ナカザワマコトのレビュー一覧
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48歳の中年となった同級生の二人が、ある日を境に、寝て目覚める毎に小学校5年生の時の自分と現在の自分を意識が行き来するようになってしまう。
タイムスリップやタイムパラドックスについての知識も持ち、過去をむやみに変えてはいけないと知りつつ、二人はどうしてもあることを決行しようとする。
ストーリーの設定上、短い章で現在と過去が目まぐるしく入れ替わるというのが、最初はとっつきにくく、読みづらい部分もあったが、二人の企みが判明したあたりからは、あっという間だった。
主人公が一人でなく二人でというのが斬新で、過去と現代の両方で相談をしながら計画を進めていく様子に、どんどんと引き込まれていった。
ラストは -
Posted by ブクログ
ある事情から左遷同然に鎌倉へやってきた
主人公の仕事は、今日からお屋敷の管理人。
会社所有の大豪邸で、家賃水道光熱費無料にて
可愛くて気の利く恋人と2人での新生活が始まる。
しかし、あれよあれよという間に屋敷に集っていく
人、人、人。
予定外ばかりなのに、それでも気が付けば楽しく
過ぎていく日常。
その中で、主人公が立てた計画とは?
希望を描いて何が悪い!と言わんばかりの
楽しく前向きなお話。
登場するそれぞれの人物に、それぞれの事情が
あり、それぞれがどうしようも難しい問題ばかり。
問題を抱えていても、みんな自分なりに楽しく
生きようとしているのがまた素敵なんだよなぁ。
な -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去(1968年)と現在(2006年)を眠る度に行ったり来たりしている、小学校の同級生(かつ現在の同僚)充と武の物語。
最後どうなるんだろう、とハラハラしながら読んだ。二人がバラバラの時代に帰るのは予想外だったけど、現代で理事長の不正が無かったことになったり三億円が木の下に無いことになるのはなんでだろう…里美も転校せず病気も無かったことに?なっているのは、二人が過去の出来事に干渉したせいで影響が出たということかな。
それにしても武は都合の悪い事が全てなくなって帰ってきただけで、過去に囚われた格好の充に比べると、良い思いしかしてないのでは?と思ってしまう。
充も再び過去に飛ばされて取り残され -
Posted by ブクログ
安定・安心の作者買い♪
後半がちょっぴり駆け足過ぎた気がするのが、やや残念かな・・・
(美咲ちゃんの事情の解決やら)
(じいさんの事情の解決やら)
(カウハウスプロジェクトの立ち上げやら)
(主人公の過去の"オイタ"の説明やら)
それが大きな瑕疵とはならない位に、素敵なプロットで描かれたハートフルストーリー。
★4つ、7ポイント半。
2020.11.22.古。
※小路さんのお話は、相変わらず食卓の描写がいい感じ過ぎて、自分もそこに加わって朝食を食べたくなってしまう。
※↑で書いた部分を補いつつ、あと120ページ分ぐらい厚く書かれていたなら、評価は「★4つ9ポイント -
Posted by ブクログ
いつもながら小路さんの描く物語は優しくあたたかい。
「家族」をテーマに、不器用な生き方しかできない善良な人たちが共に過ごすひとときが、軽いタッチで丁寧に描かれている。
「僕」は中学生のときから心にある決心をし、それを守って生きてきた。
何かというと困っている人に救いの手を差し延べてしまうのも、他者を冷たくあしらうことができないのも、すべては中学生のときのある経験に基づいている。
ある意味「僕」の生き方を決定したもとを、多くの人が苦難を強いられたあの災害に設定したことが良かったのかはわからない。
当事者でなければわからない哀しみや辛さが、いまも深く胸に刻まれている人も多いと思うからだ。
もしかし