鈴木透のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いかなる国家も、近代化の過程で暴力性が発露する。だが、アメリカにいたっては、建国後も、さまさざま社会矛盾が昂じて、その都度発露される暴力の連鎖に楔を打つことができなかった。その件に関して、丁寧な歴史解説が施されていく。
そして、「それほど矛盾を抱えた国が唯一の超大国として君臨できているのは何故か」という原理的問い、また「そんなアメリカという国と付き合うにはどうしたらいいのか」という遂行的な問いへのシフトが試みられている。
こういう弔い作業をきちっと果そうとするアメリカ研究者がいることに、なんだか深い安堵を感じた。そして何よりも、序説の副題として冠された「処女地の陵辱」というワーディ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
唯一の超大国として、最も進んだ科学技術を誇るアメリカ。
だが、キリスト教の倫理観に縛られ、二億挺を超す銃が野放しにされるなど、「性」と「暴力」の問題については、前近代的な顔を持つ。
それはなぜか―。
この国の特異な成り立ちから繙き、現在、国家・世論を二分する、妊娠中絶、同性愛、異人種間結婚、銃規制、幼児虐待、環境差別、核の行使などの問題から、混迷を深めるいまのアメリカを浮き彫りにする。
[ 目次 ]
第1部 「性と暴力の特異国」の成立―植民地時代~一九六〇年代(「性の特異国」の軌跡 「暴力の特異国」への道)
第2部 現代アメリカの苦悩―一九七〇年代~(「性革命」が生んだ波紋 悪