藤原帰一のレビュー一覧

  • 「正しい戦争」は本当にあるのか
    面白かった!
    これを読んでしまったら,今までの自らの思考が全て陳腐化してしまって,政治や世界情勢の見え方が変わってしまった気すらするほどの面白さだった.
    聞き手の一人が,我らがロックの達人「渋谷陽一」となれば,それはもう俄然読みすすめる手にも力が入ってしまうというもの.
    右も左も,こういう座標軸で政...続きを読む
  • 戦争の条件
    今年退官の藤原氏の講義録。論点を提示するスタイル(おそらく授業で討論?)。保護する責任と沈黙の陰謀は初耳、人道的介入は戦争回避と矛盾するがそこが課題。

    アメリカと同盟を結ぶ各国の存在から勢力均衡ではなく公共的覇権国の意義を見出すが、筆者はその意義を疑問視。覇権国による恣意的判断には不満が募るが、強...続きを読む
  • 世界一ポップな国際ニュースの授業
    東大の藤原教授と石田さんが対談形式で「世界のニュースを『アベンジャーズ』を一本見るくらいの気持ち」でまとめられた一冊。
    帯に書いてある「2時間でゼロからわかる世界情勢」のキャッチコピーに違わぬ素敵な内容だった。
    何より驚いたのはお二人の博識っぷり。学力と違ったインテリジェンスを感じた。
    誤解を恐れず...続きを読む
  • 不安定化する世界 何が終わり、何が変わったのか
    敬愛する藤原帰一先生のエッセイ集。
    戦争と平和、道に迷った時は先生の著作に戻っています。
    今作は、本当にありがたい一冊.
    ありがとうございます。
  • 戦争の条件
    問1:
    A国がB国に軍時侵攻を開始した。
    B国はどうすればよいだろうか。

    この場合の答えは明確。
    反撃。

    問2:
    A国に軍時侵攻されたB国が、第三国Cに派兵を求めてきた。
    C国はどのような行動をとるだろうか。

    問3:
    A国が、A国国民に対して大規模な虐殺を開始した。
    B国はどのような選択をとる...続きを読む
  • 戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在
    戦争があったのは事実で、
    その戦争で亡くなった人がいるのも事実。
    人権侵害が行われたこともあったし、
    大量破壊兵器が作られ、使われたこともあった。

    それはいいとして。
    この事実をどう記憶するのか、ということについては、
    時代・地域によって様々だということを、この本は教えてくれる。

    戦争観ほど、相...続きを読む
  • 「正しい戦争」は本当にあるのか
    国際政治学における「正戦論」「現実主義」の違いと歴史的な変遷を説明するもの。
    「絶対平和主義」と「相対主義」の違いと言い換えてもよいのだと思う。
    正義のために悪を制御するために行われる戦争という、目的のためには手段を選ばぬやり方は、言ってみれば十字軍であって、そこで掲げられる「正義」が相対的なもので...続きを読む
  • 「正しい戦争」は本当にあるのか
    まさにこのタイトル通り、「正しい戦争はあるのか」「喧嘩は許されないのになぜ戦争は許されるのか」というようなことを考えたい人には、うってつけの本である。
  • 「正しい戦争」は本当にあるのか
    藤原 帰一さんは、日本の政治学者で、専門は国際政治学・比較政治学。朝日新聞夕刊に月一で「時事小言」が連載されており、以前から鋭い視点で国際情勢を捉えている方だなと思っていたが、その藤原さんの書籍で、しかもタイトルが『「正しい戦争」は本当にあるのか』と、今般ロシアがウクライナに侵攻・侵略している時勢に...続きを読む
  • 世界一ポップな国際ニュースの授業
    すらすら読めた。戦争なんて起きないだろうと考えて生きてきたけど、よく考えると大戦は意外とこないだの話。世界が平和であることをただただ願う。
  • 戦争の条件
    「A国に軍事侵攻されたB国が、第三国Cに派兵を求めてきた。C国はどのような行動をとるだろうか」という様に、固有名詞を避けた問いかけを軸にして国際政治について考えてゆく一冊。
    様々な考え方を披露するものの、結論があるわけではなく、「まさに現代国際政治のジレンマそのもののなかに読者を放置したまま、この章...続きを読む
  • 戦争の条件
    具体的な国名を出さず、ある程度抽象的な議論を提示させて、国際紛争について考えさせる本。自分の頭で考えるという点でなかなか画期的な本だと思う。高校あたりの政治経済で、こういう本で勉強しても良いのではないだろうか?後半の、ユーゴの詳細な記載は、ボスニア問題を考える上で非常に参考になるだけでなく、民族自決...続きを読む
  • これは映画だ!
    "国際政治学者の映画エッセイ。あとがきにあるが、映画をみる合間で、仕事をしていると言いきっている。確かに半端ない本数のエッセイだ。
    見習わなくては・・"
  • 戦争の条件
    国際経済学の入門書。答えでない問を通して国際関係について考えるという手法を取っており、いろいろ考えることのきっかけになった。
  • 戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在
    2001年出版の本だが、北朝鮮のミサイルの脅威の中で
    暮らす今に響くことが多い。

    戦後の歴史論争は今も続いている。
  • これは映画だ!
    映画の知識の多さ、観点の鋭さ。
    映画にたいするフラットな興味(宣伝などではなく)、わくわく感が伝わってくる。
  • 戦争の条件
     著者は国際政治学を専門とする東大教授である。本書は、A国やB国などさまざまな仮定の状況を設定し、どのような対応が起こるかを考察するという形式を繰り返して、国際政治の初歩を考える、という書である。本書を自ら読もうとする人ならば、専門家でなくてもすんなり理解できるような内容であり、そんなに難解な内容で...続きを読む
  • 戦争の条件
    具体性をそぎ落として、即ちなるべく主観やイメージが入り込まないように、問いが提示される。自分がこれまでメディアや教科書を通じて得た知識の枠の中でしか考えることができなかった国際問題が国際政治学上の問いに抽象化されていくのがおもしろかった。
  • 戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在
    感想を書くのが非常にはばかられる本で
    それぞれの場所での戦争の感じ方の
    違い、そしてその後処理に関しての相違…

    こう思うと本当に戦争は罪深い代物ですね。
    罪深い、罪深すぎる。
    でも、これは絶対に必要悪とはいいたくありません。

    確かに人は欲に弱い、弱い生き物です。
    だけれども、この欲だけはどうがん...続きを読む
  • 戦争の条件
    日本の立場で考えると硬直する事も、A国B国と条件を提示されると少し俯瞰した位置から考える事が出来、相手国を思いやれるような気がした。こういう事が国際政治の、戦争回避の条件だと思った。とても分かりやすい国際政治の授業だった。