中村桃子のレビュー一覧

  • ことばが変われば社会が変わる

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    ことばが社会に影響を及ぼし、時には社会を変えていくことについて「セクハラ」とか事例を挙げながらわかりやすく紹介・解説してくれている。何気なく使っていることばの裏にいろんな社会の状況が反映されているもんだ。
    ジェンダー的な視点をかなり濃くしながら書かれていてそういうものは自分の好物のはずなんだけど、だいぶ斜め読みをしてしまった。
    一番面白くて「そうか!」と思ったのは、パートナーの呼び名のこと。「ご主人」はナンセンスと思いながら自分が他人にその人のパートナーのことを言うとき「だんなさん」「奥さま」と言ってしまうんだけど、同じようになぜか「だんなさん」とか「ご主人」とか言ってしまう傾向が広く見られる。それはなぜかというと「夫」や「妻」はややへりくだり感があり、家父長制的な色合いのないうまい言い方がないんだよね。日本語においては丁寧な言い方ほど家父長制的なものと結びついてしまうということもあり。自分としては「お連れ合い」あたりかなと思うんだけど、何か舌が回りづらい感じがしてあまり口にしたことないしね。

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    2024年10月25日
  • ことばが変われば社会が変わる

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    言葉と社会について
    具体的事例に基づいて
    紹介されていて興味深い。

    最後のパートナーの呼び名問題が
    現在進行形でもあり、
    面白かった。

    男女の関係性や原理原則より
    「正しい日本語」という価値観の
    指摘はなるほどと思った。

    言葉に潜む差別意識など
    これだけ鋭く気がつくのに
    この表現の問題には
    気づかないのが日本語の
    難しいところ

    ↓
    「誰かが決めてほしい」という他力本願な意識

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    2024年10月14日
  • 女ことばと日本語

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    みんな自分勝手だ。ゆる言語学ラジオでコーパスの話を聞いた時も思ったが、人は自分がどう発話しているかをあまり正確にわかっていない。だから、はるか昔、実際にどのように皆が発話していたのかもわからず、文献だけが頼りになってしまう。しかし、本書でも取り上げられている通り、実際典型的な女ことばである「てよだわ」が多く使われているのは創作物、特に翻訳とか。文献に残っていたからといってそれが実在の発話とどれだけ近いかはわからない。ずっと昔から「最近の若者の言葉遣いは…」という話があるらしい。皆正確に把握できていないのに、印象だけで作られた「言説」が女ことばの歴史を間違って解釈されていたのでは、というのが本書の大きな指摘だと思う。

    人に勧められたから読んだ。珍しいことをした。
    主張が強い文章は苦手だ。この本は過去の文献の引用と著者の主張が入り乱れていて、全て事実として説明されている感じがした。また、過去の出来事に対しても「〜されてしまった」のような表現が多い印象で、共感を訴えてくる文章だなと思った。とはいえ、女ことばの成り立ちについては、なるほどこれまで指摘されてこなかった観点での解釈で、結構その通りなのだろうなと納得感はあった。
    一番興味深く思ったのは標準語を作ろうとした歴史の話。一部の権力者が、「京都語は男が使うには弱々しい」とか主観で決めたことが、現在の世の中でも大きな影響を与えていると思うとたいへん面白い。

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    2024年02月08日
  • 「自分らしさ」と日本語

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    ネタバレ

    ◯◯らしいことばって何?

    社会言語学の入門書であり、ことばがアイデンティティを表す、そしてそれは場面によって変わるものであるという話。

    女ことばに関する考察が面白かった。「最近の女性のことばは〜」と言われるのは100年も前からであり、「女ことば」とされていることばは誰がしゃべっていたのかあやふやで、むしろ都合よく設定されたものだというのだ。

    方言ももはや誰も現地ではしゃべっていないなんちゃって方言がキャラクターとして定着してきている感じがする。本書ではあまり直接は触れられていなかったが、SNSで文字として発信されていくことで何かことばに変化はあるのだろうか。言語学をどんどん深堀りしたくなってくる。

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    2023年11月29日
  • 女ことばと日本語

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    「てよ・だわ」のような「女ことば」がどのような変遷を経てきたかを分析している。女性特有の言葉遣いというものは日本語独特のものらしい。

    自然発生的に出てきた言葉が、その時々の権威や儒教的な男尊女卑の思考から都合よく解釈されてきた歴史が語られている。ある時期には「賤しい身分の者が使う」と言われ、またある時期にはセクシャルな言葉遣い(官能小説の類いで効果的に使用)とされたり。かと思えば戦時中には「日本が優れていると示すための日本語」の一環として担ぎ出されたり。

    現在でもメディア上では残っているが、普段の生活で聞いた覚えがない。本書の序盤で言及されているように、外国の小説などを翻訳した際に男女どちらか分かりやすいように使い分けるなど、日本ではほぼ使われてないものが「文章の中の外国の女性だけが使う言葉」か、「オネエ言葉」でしかその存在を見かけない特殊な言葉になっている。

