山内玲子のレビュー一覧
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3人の子どもたちが幸せな秘密を共有しながら、生きる喜びを見つけていく様子が丁寧に描かれていく。
p.110
この世で生きていくことの不思議のひとつは、いつまでもいつまでも生きるという確側がもてるのはときたましかない、ということです。
そのことに気づくのは、たとえば、おだやかでおごそかな夜明けに起きて、外へ出てひとりで立ち、頭をぐっとそらして上を見上げるときです。
ディコンの母、スーザンサワビーが実に理想的な母親像として、子どもたちを温かく見守る姿が印象的。彼らの主体性を尊重し、決して否定せず、健康を守り、そっと周りの大人に働きかける。初対面のコリンが抱きつきたくなる気持ちがとても分かる。
p.216
『大きなよいこと』をいつも肩じて、世界にはそれがいっぱいある、いうことを信じにゃいけんよ。
そして全体を通して、庭の草花の描写がとても鮮やかで生き生きとしていることが、この物語の大きな魅力である。植物に明るくないながら何度も花の名前を調べ、自分の頭の中で「秘密の花園」を描くことができた。いつかイギリスのグレイト・メイサム・ホールをこの目で見てみたい。
児童書でありながら大人も楽しめる名作である。
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Posted by ブクログ
メアリとディコンは、10年間閉ざされた花園の秘密をコリンにも打ち明け、庭を生き返らせていく。それにつれてメアリやコリンも、生きる喜びを取り戻していく。
人は変わることができるという力強いメッセージが感じられた。外でお日様を浴びたり、体を動かしたり、よく食べたり、笑ったりするなかで、メアリとコリンは変わり、生気を取り戻していく。
「もっとおどろくべきことがだれにでも起こりうるのですーー自信を失わせるようないやな考えが心に入り込んでくるとき、早く気がついて、勇気が出るような楽しい考えをとりいれることによって、それを押し出すことができる人なら、だれにでも。ふたつのことはひとつの場所にはおさまらないのです。」P223
マーサやディコンとの微笑ましい会話や、花園がその生命力を取り戻していく様子を鮮やかに見せてくれる描写など、細やかな表現が魅力的だった。メアリやコリンの変化や日々の驚くべきことや楽しかったことなどを話している周りの人々の会話の描写もウキウキしちゃう。
この世で生きていくことの不思議のひとつは、いつまでもいつまでも生きるという確信がもてるのはときたましかない、ということです。〜コリンが高い塀にかこまれた隠された庭のなかで、はじめて春を見て聞いて感じたとき、まさしくこのようなことが起こったのです。その日の午後は、世界じゅうが完璧で光りかがやくほど美しく、ひとりの少年への思いやりに満ちているようでした。P110-111
『大きなよいこと』をいつも信じて、世界にはそれがいっぱいある、ということを信じにゃいけんよ。P216 -
Posted by ブクログ
10年間閉ざされた「秘密の花園」が、メアリーを変えていくお話。
大人から放っておかれ、誰に対してもつむじ曲がりだったメアリが、徐々に人に心を開いていくところが好き。荒野からの風にふれ、外で走り回り、よく食べ、体が丈夫になっていくメアリも微笑ましく読んだ。
養母のマーサ、庭師のジム、自然を知るディコン、それぞれの人がメアリに温かい眼差しを向けてくれて、読んでいて嬉しくなった。屋敷に「隠された子」であるコリンは、少しメアリと似た境遇といえるかもしれない。コリンが「生きる希望」をどのように抱いていくことになるのか、ということも気になる。メアリとディコンと秘密の花園に行くのだろうか。下巻が楽しみ。
「秘密の花園」は、メアリだけでなく読者をも魅了する。10年間閉ざされた庭には何があるのか、鍵や扉はどこなのか。秘密の花園に入るまでもワクワクするし、扉が開かれた後も、メアリと花園との今後の関わりから目を離せない。
秘密の花園で、ディコンと庭仕事をして、花園を再生しようとしているところがいちばん印象的な場面だった。スリリングだし、ワクワクするし、ディコンの知恵にも驚く。花がたくさん咲くのかなー、楽しみ。 -
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ネタバレ娘の本棚から拝借して読んだ。
小公子・小公女は読んだ記憶があったけどこちらは未読だったので。
