湯汲英史のレビュー一覧
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職場に「ん?」と思われる方がいて、トラブル続きで困っていて、何か手立てはないかと手に取った本の一冊。
幼少期は見逃されてしまって、大人になってから診断を受ける人が多くなってきている昨今、発達障害関連の書物は充実しているが、この一冊は非常にわかりやすく、目に浮かぶようにヒントが見えてきたようだった。
ただ、発達障害について語られ説明されているだけではなく、どのような世界が存在しているのか、どう見えているのか、新たに知った世界もあった。
生きづらさを克服し、生きやすい、働きやすくするには…
周囲がどのようなサポートをする必要があるのか…
今後これを試していくことが楽しみになるような一冊だった。
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叱らない育児をやめました。
と言っても、私は叱らない育児に向いてなく、私は2歳の娘を育てる母親ですが、幼い娘に強くダメという度に自己嫌悪に陥ってました。
本書では、『2歳になると自分が上に立とうとする』、大人がダメと言えないと『自分よりも下の存在と勘違いする』、『上下関係を理解した子』は『役割関係で人との関係を理解する』とあり、ダメなことをダメと教えることに意味があったことを知り育児の糧になりました。
そのほかにも
本書の『黙って聞こうね』のページは、叱ってしまう母に刺さるものがあると思います。
過激な表現をしますが、
愛する我が子を発達障害に見せてしまう親にならないためにみなさんに読んでみてほしいです。
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Posted by ブクログ
本書は、(社)発達協会常務理事である湯汲英史らによる、発達障害を持つ子どもや青年とコミュニケーションを取る際に、配慮すべきポイントについてまとめた本である。
「抽象化に問題がある」「わかりにくい『もしも』の仮定文」「伝わりにくい『あいまいな表現』」などの27のポイントについて、「困難発生のメカニズム」についての説明と、「コミュニケーション能力を伸ばすために」配慮するべきポイントについて述べられている。それらのポイントは単に話し方の注意にとどまらず、当事者のコミュニケーション能力を伸ばすための段階的な関わり方の方法も述べられていて、非常に濃い内容となっている。また、指導のためのエビデンスとして、彼らが知的障害および発達障害を持つ児童・青年に対して行った研究結果が載っていて、客観的な判断指標として役に立つ。
本書が対象としている当事者の年齢は、幼児~青年と広範囲に渡るが、おそらく主なターゲットとしては小学生であると思われる。障害の程度としては (素人の推測であるが) 中程度からやや重めが想定されているように思える。
本のタイトルには「話す」ためのポイントとあるが、実際にはそれより大幅に深い内容を含んでおり、文体の読みやすさや表紙のとっつきやすさとは裏腹に、全体を読んで理解しようとすると時間がかかる。さらにこれを適切に実践するのは、専門知識や経験のある人でないと難しいかもしれない。
以上に述べたように、本書は表紙のとっつきやすさと比べると内容が濃密である。全体を理解して実践するのは素人には難しいかもしれないが、具体的にどのような表現が (どのような理由で) 苦手か、どのようにコミュニケーションを取っていけばよいか、など初学者にはとても参考になると思われるので、★5つと評価したい。
最後に、本書中にあげられていた、感情のコントロール力につながる「切りかえことば」、判断基準のもとになる「関わりことば」についての参考文献を紹介しておく:
・湯汲英史「感情をうまく伝えられない子への切りかえことば22」 すずき出版
・湯汲英史「子どもを伸ばす関わりことば26」 すずき出版
・湯汲英史「関わりことば・場面別指導のポイント」 明石書店 -
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忘備録 第三章、意思尊重への合理的配慮と支援
意思表現の仕方を伝えていく必要あり。
