佐宗鈴夫のレビュー一覧
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これは完全犯罪と言えるのだろうか…
トムの衝動的で突飛な殺人と、臆病なまでに練るに練られた計画的な偽装工作の連続。
そして、あまりにも幸運すぎる逃亡劇とその最後。
この作品では、事件自体の完全さというよりも、トム自身の感情の浮き沈みと、はたまた何があってもうまく立ち回る身のこなし、そして綻びをうまく拾っていく彼のスキル等々、“トム”という人間にスポットライトを当てることでこそ、主人公の魅力が表に現れ、非常に興味深く感じられる作品になっている気がする。
誰かを演じることでしか(ここでは“ディッキーだが”)今の自分を保てない不安定とも言える精神状態、自分から墓穴を掘るような言動や行動に走りかね -
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ルネ・クレマンとアラン・ドロンの映画「太陽がいっぱい」は封切られた時に観た。映画全盛時代ゆえ鮮明に覚えている。テーマ音楽と明るい青い海とドロンの美貌が強烈な印象だった。
マット・ディモンのリメイク「リプリー」はTVで観た。これはこれで「トム」と「ディッキー」の関係を同性愛的に色濃く描いていて陰影があった。マット・ディモンの雰囲気があずかりあるのかもしれない。
パトリシア・ハイスミスの原作「太陽がいっぱい」を読んでまた異なった感想を持った。「トム」が「ディッキー」を殺すに到る心理が丁寧に描いてあり、犯罪の良し悪しでなく、わかってくるものがある。
「トム」の不幸な生い立ちとあがいても上昇しな -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔映画の『リプリー』を観たことがあったけどほとんど記憶がなかったので新鮮な気持ちで読めた。
リプリーが二件の殺人を犯すまではとても面白く読めたけどそれ以降は少し冗長に感じたかな。
追い込まれるスリルはあったけど。
特にディッキーと仲良くなってから次第に憎悪に気持ちが流れていくあたりは圧巻だった。
リプリーはどうしようもなく身勝手で運が良いだけの犯罪者だとはおもうけど、ディッキーの同性愛嫌悪の態度も読んでいて気分が悪かった。
あんな態度をとられ続ければ辛くなって憎むのも当然だと思えた。
だからといって殺すなんてのはどう考えても許されないことだけど。
フレディが階段を引き返してくるときのハラ -
Posted by ブクログ
○感想を
手にしてから完読するまで約3ヶ月かかかった。それは、中断することも多かったから。
人の一生は短い。
彼は24年で幕を閉じた。
名前を変え、お金も寄付し、ほぼ徒歩で歩みアラスカへ旅へ出かけた経緯や周りのエピソードなど交えたドキュメンタリーである。自然の怖さも感じるし、地球の未だ見ていない人が殆ど歩かない地に単独で入っていくことは、彼にとって勇気でもなく、自然な行為だったのだと思う。
主人公以外にも遭難したり、自然のなかで餓死していく他者も登場したが、このあたりが一番覚えていて読み進めが早かった。途中人との関わりやマックでバイトしたりして稼いだり、そうした人道的な内容もあるからリアルを感 -
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大学を卒業後、ヒッチハイクを繰り返しながらアラスカへ辿り着いた青年は一人で荒野へと足を進める。結果、彼は荒野に置き捨てられた廃バスの中で孤独死し、アメリカ中を震撼させることとなる。
いったい彼はなぜ荒野へ足を運んだのか?そして荒野での廃バス生活の中で何が彼を孤独死させる要員となったのか?極めてミステリアスなこの出来事を巡って描かれるノンフィクションが本作である。
アメリカ出身の稀代なるノンフィクション作家、ジョン・クラカワーの出世作である本作では、若かりしクラカワー自身の姿が孤独死した青年に重ね合わされている点が魅力的である。かつて、若きクラカワー自身は登山を通じて自己のアイデンティティを -
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ネタバレ"天才犯罪者、最後の物語”
リプリーの数々の悪が暴かれ、異常な日常が崩壊する様を
目の当たりにできるのか、というわけではない。
作者が亡くなったからシリーズが終わってしまった、
というだけ。
リプリーは過去の犯罪の暴露の危機(?)に
『ジワジワ』『執拗に』追い回されて
怯えたり焦ったりするかと思いきや、鬱陶しいと
イラついたり、妙に興奮したり、解決するために
助力とを準備したり、でも日常はあくまで平穏に
普通の人として過ごしている。
過去が暴かれることより、日常が乱されることの方が
問題の様だ。
純粋で、俗で、あまりに普通なマダム・アネット
(癒し系)があってリプリーの危ういバラン -
Posted by ブクログ
先が気になって仕方ない気分にさせてくれる一冊でした。最後の解説で映画になっている事を知り、DVDを借りましたが、本が先で良かったと感じました。きっと、映画を先に見ていたら、主人公のバックボーンに共感できず、原作に手を伸ばすこともなかったでしょう。
心のままに生きるために選んだ道、誰にも理解されないはずの孤独な道程は、荒野を目指すクリス・マッカンドレスを温かく包もうとする人々との出会いに満ちています。さらに作者の過去がオーバーラップされることで物語の奥行きが広がり、『若者の愚かさや無知から引き起こされるくだらない事件』という、世が貼り付けたレッテルが丁寧に剥がされて行く展開に、青年時代をとうに過 -
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毎度感じることで、いい加減学習しろよってところですが、やっぱり途中経過がくどく感じてしまう。エンタメノンフ、殆どそうなんです。徹頭徹尾、ハラハラドキドキしっぱなしでした、みたいな作品、すぐにはパッと思いつかないかも。これって自分の感性の問題なのか、それともつまらないならそこは読み飛ばせばよい話なのか。読み飛ばしのスキルを身につければいいのかもですね。なんかもったいないって思ってしまう自分がいて、でもそのために使う時間の方が、もっともったいないんだってことも分かってたりして。難しいところです。脱線しまくりましたが、答えは何と、蓄積性の神経毒でした。ロマンを追い求める冒険心のせいとか思っていたんで