服部泰宏のレビュー一覧
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[新版]組織行動の考え方
個人と組織と社会に元気を届ける実践知
著:金井 壽宏
著:高橋 潔
著:服部 泰宏
出版社:東洋経済新報社
良書、組織、人に関する百科事典のようなイメージです
組織行動(OB;organizational Behavior) とは組織のなかで起こる様々な人間の行動を、科学的に理解しようとする学問分野とあります。
経営学の大きな一分野である。しかも多岐にわたっている。
他、経営戦略、マーケティング、財務会計、管理会計、人材管理、IT、技術管理、オペレーション管理等
組織行動の対象分野
パーソナリティ、キャリア、モチベーション、組織コミットメント、組織の中の感 -
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本書では、経営学から分化させ体系化しようとしている「採用学」を提起している。社会や企業からのニーズから生まれたこのディシプリンは、おそらく今後多くの研究が生産されていくものと感じた。膨大な研究をレビューした著者はまさにこの学の先がけなのだろう。留意したい箇所を以下に引用した。また蓄積された各知見を総動員して、各組織自身が問いと解を導き出すことが肝要という旨も、再三述べられている。
採用学は、採用という実務を、改めて募集、選抜、定着のプロセスに分けて求職者と企業側に分ける検討することが、基本的な出発点となる。そして曖昧な期待と魅力的な情報の交錯が現実の採用を複雑なものとしている。さらに採用後の -
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学術的な知見に基づく、採用のあるべき論。
求職者として、人事の懐のどこが痛いのか知るために手に取った本。
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・新しいメンバーを入れることで「同質化圧力」「慣れ」「硬直化」「閉塞感」を打ち破りたいが、実際には、面接を通じて企業の体質・面接者の気質に似通った人が選ばれる。
・口づてのように非公式のルートから得た情報に基づいて採用された人材は、企業に長期間とどまる可能性が高い。
・開始4分くらいの間に、採用/不採用を決めていることが多い。外見の良さ、コミュニケーションの上手さは有利
・どんなに優れた選抜ツールを使ったとしても、将来の業績の半分も説明できない。
・日本の人事は、誤って -
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ネタバレ若手の研究者が採用を科学的に調査した本。
人事担当経験の長い人が自分の勘と経験だけで書いたものとは違い、統計や他の文献なども参照していることから非常に説得力がある。
以下ためになったところ。
良い採用とは「求職者をランダムに採用したときに比べて、より高い業績を収められる、または企業へとより強くコミットし、中長期的に企業にとどまるか人材を獲得できること」
コミュニケーション能力に代表されるようなあいまいで多義的な「能力」の測定や判定は難しい
日本の採用の問題点はリソースに頼った人海戦術と能力や期待があいまいなこと
マイナスの情報を与えることでかえって無駄な募集者を減らし、正常な期待値を -
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旧日本型の新卒・中途採用の学術的説明書.
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## 面白かったところ.
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* 人材補充以外の、企業の採用に対する目的がわかる.
* 採用活動を通じた企業からの暗黙的なメッセージを知れること.
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## 微妙だったところ.
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* どちらかというと、旧日本型で新卒一括採用のイメージは湧くが、ジョブ型の採用に関してはイメージしづらい.
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* ベンチャーの採用の話も出てくるが、厳密に言うと `メガベンチャー` の採用なので、シード期真っ只中のベンチャーの採用に関する話ではない.
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* `ブランド` という話が出てくるが、 `採用` というよりも採 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【214冊目】電子書籍にて購入。経営学修士で横浜国立大学准教授の服部泰宏氏の著作。日本で「採用学」を掲げて研究する学者がなかなかいないことから注目。既婚だけど、スポーツマンでイケメンだから、今後マスメディアの露出も増えそう。
まず冒頭の映画「マネーボール」の逸話が興味深い。確かに企業は採用において「優秀な人材」が欲しいという。しかし、では「優秀」とはどういうことなのか。それをそもそも採用する側がきちんと認識していないんじゃないかという反省を促す逸話である。
そして、日本における採用の歴史、採用という営みに対する科学的視座の提示、日本における最新の新卒採用の動向を概観するという構成。さすが