さい映画館を作ったおばあちゃんのもとで暮らす史織。かわっている友達、頼りになる少年。出会いや手伝いの中で自分の居場所を見つけていく。さわやかでした。
Posted by ブクログ
佐渡出身者には、特に読んでてジンジン来ると思います。特に私は相川の街中出身なので、物語に書いてある風景は、すべて目に思い浮かびます。夏も、冬の風の寒さといった季節の匂いも。お話自体はアラフィフのおっさんが読むには瑞々しく眩しいほどですが、さわやかな詩を読んでいるようで(といっても詩を読む習慣はないですが。。)、気持ちのいい文章ですね。佐渡の方言も、知らない人が読んでも程よくわかるよう自然に書かれていて、感心します。佐渡出身の方はもちろん、多くの方に読んでほしい作品です。
Posted by ブクログ
毒親(母親)に育てられた主人公が、2年間、父親の母(父方の祖母)が住んでいる島に移住し、過ごしていく中で段々と自分のしたいこと・やりたいことを言えるようになったり、主人公の父親が味方になってくれたりして毒親(母親)から少し卒業することができた物語だった。
最近話題になっている毒親。
子供に対してどのような声かけをして子供に害を与えるのか知りたかったため、この本を読んで勉強することができた。毒親本人も被害者である子供も、その親子関係が異常だということを知らないんだなということを改めて感じた。
児童図書にしては内容が深いなと思った。