見た目も性格も悪い主人公が、自然の美しさや周りの人との交流で、自らを見つめ直し、どんどん魅力的な女の子になっていくのが素晴らしい。
子供ってほんとにスポンジのように色んなこと吸収して立ち上がっていく力=魔法を持っているんだなと思った。
それを信じて環境を整えてあげることは大事なんだけど、子供もまた同じく親や周囲を変えるだけの力を持っている。生きる力とは何かを実感できる一冊であった。
思春期を迎えたらどんな子に成長していくのか、とても気になるが続編は自分で想像して楽しむことにしよう。
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この物語は基本的には「物質的にはそこそこ恵まれていたものの放っておかれた子供」(≒メアリ & コリン)がムーアの自然やら庭仕事やら友達によって再生していく物語なんだけど、子供時代の KiKi はそれもこれも「秘密の花園」な~んていう素晴らしいパラダイスがあったからこその恩恵・・・・というような読み方をしていたところが無きにしも非ず・・・・だったように思うんですよ。 少なくとも KiKi の実家には庭はあったけれど塀で囲まれていたり大木があったりしたわけじゃなかったし・・・・・。 そういう意味では「羨ましがりながら」読んでいたようなところがあるんですよね~。
でもね、今回、この年齢になって再読してみて思ったことは、「秘密の花園」とメアリとコリンは言ってみれば同じものだったんだなぁ・・・・と。 10年間も鍵をかけられ放置されたままの庭も、インドで育った時代に召使いはいても両親との触れ合いや友達もなく育ったメアリも、幼くして母親を失い父親からもある意味で疎まれて寝たきり状態のコリンも、もっと言えば最愛の妻を失った空虚感に支配され続け子供をどう扱っていいのかわからず偏屈になってしまっていたコリンの父親であるクレイヴンさんも、皆が同じ・・・・・。 誰もがすさぶに任せていたような時間を過ごしていたものだったんだなぁ・・・・と。
ある意味で何らかの壁(というより境界線)を作って、自分に閉じこもり、「生きている」実感を伴わない時間を過ごすことによって、周りが見えなくなり、人が見えなくなり、挙句自分も見えなくなっていく負のスパイラル。 それでも本人が気が付かないところで必死で生き延びようとしている何かがある・・・・。 そんなことを感じました。 そういう意味では「孤独」というのものはコリンの言い方を借りれば「悪い魔法」を自分で自分にかけているだけなのかもしれません。
(全文はブログにて) -
Posted by ブクログ
この物語は基本的には「物質的にはそこそこ恵まれていたものの放っておかれた子供」(≒メアリ & コリン)がムーアの自然やら庭仕事やら友達によって再生していく物語なんだけど、子供時代の KiKi はそれもこれも「秘密の花園」な~んていう素晴らしいパラダイスがあったからこその恩恵・・・・というような読み方をしていたところが無きにしも非ず・・・・だったように思うんですよ。 少なくとも KiKi の実家には庭はあったけれど塀で囲まれていたり大木があったりしたわけじゃなかったし・・・・・。 そういう意味では「羨ましがりながら」読んでいたようなところがあるんですよね~。
でもね、今回、この年齢になって再読してみて思ったことは、「秘密の花園」とメアリとコリンは言ってみれば同じものだったんだなぁ・・・・と。 10年間も鍵をかけられ放置されたままの庭も、インドで育った時代に召使いはいても両親との触れ合いや友達もなく育ったメアリも、幼くして母親を失い父親からもある意味で疎まれて寝たきり状態のコリンも、もっと言えば最愛の妻を失った空虚感に支配され続け子供をどう扱っていいのかわからず偏屈になってしまっていたコリンの父親であるクレイヴンさんも、皆が同じ・・・・・。 誰もがすさぶに任せていたような時間を過ごしていたものだったんだなぁ・・・・と。
ある意味で何らかの壁(というより境界線)を作って、自分に閉じこもり、「生きている」実感を伴わない時間を過ごすことによって、周りが見えなくなり、人が見えなくなり、挙句自分も見えなくなっていく負のスパイラル。 それでも本人が気が付かないところで必死で生き延びようとしている何かがある・・・・。 そんなことを感じました。 そういう意味では「孤独」というのものはコリンの言い方を借りれば「悪い魔法」を自分で自分にかけているだけなのかもしれません。
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私の、児童書ベストワンです!
