檜山良昭のレビュー一覧
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日本人を見直す大戦秘話
開口健が、読み出して止まらず、自分が直木賞の選者なら迷うこと無く推すと、昔書評に書いてました。裏切られませんよ。
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「架空戦記」の隠れた名作。
2023年7月再々々読了。
もう何度も読んでいますが、読む度に色んな気付きが有って、楽しめます。
30年程昔にブームと成った「架空戦記」モノと呼ばれるジャンルで、実際の史料等をキチンと盛り込んで、「もしあの時この作戦を取っていたら…」と云う仮定のもとに、日本軍がアメリカへ直接戦争を仕掛けていく物語です。
「そんなに上手く行く訳が…」と思う方も多いかもしれませんが、陸軍と海軍の連携がキチンと為され、一致した行動が取れてさえいれば、これは夢物語では無いと、自信をもってお奨めします。
まぁ米艦隊の判断ミスがちょっと多過ぎるきらいは有りますけどね…www。 -
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虚しさを通り越した何か
80年代に描かれた戦争シミュレーション。太平洋戦争を主題にしたこの手のシミュレーションは数多くあり、勝利も敗北も無数にあるが、今回はまさに本土決戦という現実にあと一歩で起こっていた最悪の「続き」をテーマにしている。
この小説の悲惨さは当時の帝国の国体、すなわちに命を懸けた尊皇意識のあまりの薄情さから来ている。作者は当時の帝国ナショナリズムをあえて真に迫るようなリアリティを持って描かない。集団心理による脅迫だったと解説しつつ、民間人が自決、ゲリラ戦を平然と展開し続け戦死していく様をアメリカ人視点で描いていく。
アメリカ側は日本に対して同情的すぎるきらいがあるが、これも日本人の狂信さの引き