青木智美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ評判通りの名作だ。とはいえ、ネタバレなしでは紹介が非常に難しい。
というのも、紹介文にあるような「魔王の島」というのは(作品内の)現実ではないから。
キーワードは「心の避難所」。
衝撃体験から逃れるために人間は心に避難所をつくるのだが、その避難所をつくるという精神的治療の行為すらも物語に織り込んだ避難所の構築が、本作で展開される「事件」だった。これが真相。
似たような印象を受けた日本作品として
貫井徳郎「慟哭」
乾緑郎「完全なる首長竜の日」
山田正紀「ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件」
が思い浮かんだ。
エンタメとして申し分なし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
田舎町で新聞記者をしているサンドリーヌは一度も会ったことの無い祖母の訃報を受ける。
祖母が暮らしていたのはノルマンディー付近にある孤島。
その島は世界大戦中はドイツ兵の拠点になっていた島だった。
なぜ祖母はその島から出てこなかったのか、島で起こった凄惨な事件が示す新事実とは?
・感想
なるほど…こういう展開になるのかー。面白かった。
続きが気になりすぎて1日で読み切ってしまった!
1部のサンドリーヌ側の描写は現実味がなく曖昧、読者を不安にさせる描写が続くので何となくこれは夢の中の出来事なのかな?と検討はつく。
そして2部になって地に足ついた現実世界の話かと思いきや…。
ダミアン -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
フランスの架空の街モンモールが舞台。
ジュリアンは新人の警察署長としてモンモール山という岩山が聳え立つ小さな集落モンモールに赴任してきた。
近代的に整備された町並みはある一人の富豪ティオンビルが村を買取り私財を投資しているからだという。
この村には1600年代に魔女狩りと称して村の女性たちを幾人も岩山から突き落とし、その女性たちが魔女となり村に呪いをかけたという言い伝えがあった。
そしてジュリアンの赴任初日から村で何人もの人間が恐ろしい方法で死んでいく。
・感想
魔王の島の作者だし、合間に挟まれる「事実」パートが脳の電気信号やら薬の作用がなんちゃらと書いてあったので人体実験の話 -
匿名
ネタバレ 購入済みサイコミステリーだろうか。
はじめはサンドリーニが誰なのか気になって一気読みでしたか、ラストでそんなオチになるのかと、ちょっと意外でした。
愛する娘を失った男の物語。
でも全てが心の避難所として作り上げた物語なら、現実に犯人は捕まったのか、誰だったのか?が残り消化不良な読後感が。