八代尚宏のレビュー一覧
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シルバー民主主義とは、人口比の大きさに加えて投票率の高さから高齢者にとって都合の良い低負担・高福祉政策が選択され、後の世代にツケを回すことを指す。全く著者の指摘通りで、富裕な高齢者から困窮した高齢者に世代内で所得移転をすることが有力な解決策だが、”ネコ鈴問題”を解決することは難しいだろう。もう絶望しかない。
極論に聞こえるかも知れないが、本当に必要なのは消費税ではなく相続税の課税を強化して福祉目的税とすることと、寿命の延びを抑えること=高齢者向け保険医療範囲の大幅な縮小だと思う。後者は近年ようやく「残りわずかな寿命を延ばすためにその医療は必要か?」という議論が始まったが、もっと国民的に議論され -
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正鵠を射る、という表現がふさわしい。シルバー民主主義という思考の枠組みにも匹敵する本書の指摘は【年金は福祉ではなく保険である】だ。
保険というのは、将来のリスクに備える仕組み。国民年金や厚生年金の本質は、「予想より長生きしてしまい、蓄えが底をつく」というリスクに対する保険である。そこが勘違いされている。それさえあれば隠居生活できる資金源ではないし、生活保護などの福祉とは性質が異なる。生命保険や医療保険や自動車保険と同じように、リスクの大きさや発現可能性と、欲しい保障や負担できる保険料の間で落としどろこを見つけるものである。もっと保険金が欲しいなら保険料を上げるしかない。保険料を上げられないなら -
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この本の主張をひと言でいえば、「日本経済を救うのは新自由主義だ!」ということ。近ごろ完全に悪者扱いされている新自由主義の誤解を解き、本当の新自由主義による日本経済の再生を提言している。
「新自由主義は決して自由放任主義のことではない」「小泉改革は『やりすぎ』だったのではなく『中途半端』だった」「派遣法の規制緩和は、本来労働者のためのものだった」等今までの固定観念をひっくり返す主張が次々に飛び出してくる。そして、その主張には論理的な裏づけがされている。著者の言うことを鵜呑みにするわけにはいかないけれど、この本を読んだことで、新自由主義に対する僕の見方が大きく変わった。
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【問題認識】
日本的雇用慣行(新卒一括採用、終身雇用、年功序列)が機能不全を起こしている。
【原因・背景】
そもそも、日本的雇用慣行は、
①高い経済成長の持続
②豊富な若年層と相対的に少ない高齢層という年齢構成
③一時的な不況期の緩衝材としての非正規社員の存在
という前提に基づいて成立し、高い経済成長の時代に、慢性的な労働力不足に対する策として熟練労働者を企業内へ閉じ込める効果(entrapment effect)を狙ったもの。
日本の成長率が長期的に停滞する状況では、日本的雇用慣行の前提条件は崩れ、様々な弊害が生じる。
労働法ではなく司法判断に委ねられ、「予見可能性」が低い解雇規制等、 -
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本書の意図を「長年、政府の規制改革会議等で筆者がかかわってきた、社会的規制に関わる主要な課題を改めて集大成したもの」と綴っている。
扱っている範囲は幅広い。
「日本的雇用改革」「働き方改革」「長時間労働」「同一労働同一賃金」「非正規労働」「解雇」「高齢者雇用」「女性」「社会保障全般」「年金」「医療」「介護」がテーマとして述べられている。
主に労働問題・社会保障問題が中心であるが、その分野の現時点での日本の課題(と筆者が捉えているもの)が俯瞰的に眺めることが出来て非常に良い。一方で、扱っているテーマの範囲が広すぎるので、個々のテーマについて、もう少し詳しく知りたいと思ったりもした。 -
Posted by ブクログ
2015年時点で・・・
日本人の4人に1人が65歳以上のジッチャンバッチャン・・・
4人に1人って、改めて考えても凄いですよね・・・
これが益々増えてくってのがまた恐ろしいところですが・・・
少子高齢化が進みまくっている日本・・・
今後も止まらない日本・・・
少子高齢化が政治・政策に影響与えまくり・・・
ジッチャンバッチャンは人数が多いだけでなく・・・
ちゃんと投票する人が多いので・・・
選挙に勝たなければただの人である政治家は、当然ジッチャンバッチャンに振り向いてもらうために政治を行うようになりがちに・・・
ジッチャンバッチャンが望む政策を重視するようになる・・・
で、ジッチャンバッチャンの