栩木伸明のレビュー一覧

  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    アイルランドの文化や歴史を深掘りするための導入本。
    普段あまり新書を読まないので、最初は敷居が高く感じましたが、読み進めるたびに知識が蓄えられていく感覚が面白かったです。
    私にとっての新書デビューでもある本です!

    ぜひともアイルランド留学する前に読みたかった。。一方で、紹介されている場所や地名に親近感を覚えながら読むことができたので、大満足です!
    地元の人々との交流のなかで垣間見られる、作者・栩木伸明さんの素敵な人柄にも惹かれました。
    他の書物も読ませていただきたいなあ。

    町のエッセンスは壊れた細部に宿っている。
    この栩木さんの言葉、すごくしっくりきた。
    ダブリンには、有形文化財と謳われる

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    2025年06月24日
  • ノーラ・ウェブスター

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    ネタバレ

    年頃が近いからだけでない深い共感と、感情抑制への敬意。連れ合いの死の喪に3年は長いか短いか。SNSのある時代にこれを読む不思議。いや、今だからこれが小説としての力を持つのか。

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    2018年03月03日
  • ノーラ・ウェブスター

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    コルム・トビーン。アイルランドを代表する作家だそうだ。ノーベル賞の下馬評にも名前が挙がっているとか。はじめて読んだのだが、こういう作家さんがノーベル賞をとってくれたら嬉しいなあと思う。
    『ノーラ・ウェブスター』は自伝的小説だそうである。主人公は作家の母と同じく46歳で夫に死に別れ、父の死後、吃音症になった息子は作家本人に重ねられる。
    それまでは世の煩いごと…お金を稼ぐということから、小さい村での人づきあいまで…を人望の厚い教師だった夫にたのみ、それを「自由な生活」だと居心地よくおさまっていたノーラ。夫の死からすべてが現実的に彼女の双肩に乗ってきた。
    頭の切れそうな妹には「言いたいことが何もない

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    2018年02月07日
  • ノーラ・ウェブスター

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    舞台は1960年代後半のアイルランドの保守的な町エニスコーシー。夫を亡くし空虚な日々をおくる40代半ばの主人公ノーラの心の変化が静かにゆっくりと内省的に綴られる。「秋から冬にかけての数ヶ月間、彼女の目標は、息子たちのために、そしておそらくは自分自身のためにも、涙をこらえることだった。」"Her aim in those months, autumn leading to winter, was to manage for the boys’ sake and maybe her own sake too to hold back tears."
    モーリスの生前、ノーラは自分

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    2025年09月02日
  • ノーラ・ウェブスター

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    なんか、こう、女の強さと弱さとしたたかさと脆さがいい塩梅で描かれていて、なにも取り繕ってない感じが素敵でした。
    女の嫌なところ、素敵なところ、だめなところ、良いところが、所狭しと詰まってました。

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    2019年04月13日
  • ノーラ・ウェブスター

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    地味な物語である。夫を失った46歳女性が4人の子と一緒に生活を立て直す話なのだが、これといってドラマチックなことは起こらない。全てがちゃんと時間をかけて少しずつ変化していく。関係が消失するということは、守るべき義理やしがらみのような制限もなくなり、自由になることでもある。また、主人公がわりと人を突っ放したような性格で容易には共感できないのもすごい。音楽に出会ってからの活きいきした描写は読んでいて楽しい。

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    2018年05月12日
  • ノーラ・ウェブスター

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    夫を亡くしたノーラの3年間。
    お金のこと、仕事への復帰、子どもたちのこと、親戚のこと、政治、音楽。考えなきゃいけないこと、やらなくてはいけないことがたくさんあった。
    3年なんてあっという間だということが驚くべき筆致で描かれている。(ヨーロッパ的な節目に疎いせいもあるのだろうけど、一回忌などもしないし、そんな感傷にひたるひまもノーラにはないので、恐るべきスピードで年月がすすむ。読み終えた時、はじめてこれで3年も経ってしまったの?と感じるのだ。)

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    2018年01月21日
  • ノーラ・ウェブスター

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    この人も、ハズレのない作家だなあ。
    ノーベル文学賞に近い1人。
    手に入りにくくなっているものもあるのが惜しまれる。

    人生には大なり小なり避けることの出来ない荒波があるわけだけれど、静かに骨太に揺られる。

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    2017年12月13日
  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    アイルランドが輩出した偉大な作家の文学作品の舞台となった街を巡る紀行文。ジョイス、イェイツ、ワイルド、ベケット、ヒーニーからヴァン・モリソン、ボノまで、歴史・時代背景と土地柄をふまえながら、実際にその街や村を散策している気分にさせてくれる。またアイルランドに行きたくなった。ギネス醸造工場の展望台の描写が懐かしい。

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    2012年10月04日
  • 琥珀捕り

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    頭から溢れ出して止まらないと言わんばかりの蘊蓄の洪水に身を任せるというか溺れるというか。
    読み終わるまで凄く時間かかったし理解できたかと言われると正直自信はないけど、終盤に出てきたファン・メーヘレンにまつわる話には、メーヘレンについての著作を探して読んでみようと思うくらい引き込まれた。

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    2025年04月07日
  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    アイルランドを旅しながら、神話の世界や複雑な歴史をわかりやすく解説してくれる良書。
    ジョイス「ダブリナーズ」、ドイル「ザ・コミットメンツ」を読んでおかなくちゃ、という気持ちにさせてくれました。3.6

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    2024年04月11日
  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    先日のアイルランドモノ語りに続いて、栩木さんのアイルランド本を手に取る。
    こちらは少し古い本だが、栩木さんの映画案内をはじめ、ジョイスやイェーツ、現代から古代の詩人たち、宗教論争、イギリスとのいさかいの歴史、アイルランド人の文学音楽芸術への愛、土地への信仰が盛りだくさんで濃い一冊。

    自分が1999年にアイルランドを訪れたさい、ダブリン、リムリック、ゴールウェイ、アラン島(この当時も船で片道二時間半かかったよ、、、)などへ行ったことを思い出しつつ読んだ。
    毎日天気が悪かったのを覚えている。
    いつかまた行ってみたい、不思議な印象の国である。
    映画アンジェラの灰もまた見てみたい。

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    2023年08月08日
  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    アイルランドが好きで、渡航経験もあり、「ああ、あの通りね」とイメージできるほどに愛着を持って振り返ることができ、そしてアイルランドの文学、文化に多大な興味を持っている読書好きの人は、きっと楽しく読めるであろう本。
    現代的・漫遊的な紀行本ではないことは要注意。

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    2022年04月01日
  • アイルランド紀行 ジョイスからU2まで

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    ギネス、ブッシュミルズ、そして名前だけ知っているジェイムズ・ジョイス。アイルランドと聞いて筆者が思い浮かべるのはせいぜいその程度だ。予備知識も乏しく、さほど興味もわかない国についての紀行文なのに楽しく読み終えることができた。馴染みの薄い読者に配慮した構成、現地における丹念なフィールドワークと憧憬の思いが結実している。

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    2013年01月13日