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Posted by ブクログ
本書では、経営学から分化させ体系化しようとしている「採用学」を提起している。社会や企業からのニーズから生まれたこのディシプリンは、おそらく今後多くの研究が生産されていくものと感じた。膨大な研究をレビューした著者はまさにこの学の先がけなのだろう。留意したい箇所を以下に引用した。また蓄積された各知見を総動員して、各組織自身が問いと解を導き出すことが肝要という旨も、再三述べられている。
採用学は、採用という実務を、改めて募集、選抜、定着のプロセスに分けて求職者と企業側に分ける検討することが、基本的な出発点となる。そして曖昧な期待と魅力的な情報の交錯が現実の採用を複雑なものとしている。さらに採用後の「育成」もかかわってくるので、なかなか最適・最善な解は見つけにくい。
私たちのコミュニティでも話題になる研究と実践の関連について、著者は次のように述べている。「研究者としては理論の構築や検証だけでなく、良質のエビデンスの提供とその蓄積を、ビジネスパーソンとしてはそうしたエビデンス、そして自らが有するデータの分析に基づく経営を行う必要がある。」(p.226)一つの理想形として覚えておきたい。また、「経験豊富で、優れた勘を持ったビジネスパーソンと出会うことで、科学的なエビデンスの方も相対化され、洗練される可能性が十運にある。事実に基づく経営とは、科学者が提示するエビデンスと、ビジネスパーソンが持つ経験・勘と平等な立場に置くことを主張しているのだ。」とも主張されており、重要な指摘といえる。
最後に些末なことであるが一つふれておく。113頁に「ピアノの『ド』の鍵盤と『ラ』の鍵盤を同時にたたくと不協和音が鳴る」という記述がある。楽典では、普通に3度ないし6度の協和音程と習うはずであり、グレゴリア聖歌の時代ならまだしも、現代においてドとラを不協和音といえるかは疑問である。
Posted by ブクログ
学術的な知見に基づく、採用のあるべき論。
求職者として、人事の懐のどこが痛いのか知るために手に取った本。
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・新しいメンバーを入れることで「同質化圧力」「慣れ」「硬直化」「閉塞感」を打ち破りたいが、実際には、面接を通じて企業の体質・面接者の気質に似通った人が選ばれる。
・口づてのように非公式のルートから得た情報に基づいて採用された人材は、企業に長期間とどまる可能性が高い。
・開始4分くらいの間に、採用/不採用を決めていることが多い。外見の良さ、コミュニケーションの上手さは有利
・どんなに優れた選抜ツールを使ったとしても、将来の業績の半分も説明できない。
・日本の人事は、誤って好ましくない人を採用するリスクを最も恐れる。減点方式。
・「事実に基づく経営」デニス・ルソー等
=経営の現場に、入手しうる最高の科学的知識を用いる
=自社の問題について考えるためのデータを集める
=知っていることに謙虚になる
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・高い成果を出す優秀な人材は他社への転職機会も恵まれているし、本人にその自覚がある
・内定前後の認知的不協和 1)「自分は極めて大きな決断をしようとしている」 2)「この決断が正しいのか確信が持てない」
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