屋代通子のレビュー一覧

  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    ピダハンが教えてくれたこと、それは「生きる」とは何か、「幸せ」とは何か、ということ。
    言語学研究にとって貴重な進展をもたらしてくれたこと、のみならず人間としての在り方についても教えてくれた。

    まず、本書ではピダハン語の研究によって、チョムスキーが提唱した普遍文法の説を否定している。

    普遍文法説とは、すべての言語が普遍的な文法で説明でき、それは私たちの脳、遺伝子にあらかじめそのようにインプットされているからで、わたしたちは育った環境に応じて最低限のルールに従って(英語や日本語)言語を発話しているというもの。

    どの言語にも共通の品詞があるなどの共通のルールがあることや、リカージョンといわれる

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    2025年07月29日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    面白い
    言語学の本だけど小説っぽく読める
    不思議文化に触れられて刺激的だった
    言語学パートは専門的でむつかしい

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    2025年03月17日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    現在起こっていることしか伝えない価値観。
    子どもが包丁を使っていても危険と言って遠ざけない、切り傷ができても手当てをしてしかる。自律して生きていく。
    川で出産して、子どもが出てこなくて苦しんでいても親の助けがなければまわりは助けないで亡くなっていく。
    それでいて幸せに過ごしているという、価値観とは何か、幸せに生きるとは何かと考えさせられる本でした。

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    2024年11月24日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    チョムスキーの言語理論に真っ向から異を唱える本書は、特に言語学を学ぶ人皆さんに読んでほしいと思います。絶対一読の価値があります。

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    2024年10月06日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    「キーフレーズ」
     今を生きるということ。
    ピダハンの人々は過去も未来もなく、今を、今、出来ることを忠実に行なっていく。
    ある意味消費的な生き方ではあるが、それでも幸福論の一つとして、比べない。人は死ぬ。やれることをやる。そんなことを伝えてくれる本だった。

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    2024年09月16日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    自分自身がクリスチャンとして、伝道師である著者が無神論者になった経緯と影響を与えたピダハンについて詳しく知りたくて本書を手に取った。

    文化人類学は学生の頃の専門分野だったので読むだけでドキドキワクワクが止まらなかった。彼らの価値観や文化は実に興味深いものだった。
    また、著者が最後に無神論者になった経緯を書いていたが相当の葛藤があった事が目に浮かんだ。自分自身も信仰に揺らぐ事もあるので生まれた場所・価値観・文化でイエスを受け入れてなかったかもしれない。信仰とはなんなのか、改めて考えていきたい。

    そしてこれを機にまた文化人類学系の本を手に取っていきたいと思った。

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    2024年07月08日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    数を持たない文化もある、そもそも人間は数をどう認識しているのか、なぜそれが必要だったか、どう生まれたのかを言語人類学、認知心理学、考古学、大脳生理学、動物行動学といった分野の知見を横断して書かれた、知的好奇心に溢れた本。

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    2023年11月18日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

    購入済み

    ピダハンの人々のエピソードが魅

    人生をかけてピダハンの文化と言語の研究に取り組む言語学者の著作。読んでいるとジャングルの光景が目の前に広がる。言語が文化といかに密接に関係しているかが分かる。終章は特に示唆に富む。筆者の主張の根拠として各所に紹介されるピダハンの人々のエピソードも魅力的。信仰がなくなってしまったことも著者が非常にピダハンを尊敬し彼らの生き方、考え方に影響されたことの裏返しなのだろう。

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    2023年10月03日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    ネタバレ

    ・ピダハン→ブラジルの先住民
    ・ピダハン語以外を使う気がない。
    ・赤ちゃん言葉がない→大人も子供も対等、メンバーとして責任を負う。
    ・抑うつ、疲労、不安、パニック障害等がない→心配という言葉がない。
    ・苦しみ、死が当たり前→悲しんでも誰も狩りを代わってくれない。
    ・未来より今を楽しむ→食料や道具の保存がない。
    ・自分で自分の人生の始末をつける。
    ・自分の住む土地に誇りを持っている、美しい土地、美味しい水。
    ・直接体験する事しか信じない→神を信じない、他に心配がない。

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    2023年01月15日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    同じ言語でもその人の見てきたものや置かれている環境によって、言葉に内包された意味やイメージは変わってくる。今まで経験した会話の中にも危ういものがないか反芻する機会を得た。定説を再考察する言語学として、また作者の冒険記として(どんでん返しあり)の読み応えもあった。

    ※追記
    筆者がピダハンと共に過ごしたこれだけの時間も費やしても、人間同士の関係性は研究対象の域を越えれないのであれば、隣の人を理解することも到底困難であろう。
    良い関係を築くために大事なことは、双方向で研究対象であり続けることなのかもしれない。

