ベン・メズリックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・主人公はフェイスブックの創始者ザッカーバーグと確執のあるウィンクルボス(Winklevoss)兄弟を.フェイスブックをテーマにした映画ではザッカーバーグに敵対する悪役として描かれており,実世界でもそのイメージのせいで苦労したらしい.
物語はシルクロード壊滅あたりを最後とする1.5年 2011〜2013年.
・兄弟はフェイスブックの誕生に際しザッカーバーグと衝突.裁判沙汰となり巨額の和解金を得た.その資金をもとにファンドを立ち上げるもフェイスブックと因縁ある彼らはシリコンバレーでは受け入れられず上手くいかなかった.立ち行かない中スペインで緩慢と過ごしていたときビットコインと出会う.さらにビットコイン購入サービス”ビットインスタント”を提供する青年に会い彼に出資をするとこを決意.そこから彼らのビットコイン史が始まる.
彼らは全ビットコインの1%を所持.ビットコインは鰻登りに値上がりし,アーリーアダプターとして巨万の富を獲得.(出資先のビットインスタントは失敗.エンジェル投資家も大変ね)
1981年でまだ40歳.いやはやすごい世界ですなあ.
「ビットコインは既存世界との融和と完全決裂の道に分岐する」という未来は現在進行形ですでに起きていることだと改めて思うし,この本を読んでいてもひしひしと感じる.(出資先となる青年チャーリーへの影響という意味で無政府資本主義でイデオロギーから水と油な登場人物ロジャー・バーと兄弟の衝突)
この兄弟は前者の立場でビットコインの社会的地位向上・市民権獲得に貢献した人たちと言えるだろう.
既存世界との融和:
”イノベーションを起こしたいのと同時に,資金洗浄も根絶したいし,バランスを正しく取りたい”
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・フェイスブックの創始者ザッカーバーグに対する印象が悪くなる.えぐいことやってんな.「違法じゃなければ倫理的じゃなくても良い」
・シリコンバレーのエコシステムを垣間見える.
エンジェル投資家からの投資だけじゃなく,先行する成功企業からの買収も出口戦略の一つ→親分(フェイスブック)から嫌われる金は色付きとして受け取られない.
・なぜ金はゴールドか?
化学的性質(変形・変質しない,固体)
ほどほどのユーティリティ(銀は産業用用途が広かった)
ほどほどの埋蔵量(希少すぎるオスミウムは×)
運搬可能・分割可能・偽造不可能・代替可能
・従来の二重支払い問題の解決方法
→中央機関による取引の監視
・マウントゴックス=
マジックザギャザリンオンランエクスチェンジの略称らしい.まじかw
・キプロス:財政悪化・預金封鎖・他国支援で賄えず国民から一定%徴収(財産権侵害)
”世界中に衝撃を与えたのは,キプロス政府が国民に対して行った大掛かりな泥棒行為ではない.そのようなことが起こりうると言う事実だった.〜政府は思いつきで介入してくる”
「国民全員が,自国の政府に金を奪われた」
”自分達の金が実は安全ではないと気づかせる大事件”
・2013年5月16日 ビットコインカンファレンス前夜
シリコンバレー関係のごく少数名が集まる秘密のカンファレンス(20名程度)
→いまから8年以上前か… このご時世に暗号資産と騒いでも時すでに遅し感.
こういう人たちは今何に注目しているんだろうか.
・宇宙開発ー>希少金属を採掘
「貴金属はもはや貴重ではなくなる」
・メトカーフの法則
ネットワークの価値は接続するシステムのユーザの2乗に比例する
・”ETFの申請は,ビットコインが主流に向かっていることを,既存の銀行業界に知らしめる合図となるだけではない.ビットコイン界のど真ん中に永久に消えない線をひき,将来的にビットコインは必ず規制されることになると考える兄弟のような人々と,ビットコインはウォール街,SEC,その他規制局や政府から独立して存在することになると信じる人々とを分断するだろう”
ロジャーバー:
BCHにシフト
・ビットコインユーザの遷移はこんな捉え方をするのが良いのかな?
