あらすじ
神童と持て囃されたのも今は昔、ただのひねくれ女子高生になり果てた御厨紀伊。そんな紀伊が平安時代へタイムスリップ、そこで出会ったのは格好いいけどぶっきらぼう、プライド高くてちょっと優しく、そして誰よりも和歌への情熱溢れる三十六歌仙の一人、壬生忠見だった。平安時代での日々を送るうち、紀伊はときにいがみ合いながらも壬生との距離を縮めていく。しかし、壬生にはある未来が待っていた。時の村上天皇によって催された歌合での勝負に敗れ、悔しさのあまり悶死するという――。はたして二人の関係の行方は、そして壬生の運命は!?
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こんなにざっくり会話する平安もの初めてだったけど、その分とても読みやすかった。和歌とか全然わからない無教養な人間なので、ライトな語り口が私にはぴったり。紀伊と壬生の関係性が好きだった。
Posted by ブクログ
あらすじと表紙につられて購入しました。
今までに読んだことの無い文章のスタイルに最初は戸惑い、ノリに若干冷めつつありました。しかし読み進めるにつれ、壬生にときめいてときめいて……!
とても好きなお話です。繰り返し読んだらまた見方が変わってくるのだろうなと思います。
Posted by ブクログ
言ってみればはやりの異世界召喚系。
平安時代にトリップしてしまった美術部の女子高生の話。
・・・・・・なんだけど、題名や口絵を見て絶対主人公は和歌読みなんだと思ってたら、絵描きかよ!
いや、読んでる間ずっとしっくりこなかったよ。
まあ、和歌を聴いてその絵の状況を描き出す能力についてはありだと思うけど。
ただ、やっぱり回りくどいかな。
歌なら歌、絵なら絵で物語った方が良かった気がする。
時姫への呪詛を跳ね返す場面も主人公が歌詠みの方がしっくりくるしね。
そこが気になってしまったけど、物語としては異世界での友情やちょっと切ない恋、そして人々との交流を通じて前向きになる主人公のある意味再生話で、よかったんではないかな。
Posted by ブクログ
溢れ出す想いを,この筆に込めて。
壬生忠見の歌はエピソード含めて面白いと思っていた。だから気になって読んでみた。絵を描いて神童ともてはやされていた過去を持つ高校生の御厨紀伊。平安時代の絵をきっかけにタイムスリップしてしまう。そこで出逢ったのは歌合で負けたことにショックを受けて死んでしまう壬生忠見。紀伊がとった行動は。
紀伊の自嘲的ツッコミがふんだんな地の文がなんだかキョンみたいだとか思いつつ,思ったよりも正統派なラブコメ展開になって驚き。藤田さんと時姫の流れから,藤田さんの兄と壬生を結び付けるのは,定番とは言えども収まりがよくていいラストだった。歴史変えてしまって,影響は出ないのかな,と思うけど,多分ドラえもんの交通手段の説明と一緒なのかと。
続きはないだろうけれど,こういうタイプのお話は面白そうなので,ほかにも読めたらいいなあ。