「どっちにする」「どっちでもいい」などを聞いていく。
また、子供自身をどう思うか伝える言葉が自分を作っていく助けになる。あなたは優しいところがあるね、明るいね、など
受け入れがたい要望へは、適切な方法で表現しなければ受け止めてもらえないことを「根気よく」伝えていく
この際は、アイメッセージが大事。どうしてもしたいときは、結果を受け入れる覚悟をさせた上でチャレンジ。
我慢できない子供へは、まずは共感が大事。まずは、子供の気持ちを受け止めること。感情的になっているとき理屈は入らない。
? 言語指導をするときは、正解しなくては、という思い込みでコミュニケーションが楽しめなくならないように。楽しみながらが一番大事。
第四章、コミュニケーションへの合理的配慮と支援
?感情的に叱らない
過去のトラウマを思い出してひどく動揺する場合も。
?威圧的でない指示
威圧的だと、わかりましたといってわかってないことも。
?決定権への誤解
決定権は職場だと上司にある
?理由がわからない
? 知的・発達の人は「なぜ、どうして」を聴くことが少ないという言語発達上の特性がある。理由がわからない場合もある。理由がわからないと命令ばかりされていると思う。理由の代わりに内容を伝えるほうが丁寧な表現方法。
?自分の感覚へのこだわり
できるだけ選択制の質問形式にすることで、答えやすくなる。
? 気持ちの表現は抽象的なので、苦手な領域になりがち。
感想は、楽しかった・面白かったで、終わりがち。気持ちの表現が多様化し、深まらない。だから、何が、などの問いかけでより引き出していく。
? 重文、複文など、言葉の中にいいや文章が沢山ある表現は避けるほうが伝わる。一文に一意味で。
? 喋りたくないことは喋らなくていい、などの二重否定文もとてもわかりにくい。喋りたいことを喋ってください、の方がわかりやすい。
本人に悪気なくストレートでぶしつけ表現になるので、こういったほうがいい、と修正するとよい。
? 沈黙している場合、理解できていないと、考える。
? 質問をする際に重要なことは、「何を質問されているか」が、相手に伝わっていること。
? わかりません、もう一度いってください。といえば、伝わってないことがわかるが、わかっていないのに「はい」と返事して、なんとなくその場を凌ぐ人も多くいる。
うわぁ、これは自分も当てはまるーーー。
? 疑問詞の理解は、「誰、何」が1歳台、「どこ」が2歳台、「どうやって、いつ」が2歳後半から3歳台、「どうして、なぜ」が4歳後半とされている。
? どうして、なぜばかり繰り返されると責められているように感じる。
大人もそうだよなぁ。
? どうやってきましたか、何に乗って来ましたか、などは答えられる。
クローズドクエスチョンがよい。
? 理由が言えない、わからない
知的・発達の子は、「なんで」と聞かない、質問することが少ない。
一般的には3歳くらいから「なんで」と質問する。これが合わせて「なぜ」「どうして」に広がる。「だって」「だから」と理由をつけて説明することもできるようになる。
? ? しかし、知的・発達障害の子には、「なんで」「どうして」という疑問詞を使わない子が少ない。一般的には、「なんで」「どうして」で、人の言動や理由を学ぶ。そうして、相手の理解や合意が生まれる。しかし、「なんで」「どうして」と聞かないと、相手の真意や理由を学ぶことができにくく、相手との理解や合意が生まれにくくなる。
? しかし、「どっちかな」と聞くと答えられることも。
? 言葉がスムーズに頭に浮かばないことを「換語困難」という。高齢者などにしばしば見られるが、知的・発達の子にはこれが発生している可能性がある。
第五章、本人への具体的伝え方
赤ちゃんはまず、擬音語ブーブーを真似て車を理解する。そして、ブーブーを車に置き換える。
さらに、2歳前後で車は自動車に置き換えれることを理解する。
2歳後半から、車=乗るもの、動詞がわかるようになる。
? ここで大きな飛躍が起こる。乗るものから、乗り物への理解を高める。
? 乗り物は、見ることも触ることもできない「抽象語」「分類語」の言葉。知的障害があるとこれがわかりにくい。
? 抽象語がいくつも重なっている文章は、知的障害のある人にはわかりにくい。
? 食べもの、音楽、絵などの言葉も実は抽象語。
あー、たしかにー??
