押野素子のレビュー一覧
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スタンフォード大学の学生にレイプされた著者のメモワール。崩壊する日常、遅々としてすすまない司法手続き、裁判でずたずたに踏みにじられる尊厳。なぜか加害者は尊重され、被害者である著者は、泥酔して記憶もなくし、すでに社会人なのにもかかわらず大学のフラタニティのパーティーにのこのこ出かけていった浅はかな女として扱われる。微に入り細をうがつ屈辱的な質問の数々、人の都合など無視して延期が繰りかえされる裁判日程。それらすべてが、大変な重荷としてのしかかってくることが、ほぼ、体感として迫ってくる。そのすさまじい筆力に圧倒された。
陪審員裁判で有罪を勝ちとり、判決前に執筆して読みあげた陳述書はバズフィードで1 -
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ネタバレ重い一冊。翻訳がとても良い。元のテキストがあっさりしてるのか、そこに余計な肉付けをしないで詩のように美しく書かれている。
美術学校に入るが、ハイレベルの教室に入ってしまい変更したいが断られるという描写もとても良い。すごくあっさりしているんだけど、絶望感が伝わった。
その後彼女は必死で版画の技術を磨き、作品発表の日も寝過ごして遅刻をしてしまう(なんで、、)が、講師が温かく発表の機会を与えてくれる。
物事が怒涛のように描写され、ついていくのがやっとの読書体験だった。
「事件の日に何を食べたかなんて関係ある?」とふとキレる描写も良かった。著者は常に考えて、怒って、それをテキストや作品で表現してお -
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Posted by ブクログ
性犯罪は軽くみられすぎだと思う。肉体だけではない、精神へのダメージの深さを、加害者だけではなく、全ての人が理解しようとしなければならないと思う。そして、加害は直接被害にあった人にだけなされたものではない。対象となりうる全ての人にダメージを与える行為だ。
そして、被害者が守られ助けられることはなく、落ち度があったかのように揶揄され、傷を何度も晒さなければならないなんて、おかしくない?
彼女の3年間の(司法による正義を勝ち取るまで、なんて時間がかかるんだろう)記録は、混乱から始まり、挫けそうになりながら、損なわれた自分を取り戻そうとする闘いの記録だ。彼女のようには語ることができない人たちがたくさん -
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ネタバレ映画で洋画のホラーと、日本のホラーって怖さのベクトルが違うとわたしは思っています。
今回初めて海外のホラー小説を読んだのですが、映画と同じように本もやっぱり違うか…!と少し驚きました。
例えば流行りのモキュメンタリーホラーのようにギャーーーーーと叫びたくなるような、心臓がバクバクするような怖さではない。
淡々と日常に潜む怖さ。薄気味悪く、正体が掴めない。精神的に追い詰められるようなそんな不気味さがありました。
個人的に好きなのは「人魚」でした。
怖さだけではない。なぜか切なさや儚さも感じさせられる物語だと思いました。人魚といえば泡となって消える…。この話が好きだと思う人は多い気がします。