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    2023年01月09日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    左右の概念、数字の概念がない民族に興味を持ち読んでいたが、想像以上に興味深かった。ピダハンが重んじるのは現在の直接体験のみであり、見えないものやわからないものについてあれこれと心配をしない。その結果なのか鬱や自殺といった精神的な疾患が見られない、というのは興味深い。
    過去や未来に捉われず、今見えているものに集中する、という考え方は仏教にも通じる考え方だと感じた。

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    2022年12月10日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    傑作だが何度も挫折した。冒険譚を期待していたので言語学の部分がミスマッチになっていたと思われる。とはいえ言語学の部分もめちゃくちゃ面白く、なぜ挫折するのか自分でも疑問だった。モチベーションの立て方を間違えなければすんなり読めただろうに。

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    2022年05月05日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    人類はいつごろから「数」を数え、「数字」を使い始めたのか。数を数え、操ることは私たちにとって当たり前のことで、それなしに日時用生活は送れない。いったい、なぜ?いつから?この本は「数と人類」の驚くべき出会いと、付き合いの長さ、奥深さを教えてくれる。
    読み易くとてもくだけた日本語訳で、この未知の領域の問題についてぐいぐいと頭の中に入ってくるのもありがたい。
    一つ言えるとしたら、この本を読む前にジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読んでおくことをお勧めする。
    今生きている私たち人類すべてが、かつては過酷な自然の中を寄り添い、協力し合いながら生き延びた者たちの祖先なのだ、ということを思い知れば、

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    2022年05月04日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    30年以上にわたってピダハンの村に出入りした経験にもとづいている。ライフワークを一冊の本に凝縮しているわけで読み応えあり。単純にちょっとした冒険譚・異文化見聞録としてすでに面白い。それに、われわれとかなり隔たった文化・価値観を持ったピダハンの人々についての深い観察が加わる。

    もともと言語学者としてはチョムスキーの系列に学んでいたようだが、ピダハンとの経験をもとに普遍文法の学説と袂を分かっている。そもそも普遍文法をよく理解できていないのだが、文化が言語に影響を与えるというアイデアのほうが素人には理解しやすい。

    気になるのは、ピダハンのような文化が孤島的な例外なのか、それとも探せば普通にあるも

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    2022年02月11日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    まず、この本が生まれたことに感謝。
    日本語で読めることもありがたすぎる。
    自分がいかに小さな世界で枠にとらわれて生きているか気付かされる。
    より良く生きるとは、幸せとは…
    素晴らしい体験だった。

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    2022年02月02日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    ネタバレ

    タイトル通り、数を表現する言葉の成り立ちと、その人間の思考への影響を大いに語ってくれる一冊。動物が生得的に把握できる「きっちり数」は2(と、1+2=3)までで、「ざっくり数」となる4以上の数は言葉なしに判別できないとか、だから「双」「両」など2までを表す語はあっても3以上はほぼないとか4を「2+2」の形で表現する言語が多いとか、5は指の数で10や20までその延長で表現されるとか、5進数も10進数も12進数も身体感覚に基づくものだとか、とにかくもう納得と気づきの連発。左に小さい数、右に大きい数を配する横書き文化では脳までも左側が小さい数、右側が大きい数に反応するのが早くなるくだりなどはたまらない

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    2021年12月22日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    ゆる言語学ラジオの紹介から

    未知の言語の理解のプロセス、その中で体得したピダハン文化への理解、他の言語論との衝突、衝撃の終章
    まさに目から鱗の連続だった。
    文明文化への適応が人の悩みの源泉ではという著者の指摘はすごく納得するけれど、おいそれとその枠から出る勇気のない自分にとっての解はどこにあるのか。。
    ただ、この一冊からも著者がいろいろありつつもピダハン同様生き生きと暮らしている雰囲気を感じ、これが本の力になっているのだと思う。ピダハン同様、直接体験に裏打ちされた力強さ

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    2021年12月11日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    民族と言語とは切っても切れない関係がある。そして、その言語はその民族の文化と密接な関係がある。わかりきったことのようだが、筆者はそれを現地でピダハンたちと生活を共にする中で、一つ一つのピダハン語を採集する帰納的な方法論で、人類の言語本能論唱えるチョムスキーの演繹的理論に異を唱える。豊富な現地での体験に裏打ちされた提言は、いかにも説得力に富む。

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    2020年10月15日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    現代社会とはまた違う興味深い価値観や文化が描かれているのだけれど、筆者の書き方が非常にユーモラスで読みやすい。
    好きな時に好きな分寝て、好きな時に食べ、好きな時に働くのいいな。
    夢と現実に体験したことは同列というのもおもしろい。寝るのがより楽しくなりそう。

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    2019年11月09日
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

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    伝道師・兼・言語学者の著者が、数や左右の概念もない少数民族の村に赴く。
    直接証拠を重視する民族・言語を研究するうち、著者も無神論に導かれる。
    マイナーと思ったけど、24刷まで行っててびっくり。

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    2025年11月16日