中村桃子のレビュー一覧

  • 「自分らしさ」と日本語
    p4
    「ことば」には、内容を表現するだけではなく、話している人同士の関係を作り上げて、各々の話し手のアイデンティティを表現する働きもあるのだ。

    コミュニティによって話し口調が変わってくるのはこれが大きいのだと思った。日本語という枠組みの中で言語化し、話し相手によって伝え方や表現方法、助詞の使い方ま...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    面白かった。
    もう一度、じっくり読みたい。
    言葉とアイデンティティの分析について、アニメや報道などの例をもとに解説されていて分かりやすかった。当たり前に使っていた言葉が実は、私達のアイデンティティに結びついている。
  • 女ことばと日本語
    日本古来の文化かのように語られている女ことば。その「伝統」はどのように作られていったのか、言語学者が具体例を挙げて解明していく。


    女性らしい言葉遣いを指南する本自体は鎌倉時代からあり、儒教の思想を下敷きにしたものだったという。はじめは「女は余計なことを話すな」とはっきり男尊女卑を打ちだしていたの...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    「女ことば」と「女らしさ」という、ジェンダーの側面からも興味があって本書を開きましたが、「ちくまプリマー新書」という中高生に向けた入門書というレーベルの特徴を活かした、非常に読みやすい書籍でした。

    私たちが日ごろ、特別に意識せずに使っている様々な「ことば」が、自身のアイデンティティを表現する手段で...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    新学期、小学生のランドセルは男の子が黒、女の子は赤、というのは古い話で、今はどんな色を選んでもいい、という話を聞きました。少しづつ、ジェンダーの問題は普通の暮らしの意識改革を進めているのでしょう。ランドセルだけでなく、先生も「〜くん」「〜さん」の呼び分けはやめ、一律に「〜さん」統一しているらしいです...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    第5章までは、多少論理的な概説だと感じていたが、第6章の「方言」と第7章の「女ことば」では興味ある論考が見られた.文化人類学者のエリック・ホブズボウムらの指摘を紹介している."伝統とは、その地域に長くあるから伝統なのではなく、歴史的につじつまの合う過去との連続性を築くことで、「創り出される」.(p2...続きを読む
  • 女ことばと日本語
    小説読んでいて、「そんな話し方する?」と思う違和感が満載な時がある。
    「そうだわ。いいえ違うのよ。よかったことね。」

    言わない、言わない。オネエ言葉にも違和感。
    女学生言葉。昭和一桁生まれの義母がこんな話し方だったと子どもに指摘された。
    確かに元女学生。

    女学生言葉の来歴を知ることとなり、戦時中...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    ことばの使い方によって、他者との関係が構築できるし、距離感もつかめるという。ホントだ。特に女性の言葉づかいに関する考察には、著者の意気込みを感じる。ここを言いたかったのだろうなぁ。確かに「女ことば」「オネエことば」はあるけど、「野郎ことば」ってないもんね。
  • 女ことばと日本語
    本書を読むまでは、日本語の「女ことば」が自然発生的に生まれてきたものだと思い込んでいたが、それがきわめてナイーヴな考えであったことを知った。序章の例にあげられているように、現在もっとも典型的な「女ことば」は、翻訳書の女性言葉にこそ見られるものということになるようだ。例は『ハリー・ポッター』のハーマイ...続きを読む
  • 女ことばと日本語
    「女ことば」の歴史なんて、今まで知らなかったから、すごく面白かった。

    特に、「てよ」「だわ」という言い回しが昔は下品な言葉使いとされてたなんて、ビックリ!
  • 女ことばと日本語
    目からうろこ的。
    逆転発想。
    強引であっても、解答がちゃんと用意されているのがいい。
    あるいはそうかもしれない。
    あるいは、まだまだ未熟な理論かもしれない。
    でも、すとん・・・とおちる理屈に完敗の気分。
    読んでいて、楽しいと感じた。
    ジェンダー視点はいつも楽しめる。
  • 女ことばと日本語
    例示がうまく行っていないように思う。例が必ずしも筆者の説を説明していない。一事で万事を言っているところもある。
    また、支配という語の主語が不明で意味が取れない。というか、全体的に主語が欠けているところが多い。集団が個人のように考え、行動したように言っているところがあるが、よいのか。
    読みにくい。
  • 女ことばと日本語
    みんな自分勝手だ。ゆる言語学ラジオでコーパスの話を聞いた時も思ったが、人は自分がどう発話しているかをあまり正確にわかっていない。だから、はるか昔、実際にどのように皆が発話していたのかもわからず、文献だけが頼りになってしまう。しかし、本書でも取り上げられている通り、実際典型的な女ことばである「てよだわ...続きを読む
  • 「自分らしさ」と日本語
    ◯◯らしいことばって何?

    社会言語学の入門書であり、ことばがアイデンティティを表す、そしてそれは場面によって変わるものであるという話。

    女ことばに関する考察が面白かった。「最近の女性のことばは〜」と言われるのは100年も前からであり、「女ことば」とされていることばは誰がしゃべっていたのかあやふや...続きを読む
  • 女ことばと日本語
    「てよ・だわ」のような「女ことば」がどのような変遷を経てきたかを分析している。女性特有の言葉遣いというものは日本語独特のものらしい。

    自然発生的に出てきた言葉が、その時々の権威や儒教的な男尊女卑の思考から都合よく解釈されてきた歴史が語られている。ある時期には「賤しい身分の者が使う」と言われ、またあ...続きを読む
  • 女ことばと日本語
    「日本語には何故『女ことば』が存在するのか?」を歴史的に解説したもの

    一言でまとめるなら、権力側に都合の良い役割を与えられたから


    「女ことば」は標準語のみに存在し、地域語(方言)には男女の明確な違いはないのは何故なのか?を考えると理解しやすい
    自然発生したものではない らしい……


    鎌倉時代...続きを読む
  • Plant-based Tokyo 東京ベジ帖
    東京にこんな店があるんだと思ったら頑張れる。まだまだリサーチ不足だったみたいで知らない店にたくさん出会えました。ヨカッタ!
  • 女ことばと日本語
    わたしは方言を話すけど確かに方言には明確な女ことばというものは存在しないので、本書で書かれている「女ことばはうまく利用された」という部分には納得。「ちょっとそれは本当なのか?」と思う箇所もあるんだけど、今使っている日本語を再認識することができてよかった。
    当たり前だと思っている常識も実はそんなに古い...続きを読む
  • 女ことばと日本語
    時代・政治情勢などに揉まれながら、今まで使われてきた「女ことば」。
    尊重されたりけなされたり、それでも結局守られてきてますよね。
    専門的な部分は飛び石のごとく読んでしまいましたが、なるほどと思える「女ことば」の魅力に納得。
    「ーだわ。」「ーよ。」「ーかしら。」などといった言葉は、それだけで女が発して...続きを読む