栩木伸明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アイルランドの文化や歴史を深掘りするための導入本。
普段あまり新書を読まないので、最初は敷居が高く感じましたが、読み進めるたびに知識が蓄えられていく感覚が面白かったです。
私にとっての新書デビューでもある本です!
ぜひともアイルランド留学する前に読みたかった。。一方で、紹介されている場所や地名に親近感を覚えながら読むことができたので、大満足です!
地元の人々との交流のなかで垣間見られる、作者・栩木伸明さんの素敵な人柄にも惹かれました。
他の書物も読ませていただきたいなあ。
町のエッセンスは壊れた細部に宿っている。
この栩木さんの言葉、すごくしっくりきた。
ダブリンには、有形文化財と謳われる -
Posted by ブクログ
コルム・トビーン。アイルランドを代表する作家だそうだ。ノーベル賞の下馬評にも名前が挙がっているとか。はじめて読んだのだが、こういう作家さんがノーベル賞をとってくれたら嬉しいなあと思う。
『ノーラ・ウェブスター』は自伝的小説だそうである。主人公は作家の母と同じく46歳で夫に死に別れ、父の死後、吃音症になった息子は作家本人に重ねられる。
それまでは世の煩いごと…お金を稼ぐということから、小さい村での人づきあいまで…を人望の厚い教師だった夫にたのみ、それを「自由な生活」だと居心地よくおさまっていたノーラ。夫の死からすべてが現実的に彼女の双肩に乗ってきた。
頭の切れそうな妹には「言いたいことが何もない -
Posted by ブクログ
舞台は1960年代後半のアイルランドの保守的な町エニスコーシー。夫を亡くし空虚な日々をおくる40代半ばの主人公ノーラの心の変化が静かにゆっくりと内省的に綴られる。「秋から冬にかけての数ヶ月間、彼女の目標は、息子たちのために、そしておそらくは自分自身のためにも、涙をこらえることだった。」"Her aim in those months, autumn leading to winter, was to manage for the boys’ sake and maybe her own sake too to hold back tears."
モーリスの生前、ノーラは自分 -
Posted by ブクログ
先日のアイルランドモノ語りに続いて、栩木さんのアイルランド本を手に取る。
こちらは少し古い本だが、栩木さんの映画案内をはじめ、ジョイスやイェーツ、現代から古代の詩人たち、宗教論争、イギリスとのいさかいの歴史、アイルランド人の文学音楽芸術への愛、土地への信仰が盛りだくさんで濃い一冊。
自分が1999年にアイルランドを訪れたさい、ダブリン、リムリック、ゴールウェイ、アラン島(この当時も船で片道二時間半かかったよ、、、)などへ行ったことを思い出しつつ読んだ。
毎日天気が悪かったのを覚えている。
いつかまた行ってみたい、不思議な印象の国である。
映画アンジェラの灰もまた見てみたい。