【感想・ネタバレ】私の名前を知ってのレビュー

あらすじ

米スタンフォード大で白人水泳選手が起こした性暴力事件。被害者は何と闘い、何に怯え、何に勇気づけられたのか? 全世界に性暴力の真実を教え、その考え方を決定的に変えた衝撃の回顧録。

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Posted by ブクログ

子供が被害にあった事件の報道や裁判で性犯罪被害者が傷ついている報道が無い日に読もう。とか、元気な日に。って考えていたんんだけど、「そんな日は今の日本ではこない」ってわかったから、読み始めた。

日本よりずっと女性の権利が守られている国でもこれなんだ。
裁判まで持ち込める被害者が特に強いわけでもなく、泣き寝入りしている被害者が弱いわけでもない。小さな偶然の積み重ねで立証できるかどうかの差がついているだけ。
魅力的な作者の人柄と素晴らしい文章の力で苦しくても最後まで読める作品。

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2025年03月14日

Posted by ブクログ

内容は非常に重くて、心が弱ってるときには読めないかも。被害者からの視点というのもあるけど、今の性加害に対する社会のあり方はすごくアンフェアだと感じた。
全てのサバイバーに敬意を覚えざるを得ない。

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2025年03月11日

Posted by ブクログ

スタンフォード大学の学生にレイプされた著者のメモワール。崩壊する日常、遅々としてすすまない司法手続き、裁判でずたずたに踏みにじられる尊厳。なぜか加害者は尊重され、被害者である著者は、泥酔して記憶もなくし、すでに社会人なのにもかかわらず大学のフラタニティのパーティーにのこのこ出かけていった浅はかな女として扱われる。微に入り細をうがつ屈辱的な質問の数々、人の都合など無視して延期が繰りかえされる裁判日程。それらすべてが、大変な重荷としてのしかかってくることが、ほぼ、体感として迫ってくる。そのすさまじい筆力に圧倒された。

陪審員裁判で有罪を勝ちとり、判決前に執筆して読みあげた陳述書はバズフィードで1500万回も閲覧された。それほどの大きな波を起こしたのにもかかわらず、判決は加害者に徹底的に甘いものだった――。

何度も何度も、打ちのめされる瞬間が襲ってくる。それでも著者を支えたのは、やさしさで包んでくれる身のまわりの人たちや、連帯してくれる名も知らぬ数多くの人々だった。やがて人々の怒りは大きなうねりとなって、甘い判決を下した判事の罷免へとつながっていく。

その後、本書を書きあげた著者は、大きな決断をして、本名でこの本を出版。全米批評家協会賞を受賞した。

事件から10年。彼女は今、児童書の執筆を始めている。これからの彼女にも注目していきたい。

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

比喩表現が多く使われていて、被害者である著者がどれだけ心を痛めつけられたか、どれだけ理不尽な目にあったかがよく伝わりました。日本でも同じようなことがたくさんあったろうから自分で調べてみようという気持ちになりました。

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2021年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重い一冊。翻訳がとても良い。元のテキストがあっさりしてるのか、そこに余計な肉付けをしないで詩のように美しく書かれている。

美術学校に入るが、ハイレベルの教室に入ってしまい変更したいが断られるという描写もとても良い。すごくあっさりしているんだけど、絶望感が伝わった。
その後彼女は必死で版画の技術を磨き、作品発表の日も寝過ごして遅刻をしてしまう(なんで、、)が、講師が温かく発表の機会を与えてくれる。
物事が怒涛のように描写され、ついていくのがやっとの読書体験だった。

「事件の日に何を食べたかなんて関係ある?」とふとキレる描写も良かった。著者は常に考えて、怒って、それをテキストや作品で表現しておりそのこと自体に素朴に感動した。

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2021年09月20日

Posted by ブクログ

読み進めるうちに思った「これ、フィクションだっけ?」そう思ってしまうぐらいに見事な文章と翻訳によって自分もシャネルと共に傷つき、まわりの人達の優しさと悲しみに同化し、加害者側に怒りを覚えた。
そんな素晴らしいノンフィクションでした。

立場の強い人達が自分に都合が良いように作り上げてきたルール(的な物)に対してNOを突きつけ、もう一度しっかり考える必要が確実にあると思う「そういうものだから」と言って諦めている場合ではない。

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

レイプに対して始めはおずおずと挫折を繰り返しながら、最後には敢然と立ち向かった被害者シャネルミラーの心の叫びがズッシリ心に響きました。特に陳情書の文章が素晴らしかった。
自分が被害者というものではなく、シャネルミラーという一人の人間だということを伝えるためにはこれだけの文章が必要だったのでしょうが、出来たらもう少し簡潔にしてもいいのではと思いました。ちょっと長すぎ。

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2021年08月02日

Posted by ブクログ

性犯罪は軽くみられすぎだと思う。肉体だけではない、精神へのダメージの深さを、加害者だけではなく、全ての人が理解しようとしなければならないと思う。そして、加害は直接被害にあった人にだけなされたものではない。対象となりうる全ての人にダメージを与える行為だ。
そして、被害者が守られ助けられることはなく、落ち度があったかのように揶揄され、傷を何度も晒さなければならないなんて、おかしくない?
彼女の3年間の(司法による正義を勝ち取るまで、なんて時間がかかるんだろう)記録は、混乱から始まり、挫けそうになりながら、損なわれた自分を取り戻そうとする闘いの記録だ。彼女のようには語ることができない人たちがたくさんいる。私たちはそういう人たちに、あなたはひとりじゃないし、あなたはちっとも悪くない、と言い続けなければ。

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2021年07月18日

Posted by ブクログ

性暴力被害者の回顧録。
結構ボリュームがあり、読むのに時間がかかった。
アメリカは女性の人権について進んでいると思いがちだが、この事件が起きた7年ほど?前は全くだったんだなあと思う。
女性が性暴力に関する裁判の陪審員になると、被害者の感情にむしろ寄り添わない人の方が多いとの記述にドキッとした。私だったらこんなことしないとつい思ってしまうのだろうか。

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2021年06月13日

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