柴崎竜人のレビュー一覧
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2巻に入ってもこのシリーズの面白さは健在、というか1巻以上に面白いです。
和真訳(?)のギリシア神話はユーモアに溢れていて笑いなしでは読めません。
また、本巻では月子の出生に少しずつ迫っていくためシリアスなシーンも多めですが、そんな場面では仲間たちの一途な思いやり・気遣いに心が温かくなります。
日常を生きている中で善きことを成そうとすると、嫌でも悪意や打算、下心なんかを勘繰られることもありますが、この小説はそういった邪心に揺さぶられることなく、安らかに読み進めることができます。
作られた物語とはいえ、純粋に人の良さに触れることができる物語です。 -
Posted by ブクログ
手に取った時は正直それほど期待してなかったんだけど、掛け値なしに面白かった。
「上流階級のお見合い」という題材も面白いし、ストーリー展開もテンポがいいし、登場するキャラクターも皆それぞれ魅力的。物語中で登場キャラによって語られる、社会構造やフェイスブックのとらえ方の切り口なんかも鋭くて「なるほどー」と思ってしまう。
なにより、「愛」の本質というもののとらえ方について、登場キャラ同士が自らの考えをぶつけ合うシーンは良かった。テーマ的に使い古されてきたもののはずなのに、そう感じさせないのもこの作家さんの切れ味の鋭さが成せる技なんだろうなぁ。
この人の作品初めて読んだけど、うん、面白い。他の作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ普段は「◯◯殺人事件」みたいなミステリーとかホラーばかり読んでいるせいか、「刺激が足りないな〜」「展開が遅いな〜」なんて思いながら読み始めた。……のだけれど、これ、普通に面白い。
収録されている章は、すべて星座の名前を冠した全5章で、
・オリオン座
・おおいぬ座
・山羊座
・水瓶座
・うお座
から成る。
星座にはそれぞれ、「その星座が生まれるまでの物語」があり、そのどれもがギリシャ神話になぞらえて語られている。
そして物語の中で、登場人物たちのドラマもまた、その星座の神話とリンクするように展開していく。
主人公の和真は、プラネタリウムでそれぞれの星座にまつわる話をしてくれるのだが、 -
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ネタバレいよいよ第3段。
今回もストーリーがパワーアップして、楽しい。
リリーちゃんの恋バナくると思った。
気の利いた感想書けないので、恒例のセリフピックアップ。
誰かの好きって気持ちを僕らは決して汚せないんだ。僕らはその恋愛が彼女を傷つけることを知ってる。もし、彼女が別れるか迷っているなら、その背中を押すことはできる。でも迷っていないなら、誰にも気持ちを止めることはできない。僕らにできるのは、ただ見守ることだけだ。
僕は諦めずに説得する。でも、そのために他の何かを駆け引きに使わない。たとえ甘いと言われても、僕は彼女を甘やかす。
これは愛する覚悟の問題だ。
カリストはいつだって覚悟を決めてた。
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ネタバレ第二弾も相変わらず和む。
ほんわかじんわりココロが暖まる。
素敵なセリフもたくさんあって悩ましい。
幸せな悩みだ。
いい歳して外見しか見てないの?などと見当外れなことを言う女がいる。バカかと思う。もちろん容姿が全てとは思わないし、むしろ逆だと奈都子は考えていた。三十代四十代になってもきちんと自分が身につける服装に気をつけている人間は、ほとんど例外なく賢くて、ストイックだ。知的で心の強い男を探すのであれば、まずその服装を見るのが一番わかりやすいだけなのだ。
仕事が優秀な女性に限って、たまにとんでもなく男を見る目のない人間がいる。
他人同士の恋心は客観的に洞察できるが、自分に向けられる好意 -
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ネタバレ冬から始まって、四季ある。
星好き、星座好き、プラネタリウム好き、ギリシャ神話好きさんにはもちろん、ハートフルなお話しが好きな人にオススメ。
私は星好き、プラネタリウム好き、美術好き(ギリシャ神話)好き。
ココロに残るセリフもたくさん。
いつだって、客観的事実は主観的事実の前に歯が立たない。
大人の男っていうのはさ、自分の人生でいちばん誰が好きだったのかを、決められた奴のことだから
人はそれぞれ、自分ではどうしようもない条件を背負って生きてる。
自分の幸福を壊すのに、必要なのはたったひとつ。幸福を、試せばいいんだ。
すぐに壊れる幸せなんて、そもそも幸せって呼ばないでしょ。
違う。すぐ