暗号に関わる技術オタク→急進的リバタリアン→何かしらの理由で匿名性を求める人々→ギャンブルのおもちゃ→法定通貨インフレに対するリスクヘッジ資産としての認識(今?) -
Posted by ブクログ
ビットコインの1%を持つと言われるウィンクルボス兄弟(映画ソーシャルネットワークに登場したfacebookの発案者?でザッカーバーグと裁判していた)が主役のこの本とても面白い。
Facebookから勝ち取ったお金の大半をいかがわしい時期のビットコインにオールインって、なかなかできない。
そして投資しただけじゃなく、自ら働きかけてアントレプレナーシップを持って動いた。ウィンクルボス兄弟も実力で暗号資産長者になったんだなぁとわかる一冊。
そしてウィンクルボス兄弟の父が、炭鉱の現場から
自動車整備工場(当時は馬車が主流の移動手段で、車が一時的な流行でユースケースが限られるので普及しないと思われていた)を立ち上げ、のし上がるストーリーもすき。
同じくビットコイン長者で日本好きのロジャーバーも結構出てくる。 -
Posted by ブクログ
面白すぎて一気に通読。
現実は小説よりも奇なりというバイロンの言葉のごとく、SF小説を超えるリアルの面白さ。
これが現在にリアルに起こっていることなのか考えると、ほとばしる高揚感と未来への想像。
遺伝学世界のトップであるハーバード大のジョージ・チャーチを中心として、マンモス再生への軌跡。
現在の遺伝子工学は数十年前では考えられなかった境地にすでに今の時点で達しており、さらに加速度的にあらゆるテクノロジーの進歩が今まさに起こり続けている。
ヒトゲノム計画、マラリア撲滅運動、遺伝子移植による老化の逆行。
デザイナーズベイビーから、不死の可能性までをも匂わせる。
すでに、マンモスはハイブリッドとして現在に細胞レベルでは生き返っており、復活のその日を待っている。
マンモス復活が地球温暖化防止策として、数十億の命を救うことにつながるというのもまた面白く、人類にとっても非常重要な試みだと思わせてくれる。
遺伝学の可能性は計り知れない。
ハイブリッド人間、不老不死、それらの一大産業が一般化され一般社会に流通していく日もそこまで遠くないかもしれない。
人生100年時代どころか、150年時代が目前のように感じる。
ここ1年間で読んだ本の中でも、
トップクラスの面白さと学びを得られた良書。 -
Posted by ブクログ
イーロン・マスクの経営改革が、今のフジテレビと重なって見えた。
改革はざっくり以下の3点になると思う
・言論の制限より自由を重んじる(マスクの思うだが。)
・大手広告からサブスクリプションに舵を切る(1つ目の改革のために必然的に必要になる)
・大量の社員をリストラする
フジテレビというか地上波テレビも、似たような問題をかかえていると思う。
大手広告主のcm一本足なので、ちょっとした不祥事で経営が揺らぐ。
広告主(視聴者クレーム)に弱く、どんどん制約を受ける。
だから、サブスクリプションに舵を切るべきと言われている。
この前提に立てば、イーロン・マスクが大鉈を振るったことも納得できる部分もある。(めちゃくちゃ身勝手な理由でもクビにするけど。。)
大手広告で稼ぐモデルで、スキルや人員が最適化されているわけだから。
必要な人も変わるし、企業風土の変わりようについていけない。
事後的に非当事者としてだからこれらのことが言えるわけだが、当事者としてはたまったものではない。
そのTwitterで何が起きたのか、社員目線で知ることができる。
イーロン・マスクがceoに就任すると、短期間に半数以上のリストラが行なわれ、内部は大混乱。
当時のTwitterがゆるゆるで運営されていることに危機感を感じている社員も何人かおり、
野心を持って建て直そうとする人物も現れる。
ストーリー大半は、このなんとかやっていこうとする数人の社員目線で語られる。
その他、気になるポイントは
・言論の自由、嘘や過剰な批判に対する投稿制限、このバランスを取る難しさが想像以上であることもわかる。
・Twitterの投稿によって世論を誘導しようとする裏の仕事があることも書かれており、興味深い。
自伝のイーロン・マスクを既読だったのだが、
それに比べるとやや断片的な話に思えてしまった。
イーロン・マスク本人から取材できなかったから、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
自伝は肯定的、この本は否定的なスタンスで書かれている。
まだ、読んでない人にはあわせて読むことをお勧めしたい。
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Posted by ブクログ
映画「ソーシャル・ネットワーク」が好きで、それのもとになったメズリック氏の「facebook〜」を読んでいたこともあって、「世紀の大博打」を読んでみた。
仮想通貨という言葉しか知らない、みたいな自分でも興味深く読めた。
……のだけど。facebook〜と同じく、ノンフィクションだけれど、人物の心理描写など、本人しか知り得ない・(過去のことなので)細かく書くのが難しい部分が多かったと思う。facebook〜の前書きだったかで「読みやすさを考えて小説(物語?)仕立てにした」というような一文があった気がするのだけど、今回もそういう感じだったのかな?と。
映画を観たり本を読んでも、自分はウィンクルボス兄弟に対して悪役の印象を抱かなかった。けれど、本書ではそういった印象を持たれてしまったことについて触れられていたので、なんかこう少し驚いてしまった。
終盤で出てくるとある人物との再会したエピソードには驚いた。
