【感想・ネタバレ】モンスターハンター 魂を継ぐもの4のレビュー

氷上慧一 / 廣岡政樹

シェンガオレン撃退から3年。キオ、ロッシィ、エーデリカのパーティはジャンボ村周辺では知らぬ者がいないほどの名声を得ていた。そんなある日、雪山の麓にあるポッケ村からその名声を聞きつけた弟子入り志願の少女ミモリが押しかけてきた!師匠なんて柄じゃないと嫌がるキオだったが、父親のようなハンターになりたいと願うミモリの情熱に共感を覚える。しかし、ミモリの目標はアノ大空の覇者を狩ることだった――! 超人気ゲームのノベライズ第4巻!!

[ブクログ · ★★★★★]

　やや唐突ではあるが、名作と言える作品にはいくつかの条件がある、と私は思っている。
　その基準は十人十色であるが、私が思うところはこんなものである。

・主題を見失わない
・文章表現に過不足がない
・情景描写が感覚的であり、心理描写が切実である
・展開が有機的につながっている
・設定が物語と密接に結びついている
・印象的なシーンが存在する

　この条件を満たしているのが今回の巻である。一言で言えば、非常に面白かった。
　真っ直ぐな性情を持ったキオは、その性格にふくよかさと余裕を持って、高潔と言って過言でない青年へと成長を遂げている。
　物語は終始温かくて、本当に気持ちよく読みきれた。素晴らしい巻であった。