? 抽象語は、絵や写真にできないが、具体的なものは絵や写真に表すことができる。
? 感情を表す、たのしい、うれしい、かなしい、せつないも抽象語。
知的障害を3つの段階で理解する。
A段階…現在に生きている。身体言語はわからない。一つの行動が次の行動を導く。実物がないとわからない。
B段階…写真や話し言葉がわかる。明日がわかる。いろいろな数がわかる。実際に試さないといけない。
C段階…読み書き計算がわかる。計画が立てられる。比喩、ことわざが理解できない。
語彙は、名詞、助詞、形容詞などに広がっていく。
言語の発達では、表現と理解力を分けて考える必要がある。
? ? 表現できているなら、理解できている。二語文を喋っているなら、二語文の理解はできる。
これって、さらっとだけどすごく大事じゃね。。。
仮定文はわかりにくい。
? 言葉の発達は、理解が先行し、表出が後に続く。つまり、言うことができなくても理解できることはある。
しかし、言えることができても全て理解できているわけではない、ということにも気をつける。
パターンで喋ってる場合もあるしね
? 言葉はそれ自体が事物から抽象されたもの。事物と言葉の関係性に気づいて繋げる必要がある。
? いすは分かっても、座席はわからないなど、同じものでも、みぢかに使われないと一気に難解なものになる。
熟語は抽象度の高い概念を表すことが多い。
? きれい、早く、恥ずかしいなども抽象的な部分含む。
? 集合、移動、一緒に。なども、抽象度ある。具体的な行動と合わせていく中で、それぞれの言葉が一定の動作のキーワードとして伝わる。
? 目に見える動作と状況が結びついたところから、理解が始まる。
? 手順の大切さ。きれいなどもできたかどうかわかりにくい。一定の手順を追えば、きれいな状態になる、ということを示すことで「きれい」を伝えることができる。
? ? 抽象的な状態を示す言葉でも、一定の行動手順に置き換えると、その意味の一部を実現することができる。
これってめっちゃ大事なことだし、これで教えていくということだねー。
? 易しい言葉に置き換えることで伝わる。
? 難しい概念は区切って伝えるのもよい。両替という概念がわからなければ、実際の動きを再現したり、さらに説明を加える。
抽象化された言葉の中には意味を短縮していてわかりにくいことがある。
? どうして、なぜに答えるには、5歳程度の理解力が必要。
理由は普通、好き嫌いといった自己中心的なものから、集団のルールや社会的なものへ変化していく。
? 理由の説明は結構難しい。そして、わからないことを繰り返し説明されたり、問われることはすごい苦痛。
これは大事なポイント。
? なぜ、いやなのですか、というやりとりが本人にとっては、理解しにくくかえって混乱を招くことも。
? ? 集団の中で役に立っている、自分は人から感謝される存在であるという経験があってこそ、集団の中でルールを守ろうという気持ちが育つ。
? ? 「経験」を通して、〇〇をしたら□□、〇〇をしたから□□という風に伝えることが、本人にとってわかりやすい理由の説明、見通しの伝え方になる。生活の中の様々な場面で、手順や流れを決めることがポイント。
? 理由を言うけれども、その言い回しを記憶しているだけで、自己中心的な思考から抜け出せてないこともある。
? 理由を説明するより、手短に指示した方がよいことも。
能動文と受動文。
? 知的・発達障害の場合、他者視点を年齢相応に獲得することが難しい。一般的には、能動文の獲得が先行し、受動文は5歳ごろ。
? だから、受動文はなるべく使わない。過度の省略をしない。答えて欲しいことを選択肢として明示する、などがポイント。
他の視点の切り替えについても、経験を重ねる中で、徐々に適切な表現になっていくもの。
例;いってらっしゃい、いってきます、など。
? ? 類推力
類推する力とは、言葉で表されないことを、想像で考えること。
物事と物事の繋がりを考える力、見つけ出す力。概念としての理解もその前提としてある。
喩えるなら、写真から動画になり3Dになる感じ。
? 私たちは全く同じことを二度経験することはないが、同じようなことだと考えて、繰り返しの中で身につけたり、過去の経験から学んだことを次に生かして、よりよく生きていこうとすることができる。
? 同じようなことだと考える力は、概念形成の基礎ともいえる。
例;朝食、昼食、夕食全てごはん。
? 共通することを抽出して、別の表現に置き換えること、それが概念。
知的障害は、概念化が困難。そのため、同じものを形にはめたり、色でわけたりすることでその基礎がわかる。
? ? 類推の力は、類推のテーマに気づき、それに対応したことを言えるかどうか。
? 過去の出来事を振り返り、文章で表現できるようになるのは、概ね4歳過ぎてから。