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    2023年08月06日
  • 女ことばと日本語

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    「日本語には何故『女ことば』が存在するのか?」を歴史的に解説したもの

    一言でまとめるなら、権力側に都合の良い役割を与えられたから


    「女ことば」は標準語のみに存在し、地域語(方言)には男女の明確な違いはないのは何故なのか?を考えると理解しやすい
    自然発生したものではない らしい……


    鎌倉時代のあたりは、「女はしゃべるな」という価値観
    当時もマナー本のような「女訓書」があった
    「つつしみ」という価値観の教育
    上流の女性コミュニティの言葉 女房言葉

    明治時代 言葉の統一の必要性
    東京の上流階級が使う地域語を標準語に
    男が使う事のみを想定

    女性も妻・母としての役割だけでなく、皇国の国民としての立場が必要に
    「女は話すな」だけでなく「言うべき時は言え」
    男女の役割の違いと男女の言葉の区別

    戦後、占領下でも教育の優先順位により女ことばの撤廃はされず現代に至る

    そして、今もマナー本などで丁寧な話し方という価値観が共有されている と



    言われてみれば、海外文学の訳は殊更「今どきそんな喋り方しねーよ」なものが多いですよねー
    本文でも言及されているけど、ハリーポッターシリーズでハーマイオニーは優等生的なキャラだけどやはり違和感はある


    「ボクっ娘」は書生言葉を女学生が使っていたときの名残りが由来



    歴史的な変遷は読んでいて面白かったけど
    随所に香るフェミニズムの思想
    ま、論文ではないので著者の感情が入っていても良いとは思う

    ただ、淡々と事実にと資料に基づく事柄を述べてあったほうが読みやすいと思う

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    2022年02月07日
  • Plant-based Tokyo 東京ベジ帖

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    ネタバレ

    東京にこんな店があるんだと思ったら頑張れる。まだまだリサーチ不足だったみたいで知らない店にたくさん出会えました。ヨカッタ!

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    2020年05月10日
  • 女ことばと日本語

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    わたしは方言を話すけど確かに方言には明確な女ことばというものは存在しないので、本書で書かれている「女ことばはうまく利用された」という部分には納得。「ちょっとそれは本当なのか?」と思う箇所もあるんだけど、今使っている日本語を再認識することができてよかった。
    当たり前だと思っている常識も実はそんなに古い歴史がないことだったりするし、世に蔓延してるマナー本がいかにくだらないかということもよくわかる。(他人に不快を与えないマナーというものは大切だけど)
    フェミニズムの本なのかと思ったけどほとんど社会学的内容で、論文を下敷きに書かれてるからなのかわたしの頭だとすんなりわからないところもあって読むのに時間かかってしまった。古い本からの引用のところは特に難しかった。

    (好きなところ引用)
    最も有効な支配の形態は、特定の集団の利益となる考え方(イデオロギー)がその政治性を隠蔽した形で「常識」「知識」「当たり前のこと」として流布した結果、支配される人が自分から進んでその考え方に従わざるを得なくなることだとは、フーコーをはじめ、権力について考察する多くの思想家・歴史哲学者も指摘しています。/国というものが最初からあって、国民というものも他の国の人から明確に区別されていて、その国民が話す国語というものが最初からあったわけではないのです。むしろ、国家、国民、国語が一致しているという思い込みが、近代国家の形成にはとても大切なのです。/私たちには「国語」という同じ血液が通っているんだと宣言することで、日本中に散らばっている人に、日本という同じ国の国民だと実感してもらおうとしたのです。

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    2019年04月14日
  • 女ことばと日本語

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    時代・政治情勢などに揉まれながら、今まで使われてきた「女ことば」。
    尊重されたりけなされたり、それでも結局守られてきてますよね。
    専門的な部分は飛び石のごとく読んでしまいましたが、なるほどと思える「女ことば」の魅力に納得。
    「ーだわ。」「ーよ。」「ーかしら。」などといった言葉は、それだけで女が発しているものだとわかるもの。オカマももちろん。
    そう言われてみれば、便利ですよね。小学校教科書や絵本にだって、その使い分けによって性の区別がされてるんですから。
    これは決して性差別とかではなく、日本語の特徴であり、美しいとされている理由の一つでもあるでしょう。
    そんな「女ことば」…私は好きだし、使っていたいと思うし、現に日常、特にメールやWeb上での書き込みで多用している…ことに、改めて気づきました。そう言えば、私ってそうだなって。
    一昔前まで強調されていた身分の差による使い分けの要素は薄れてきているし、柔らかくかわいらしく、時には色っぽく、そして女性として「らしさ」を楽しむためにも、「女ことば」は消えずに使われ続けてほしいものだと思えました。

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    2012年10月14日