柴崎竜人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
三軒茶屋と星座というキーワードに惹かれて購入。
読み始めてすぐ、プラネタリウムの解説をしている主人公の謎めいた人となりに引き込まれた。
池袋ウエストゲートパークの主人公に雰囲気が似てる気がする。
金髪でプラネタリウムを個人経営ってなんなんだ!?
とか、
久しく海外にいたマッチョな弟が子連れで居候を始めたり、同じビルのテナントで星座館の常連のトラブルに巻き込まれたり。。。
いろんな職種?というか境遇の人たちとのふれあいが、会社務めの人間にはものすごく新鮮に感じる。
そして、アルテミスをヤンキー女扱いした小説は初めて(笑)
主人公の言葉遣いは悪いけど、人間臭いギリシャ神話を現代風に説明すると -
Posted by ブクログ
夏。
美しく輝く星座が空に昇る頃、星座館に集う人々も熱さを増し、厚みも出てくる。
葵という名の女の子はいつも星座館で寝ている。
いったい彼女は何者で、何をしに来ているのか......寝に来ている、以外に。
この彼女、実は今後物語の大きな転換点となる人物なのだが、詳細はまたの機会に。
葵のいとこもまた面倒ごとに巻き込まれていく。
そこで語られるのは、ヘラクレスの物語。
やはりここでもゼウスは登場する。
大神ゼウスの色好みは、幼心にも一体この男はなんなんだと思ったが、大人になってもやはりイメージは変わらない。
そんなイメージの変わらないゼウスとは対称的に、イメージがガラリと変わるのが、ヤクザ同 -
Posted by ブクログ
世田谷区三軒茶屋、というとちょっとおしゃれな、でも商店街も残る新旧混ざった落ち着ける場所というイメージだ。
そんな場所に一軒の星座館がある。
店主は金髪がトレードマークの和馬。
そこにやってきたのは、マッチョの物理学博士で弟の創馬。
と、娘の月子。
この星座館にやってくる人たちと星座の物語。
星座の話なんて、ちょっととっつきにくいと感じる人もいるかもしれない。
しかしそんな伝説、神話も和馬の手にかかればこうだ。
「プロクリスが美人なら、他の男がほっとくわけなくね?」
......。なんだこれは。
桃尻語訳枕草子もびっくりだ。
まあ、それはそれとして、元々の神話に出てくる神々も人間に常に人間的 -
Posted by ブクログ
家族の大きな愛に胸を打たれる。それだけに現の行動の理由に興味があったのだが、何とも短絡的に思えた。
あらすじ(背表紙より)
著名な近代日本画家の来栖現と、一途に彼を支え続ける美しい妻・佳世。家族の枠を超えた大きな愛で人々を包み込む佳世のもとには、いつもたくさんの人が訪れていた。たびたび有名人と浮き名を流す現は、佳世が亡くなった際も旅先から帰らず、連絡すら取れないまま葬儀を欠席する。喪主を務めることになった娘の愛子は、それ以来父親を許すことができず、連絡を絶っていた。ある時、愛子の息子・春也が会ったことのないはずの現と手紙のやり取りをしていることに気づき―。孤独な日本画家と、それを支える一人の女