? 知的に重い人は、言葉を場面と結びつけて覚えていることが多いので、言葉だけでも動けることがある。人が変わると、同じ言葉を使っても、動けないことがある。経験で理解を広げる。
知的に重い人は、繰り返しの中で、生活の流れを把握し、自分でできるようになる。
第六章、神経心理学的評価
短期記憶とチャンク
前頭連合野は、神経成熟が最も遅い。
言語表現に重要な部位は、左大脳半球、前頭葉下部後方にある、ブローカ野
実行機能は、前頭前野で、最も成熟が遅い脳部位。一応の実行機能の発達は、10さいから12歳。発達障害の場合特に遅れやすい。
学習障害は、言語性と非言語性に分かれる。
文字の認識は本能にプログラムされていないので、教育が必要。
? 障害ではなく、特製として認識していこう。
? 誰でも、一時的に健常であるだけ。
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ネタバレ目次だけでもひとつひとつのことばの裏に
大切な要素があることが分かります。
関わりことば1 「そっと」 行動をコントロールする力をたかめることば
関わりことば2「大事、大切」 人や物への理解を深めることば
関わりことば3 「だめ」 自分で判断できるようにすることば
関わりことば4 「できた」 区切りを教え、評価を伝えることば
関わりことば5 「大丈夫」 気持ちを落ち着かせてくれることば
関わりことば6 「~やって、~して」 聞く力・理解する力を高めることば
関わりことば7 「いっしょに」 人への関心を持たせ、社会性を育てることば
関わりことば8 「~したら、○○ね」 相手の考えを受け入れるたまのことば
関わりことば9 「はんぶんこ」 相手との思いやりをうながすことば
関わりことば10 「あげる もらう」 相手との関わりを考えさせることば
関わりことば11 「貸して」 《所有》について理解させることば
関わりことば12 「~の仕事」 《物事の決定権》を教えてくれることば
関わりことば13 「大きくなったね」 自分への見方を肯定的にすることば
関わりことば14 「楽しかったね」 自分の気持ちを表現することば
関わりことば15 「残念、仕方がない」 気持ちをコントロールする力をつけることば
関わりことば16 「だって」 考えをまとめ、相手の理解をうながすことば
関わりことば17 「さみしい」 人と関わりたい気持ちを強めることば
関わりことば18 「怖い顔をしない」 ほかの人の感じ方を教えてくれることば
関わりことば19 「好き」 《自分という存在》に気づかせることば
関わりことば20 「名前」 人への意識を確かなものにすることば
関わりことば21 「おはようございます」 仲間への配慮を表すことば
関わりことば22 「順番」 仲間集団を意識させることば
関わりことば23 「わざとじゃない」 人の内面に気づかせることば
関わりことば24 「上手」 必ずできるという自信を持たせることば
関わりことば25 「さよなら」 未来のことを想像させることば
関わりことば26 「ありがとう」 感謝の気持ちを教えることば -
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借りたもの。
0~6歳までの、成長著しい幼児期における、発達段階を基に、学ぶべき時に学ぶべきことは何なのかを解説している。
子供が健全な社会性を身に着けるために、年齢と共にどのように心が発達していくかを示したうえで、接し方について提言している。
【子育て10か条】
1.安定した毎日を保証する
2.「認められたい」気持ちをはぐくむ
3.決定権を誤解させない
4.気持ちのコントロール力をつける
5.「あきらめる」心をはぐぐむ
6.集団参加を促す
7.マイ(my)ルールからアワー(our)ルールに
8.「感じ」を克服する力をはぐくむ
9.取り組みの過程を励ます
10.子育てを楽しむ
これらを踏まえて、この本では
愛着の形成、感情の育ちと共感、自我の育ち、自立に向けて、ことばの育ち、という視点を章立て、子どもがどのように発達(成長)していくかを解説。
章の最初に、年齢ごとにどの様に発達していくかを箇条書きに解説し、本文で子ども達が何を考え、感じているかを説明。
悩みとして語られる事例が紹介され、それに対する接し方のアドバイスを掲載。
発達障害専門のクリニックで働いているという著者が、「気になる子」が増えている、と提起。それは暗に「発達障害」という診断をされる子が増えている、と仄めかしているように感じた(明言はされていない)。
その背景に、今まで判断されていなかった発達障害が明るみになっただけでなく、「正常の範囲が狭くなった」――子供を見る目が厳しくなった――と指摘する。
すなわち、大人のように落ち着いて、社会性があって、ちゃんとコミュニケーションが取れる子ども像が求められている、と。
……確かに違和感を感じる。