Gilseのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『ティアムーン帝国物語』らしい楽しさを存分に味わえる13巻。何より、周囲からは「帝国の叡智」と称賛される一方、本人の頭の中では相変わらず保身と打算が渦巻いているという「クラゲ姫」っぷりが最高に面白い。ミーアの思惑と周囲の評価がここまで見事に食い違うのに、結果だけを見ると本当に人々を救ってしまうのだから、もはや一種の才能としか思えない。
そして今回はルヴィの恋愛問題も楽しい。普段は凛々しく頼もしい彼女が、恋の話になると途端に乙女らしさを見せるのが微笑ましく、ミーアがそこに絡むことでさらに賑やかな展開になっている。
一方で、大飢饉という重い問題が物語の軸にあることで、単なる勘違いコメディに終わらないのも良かった。これまでミーアが積み重ねてきた政策や人との繋がりが、実際に多くの人を救う力になっていることが実感できる。笑わせてくれるのに、気づけばミーアの成長にも胸を打たれる。13巻も安定して楽しい一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ12巻も相変わらず面白い! ミーアの「自分が断頭台に戻らないため」という自己保身から始まった行動が、いつの間にか周囲の人々を救い、さらには未来そのものを変えていく展開が本当に楽しい。特に今回はパティとの関わりが印象的で、敵として警戒するだけではなく、「だったらこちら側で育ててしまえばいい」というミーアらしい発想に思わず笑ってしまった。
かつては自分のことだけで精一杯だったミーアが、気づけば誰かの未来を考え、人を育てる側になっている。その変化が、本人の自覚のなさも含めて微笑ましい。ベルやパティをめぐる物語から、過去・現在・未来がつながっていく感覚もあり、シリーズが新たな段階に入ったことを感じさせる一冊だった。
シリアスな設定を扱いながらも、ミーアの勘違いと周囲の過剰な評価でしっかり笑わせてくれる。この「重い物語」と「軽妙なコメディ」の絶妙なバランスこそ、本作の魅力だと思う。12巻も大満足。パティがこれからどんなふうに成長していくのか、ますます楽しみになった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半の馬合わせは、ミーアらしいコミカルさが全開で、本人は相変わらず自分の身を守ることに必死なのに、周囲からは「帝国の叡智」としてどんどん話が大きくなっていくのが最高。ミーアの思惑と周囲の受け取り方のズレが、このシリーズならではの面白さだなと改めて感じた。
一方、後半は混沌の蛇との対決を軸に一気にシリアスな展開へ。これまでミーアが積み重ねてきた人との縁や小さな行動が、少しずつ大きな力になっていく流れが熱い。最初は「断頭台から逃げたい」という自分本位な動機だったはずなのに、今では多くの人の未来を背負う存在になっている。その変化には、シリーズをここまで読んできたからこその感慨があった。
ミーアのポンコツさに笑いながらも、彼女が確実に周囲の未来を変えていることに胸が熱くなる一冊。第一部の集大成としての満足感もありつつ、「ここからまだ続くのか!」という嬉しい驚きもあって、ますます続きが楽しみになった。 -
レベルの高い作品
転生者?っぽいチート能力者の話。
テンプレ的な異世界転生チートものではなく、普通に異世界ものという感じ。
ストーリーもなかなかしっかりしており、かつ絵もレベルが高い。
これといった特別な要素がある訳ではないが、普通にこの手としてはレベルの高い、良作だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレKUからお引越し。
10巻も相変わらずミーアの食いしん坊っぷりと、本人の思惑を軽々と超えていく「勘違い」が最高に楽しい。本人としては「できるだけ楽をしたい」という気持ちから動いているのに、結果的には周囲から「なんと深いお考えを……!」と評価されてしまう。この絶妙なズレが、巻を重ねてもまったく色褪せない。
一方で、ただのコメディではなく、ミーア自身が少しずつ変わっているのも印象的。かつてなら自分の身を守ることを最優先にしていた彼女が、いつの間にか周囲の人々のために行動するようになっている。ポンコツな部分を残したまま、ちゃんと「人を動かす存在」へ成長しているのが嬉しい。
慧馬の登場によって騎馬王国の世界もさらに広がり、部族間の問題や「混沌の蛇」を巡る物語にも厚みが出てきた。ミーアのコミカルさと、世界の裏側で進むシリアスな物語。その両方を楽しめる、シリーズ10巻目らしい充実した一冊だった。