土屋浩のレビュー一覧
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ネタバレ死者をもてなす場所だから次から次へと死人が出てくるのも、後宮だから政治的いざこざが出てくるのも当然と言えば当然なんだけれども、どちらも予想より大ごとになったなあという印象。
大ごとというか、容赦ない展開というか。
1巻からその傾向があったけれども、2巻は更に加速がかかったのではないか。
中には無駄死にでは?と思えるキャラや、死ぬだろうなと思っていたらやっぱり予想通り寧ろ予想よりさくっと死んだキャラもいて大丈夫かと心配になるほど。
安心してください、このキャラたちが終盤の一手になるという。
強大すぎる今回のラスボスの対処方法が序盤にちらっと描写された所だったのにも痺れたし、料理ものなのに前述通 -
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ネタバレ表紙にいらっしゃった帝の出番が思っていたよりは多くなかった印象。
後宮のお話なので、登場人物の大半は女性。
当然と言えば当然だけれども。
その分、終盤の展開で帝はおいしいところを持っていったと思う。
一番おいしかったのは猛虎近衛中将だったけれども。
種明かしされたとき、一番泣いたのはここだった。
その展開は、ずるい。
死者を料理でもてなして彼らの心残りを解消し冥府へ導く特殊な宮殿を舞台としたお話。
手の込んだ美味しそうな料理(舞台の関係で中国系の料理が多い)の描写がたまらないのはもちろん、謎解き要素や政略的な話も出てくるので、その点も面白かった。
各話いろいろ騒動が起きるのに、その話数が多く -
Posted by ブクログ
ネタバレ『こひすてふ』が本当に大好きな作品だったので、また土屋先生のお話が読めて嬉しい。
ちょっと読んだだけで「あ、これ好きなやつだ」と確信持てる嬉しさ。
運命的な出会いをしておきながら別れざるを得なかった二人。
再会した先は後宮で、しかも春菜は弟のふりをして男装中、雨水は女官のふりをして女装中というややこしいことに。
お互いに互いを忘れていないのに(寧ろ今でも思っているのに)まさか目の前にいる相手がその想い人だと両者とも気付いていないのが、もう何とももどかしい。
いや、目の前にいまっせと何度ツッコミを入れたくなったか。
春菜はそもそも雨水の顔を知らないから……
それでいて、なりゆきと合理性から恋人 -
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言ってみればはやりの異世界召喚系。
平安時代にトリップしてしまった美術部の女子高生の話。
・・・・・・なんだけど、題名や口絵を見て絶対主人公は和歌読みなんだと思ってたら、絵描きかよ!
いや、読んでる間ずっとしっくりこなかったよ。
まあ、和歌を聴いてその絵の状況を描き出す能力についてはありだと思うけど。
ただ、やっぱり回りくどいかな。
歌なら歌、絵なら絵で物語った方が良かった気がする。
時姫への呪詛を跳ね返す場面も主人公が歌詠みの方がしっくりくるしね。
そこが気になってしまったけど、物語としては異世界での友情やちょっと切ない恋、そして人々との交流を通じて前向きになる主人公のある意味再生話で、 -
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ネタバレ溢れ出す想いを,この筆に込めて。
壬生忠見の歌はエピソード含めて面白いと思っていた。だから気になって読んでみた。絵を描いて神童ともてはやされていた過去を持つ高校生の御厨紀伊。平安時代の絵をきっかけにタイムスリップしてしまう。そこで出逢ったのは歌合で負けたことにショックを受けて死んでしまう壬生忠見。紀伊がとった行動は。
紀伊の自嘲的ツッコミがふんだんな地の文がなんだかキョンみたいだとか思いつつ,思ったよりも正統派なラブコメ展開になって驚き。藤田さんと時姫の流れから,藤田さんの兄と壬生を結び付けるのは,定番とは言えども収まりがよくていいラストだった。歴史変えてしまって,影響は出ないのかな,と思