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Posted by ブクログ
ノンフィクションでありながら、近未来の描写をちょっと入れたり、ほんのり小説テイスト。
全編通読後、結構重要なブリッジが端折られているんじゃ…といった感想を持ったりもしたが、遺伝子工学の大まかな現状とこれまでの過程がある程度分かり、また、永久凍土が失われてゆくメカニズムとそれがもたらすCO2排出の恐ろしさがヒシヒシと感じられ、スリリングでもあった。
意図して種を滅亡させることも可能だという、遺伝子ドライブなる技術も然り…。
科学者は"科学でできること"を際限なく突き詰めるのが本能であるし、その衝動及び恩恵と倫理がどこで折り合いをつけるのか、これはバイオテクノロジーを論じる時に必ず付いて回る問題であり、もちろん本書の読者に対しても例外なくその命題は示される。
個人的な感覚としては、例えば"人間に害をなす生物を改変・駆逐する"、"別の種の生物が持つ特徴を発現させる"、あるいは"飼い主の要望を受けペットのクローンを作る"などといった技術は既に超えるべきでない一線を跨いでしまっている気がするが…果たして、ジュラシックパークならぬ"氷河期パーク"は誕生するのだろうか? -
Posted by ブクログ
マンモス再生計画に携わる研究者たちを追うノンフィクションである。
類書に比較して読みやすい1冊である。研究者の人となりにもフォーカスし、彼ら彼女らがどのような経緯でその研究に携わることになったのか、人間ドラマとして読むこともできる。
軸となるのはハーバード大学のジョージ・チャーチと彼が率いる研究室である。チャーチはヒトゲノム計画や次世代シーケンサー(遺伝子配列解析装置)の開発に携わってきた遺伝学界の「巨人」である。
チャーチのグループは、永久凍土に残るマンモスから、クローンをつくることを目指しているわけではない。マンモスの特徴を持ったゾウを作り、マンモスを復興(リバイバル)させることを目指している。彼らの計画は:
・マンモスの特徴を抽出する
・マンモスのゲノムデータを手に入れる
・マンモスの特徴をコードするDNAを特定する
・CRISPRを使って「マンモス遺伝子」をゾウの細胞に書き込む
・遺伝子が変換された幹細胞を作る
というものである。
厳密にはそれはマンモスなのかという点では疑問が残るが、マンモスのように振る舞うであろうとは予測される。
彼らが特に重要な特質としたのは、密生した毛、暑い皮下脂肪、小さく丸い耳、氷点に近い温度でも機能するヘモグロビンである。
マンモスゲノムは他の研究室により解読が進んでおり、これらの特徴を司る遺伝子は特定可能であった。
こうして特定した遺伝子を近縁であるアジアゾウのゲノムに切り貼りして「マンモス化」することも、CRISPR-cas9の技術により、実行可能となった。
次の山は、幹細胞である。遺伝子の書き換えができたとして、そのゲノムをさまざまな細胞に分化可能である細胞に入れなければマンモスの個体を作るという目標には近づけない。
実はゾウは幹細胞の得られにくい生物として知られていた(一方でゾウは癌にならないことも知られており、この2つには関連がある可能性もある)。
しかし、iPS細胞の技術を使用することで、これもどうにかクリアできそうになっている。
研究にあたっては、アジアゾウの細胞試料が多く必要だった。チャーチはその「お返し」として、ゾウにとっては命取りのヘルペスウイルスに対する治療法を確立することを目指し、そちらの研究にもあたっている。
実際にマンモス個体を得るには、もう1つ大きな、おそらく最大の山がある。
それは、受精卵を得て、それにマンモスゲノムを移植し、そして個体になるまで育てなければならないことである。近縁種から受精卵を得て、またその腹を借りるというのがまずは考えられる手法だが、現存のゾウは絶滅が危惧される動物である。妊娠期間も2年間と極めて長い。希少な動物の受精卵や子宮を、別の種の仔を生み育てるために借りるということが許されるのか? すでに絶滅した動物と、絶滅が危惧される動物が入れ替わるだけではないのか?
チャーチらは「人工子宮」という驚くべき策を検討している。これが成功するのかどうか、本書の時点ではわからないが、さてこの先、どのような結果が待っているのだろうか。
遺伝子編集、幹細胞操作といった分野は発展も目覚ましいが、倫理上の問題の整理が追い付いていない感がある。新たに生じる境界上の問題を解決できる倫理が育っていないと言った方がよいのかもしれない。「できること」を突き詰めていったその先に何が起こるのか。
人は本当にそれをすべきなのか。それともやめるべきなのか。それは誰が決めるのか。決めてもそこに実効性はあるのか。
毛深いマンモスの物語の向こうに、そんな不安も見え隠れする。 -
Posted by ブクログ
イーロンマスクによるツイッター買収と、そこから起こったツイッターのゴタゴタをツイッター社員目線で書いた本作。
文体に癖があるため、やや読みにくさはあったものの、社員一人一人にスポットライトを当て、社員目線で何が起こっていたのかを理解するのには最適な本。
相当な混乱があだだことが伺える上に、イーロンマスクは蹂躙者であり、パラノイアであるという印象は、メディアで報じられていた通りである。ただ、その中でも懸命にイーロンを正しい方向に導こうとした社員もおり、そうした懸命な努力でいまのXがあると分かった。結果的に、イーロンマスクと人間なんだな、と思える部分も多かった。
なお、彼が信じているシミュレーション仮説(この世はすべてシミュレーションされた現実であるという仮説)は非常に興味深いし、彼の行動原理の一つはここにある。