氷上慧一のレビュー一覧
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自身も別の街で猟団を率いているディノの幼馴染・イルマリスの訪問と、謎のモンスター(と言ってもカラー絵でバレバレではあるが)の出現と思しき事態が主軸となった三巻である。
一言で言えば、面白かった。やはりこうした作品においては、こういう格上との対決は一際面白いものだ。仲間と共に死力を尽くして戦う様はただただひたすら楽しく、読む手が止まらなかった。
疾走感といい、こうした戦闘のメリハリの付け方は本当にお見事なところである。
今回は星五つと評価したい。
しかし、このシリーズはいま現在一年ほど新刊が出ていないが、もう先が出ないのだろうか。惜しいところだ。
せめてもう一巻、彼らの猟団の行き先 -
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二巻は少し評価に悩んだが、ここでは星五つと評価した。
今回は、猟団《猛き黒炎》のグイッケの下に居たマリフィを軸にした物語であり、物語構造的に言えばディノたちはあくまで部外者である。彼女を援助する形で物語に参加しているし、そこに猟団《灼熱の刃》の存続というカードが関わってもいるが、本質的に部外者であることは否めない。
それだけに、やや評価を低くして読んでいたのだが、最終的に物語で描かれた「報われない努力」というテーマには少し考えさせられた。それゆえの星五つである。
この物語は、最初からボタンを掛け違えていたような物語であり、それゆえに違和感が拭えない。だが、それも少しだけ最後に解消される -
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やはり氷上さんのモンハンシリーズは面白い、と改めて唸らされた一冊だった。これは期待したいシリーズだ。
主人公に単純なキャラを配置していることで、一つ一つ泥縄形式で描かれていく世界に新鮮な驚きがあり、そのおかげで動的でないシーンでもだれていない。この辺は本当に上手いなと。
猟団というモンハンにおいては特殊なシステムがあることをフルに活用して、そこにまつわる物語を構築しているのもまたお見事。物語の締めはわりと見えるところではあるけれど、それにしてもやはり、爽快なものがある。
キャラを描くという点では少し不足も感じるが(リコのキャラはもっと活かしてほしかった)、これからにも期待して星五つ。 -
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やや唐突ではあるが、名作と言える作品にはいくつかの条件がある、と私は思っている。
その基準は十人十色であるが、私が思うところはこんなものである。
・主題を見失わない
・文章表現に過不足がない
・情景描写が感覚的であり、心理描写が切実である
・展開が有機的につながっている
・設定が物語と密接に結びついている
・印象的なシーンが存在する
この条件を満たしているのが今回の巻である。一言で言えば、非常に面白かった。
真っ直ぐな性情を持ったキオは、その性格にふくよかさと余裕を持って、高潔と言って過言でない青年へと成長を遂げている。
物語は終始温かくて、本当に気持ちよく読みきれた。素晴らしい -
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シリーズ終の巻である今回は、ジエン・モーランと相対峙するハンター達を描いている。
壮大とさえ言えるような古龍との対決を、各々がガヤガヤかまびすしくしながらも戦い抜いていく姿は、これまでの(ストーリー要素の強い)諸作とは異なり、ひたすら楽しい代物だった。原作を彷彿とさせる楽しみ方だ。
それぞれを掘り下げているだけに、一冊で終わるのが惜しくもあるが(そのために星四つ半の評価である)、良い狩りを読ませていただいた。
これにて氷上さんのシリーズは終了……だったようだが、今年から新しくシリーズを始めておいでのようだ。
読者としてはめでたい話である。そちらも楽しみにしたい。 -
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今回は轟竜ティガレックス狩りであり、同時にポッケ村でのエピソードを補完した内容でもある。
外伝ではなく、別シリーズで補完するという方式はちょっと面白い。それぞれのシリーズを絡めながら物語を構築するやり方は、上手いなあと感心させられるところだ。
しかし、このシリーズは密度が高くて大変よろしい。今回もほぼティガレックスだけであり、事前や間にほとんど何も挟まっていないので、すっきりした構成である。フルフルは前菜どころか先付け程度だったし。
はなはだ余談であるが、巻末の挿し絵はあれ、フルフルなんだろうか? 微妙だなあ。トルチェは可愛いし、挿し絵的には良いんだけど。 -
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