富豪の家に生まれながら誰にも愛されず我が儘でひねくれ者に育ったメアリは、ある日突然、両親の病死で叔父の豪邸に移り住む。叔父は愛する妻が出産の際に命を落としたショックに立ち直れず、産まれたばかりの息子にも向き合えず旅を続ける。息子のコリンは未熟児として産まれ、このまま背中が曲がり短命だろうと医師から言われて育ち、ベッドの上で情緒不安定に育っていた。 ある日、メアリは鍵のかかった庭を見つけ、植物や小鳥達、またそれらの世話をするディッコンと出会い、それを秘密の庭にして、苗を育て庭を再生しようと、生き生きと過ごし始める。そして、屋敷の中でわめき声のする部屋を見つけてコリンと出会う。。
キラキラと眩しい陽の光と大地に根差している植物。それを慈しみ、手にかければかけるほど素晴らしくなっていく庭に喜びを覚えながら、自分達も気付かぬうちに健康に成長していく子供たち。最後、傷心の叔父も、旅先で小さな花に目が止まり「私は庭にいます」という亡き妻の声が聞こえ、ディッコンの母から届いた「ぜひお帰りください」という手紙に後押しされ帰宅する。ここから私はドキドキが止まりませんでした。息子コリンとの再会は待望の結末。
素晴らしい。
ややもすると陰気な設定ですが、作者のバーネットはとてもキュートな方だと文体から感じ取れるほど、陰湿さは微塵も感じません。自然の、人間の生命力がキラキラ溢れた傑作です。読まずに終わらなくて良かった。 -
Posted by ブクログ
梨木香歩さんの「秘密の花園ノート」をKくんと一緒に買ったら、数日後、この本を買ってしまったKくんがいました・・・。ふたりとも、こちらを読んだことはないのに先に「ノート」を読んだから、気になってしまっていました。
通勤電車の中で、この本を読むのは、ちょっと恥ずかしかったけど。
だけど、ノートを先に読んだことが良い方向に作用する、充実の読書でした。いい本はいいですねえ!安心して読める名作児童書・重鎮という感じ。
そして、登場人物のことはノートで予習済みで、その見事なからみあいも展開も余裕な感じで読めたけど、それにしてもなお、庭や、ムアや、天気や、季節や、植物や、鳥についての、すばらしい記述に、なんというか児童書ならではの高揚があって、変化のひとつひとつのことを書くのに使われることばや文章の量が半端でなく、ほう、と読み惚ける感じ。いいなあ・・。
庭仕事、あこがれる・・・もう植物育てるのはあきらめたけど!!
そういえば大学に入った頃、なにか植物を育てたくて、だけど学生寮の部屋が北西向きで明かりが入らず、「そーだ、いいことを考えついた!!!」と大興奮して花屋さんに行って、「私の部屋が北西向きの窓しかないので、毎日、鉢を持って歩こうと思うんです!!大学の授業中とか、陽のあたる部屋もいっぱいあるし・・授業中机の上に置いて・・・」と花屋のお姉さんに訴えたら、「植物は環境の変化に弱いので、それはあきらめてください・・・」と即座に言われて、「がーん・・・・・・」とショックを受けたのでした。
でもまあ結局その後、日当たりの良い部屋に引越してからも、水やりを忘れて枯らしたりするので、植物は外出先で愉しむだけにしようと、あきらめたのです。
だけどこんな本を読むと、あきらめていたあこがれが首をもたげますね。いいなあ・・・わたしも庭仕事の喜びを味わいたいです。
本筋のほうの、人間の変化のほうの読書は、ノートで先に感動してしまったので、それは復習の楽しみでした。