藤波匠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは出版史上初の「泣ける新書」です。
「北の国から」を観て育った世代には涙無くしては読めない新書です。
脚本家の倉本聡氏が、登場人物の生い立ちや背景をしっかり描いたことと、
その当時の時代背景を巧みに取り入れたことにより、まるで本当の家族が
そこに暮らしているようなライブ感、リアル感をテレビを通して視聴者は
自分の人生と重ね合わせてきた。
だから今こうしてドラマの内容とその当時の日本社会を考察する本なんぞを
読んでしまうと、「ああ、そうだった。あのシーンを観て俺はもっと頑張ろう
と励まされたんだ」というようなノスタルジーが蘇ってくる。
改めて「北の国から」を見直したい。
本気でそう思う -
Posted by ブクログ
近年、急激に進行する少子化に関し、なぜ止まらないのか、どのような手を打てばよいかなどについて、人口問題の専門家であるシンクタンク研究員の著者が、様々なデータを基に分析し、対話形式で解説。
近年の少子化の主たる原因は、非婚化・晩婚化よりも若い世代を取り巻く経済・雇用環境の低迷にあるとし、結婚や出産を希望している若い世代が、自らの経済・雇用環境などの制約から、その望みをあきらめてしまっている現状こそが、少子化を解決しなければならない最大の理由であると主張する。そして、とるべき対策としては、若い世代の経済・雇用環境の改善が最優先であるとし、子どもを持っていない若者に恩恵の少ない現金給付一辺倒の少子化 -
Posted by ブクログ
政府の進める地方再生への疑問点を洗い出した著作。
霞が関が編み出す地方再生策はあまりのも皮相的なものであり、きちんとした人口動態を分析していないというのが、著者の主張だ。
おわりにで、きちんと著者の主張が言われている。
地方再生も都市の発展も、人口が減少する日本の成長の方向性と一致していなければなりません。
そのためには、若い世代がより付加価値の高い仕事が得られる環境を作り上げていくことが必要です。
今の地方再生戦略が、そうした前提を踏まえたものになっているのか、もう一度考え直すことが求められます。
とある。
ICT、クラウディア・ファウンデイング、ロボット技術などなど。
霞が関の官僚の発想に -
Posted by ブクログ
若い世代が、この国で家族を持ち、子を生み、育てていきたいと思えるようにしなきゃダメ、という主張は、全面的に賛成です。
そして、若い世代に広がっている非正規雇用が子供を持つことを諦めさせている、ということもよくわかりました。
でも、その解決方法は、経済成長なの?
経済成長は七難隠すというか、文句なく社会が活気づいて、先行き明るく感じられそうということはよくわかる、でも、それって、今となっては単なる過去の成功体験に縋ろうとしているだけのような気も??
コロナ禍で、エッセンシャルワークと賃金は全く関係ないとわかった。
働けど働けど、ちっとも明るい未来や安心が見える気がしない。筆者は、もっと経済 -
Posted by ブクログ
黒板五郎に会いたくなった。不器用だけど、頑なにブレない軸がある。ガキたちが成人したいま、あらためてドラマを観たらそうした五郎を昔とは違う目線で感じることができるかもしれない。いまなら、てらいもなく情けない面をさらけ出す五郎に嫌な感情は出てこないだろう。格好つけるところじゃないことがわかるようになったからだ。生きることに一生懸命なだけだ。それを嘲笑したりするほど、オイラの人生も余裕がない。余裕って、持っていたほうがいいと思う、物質的にも 精神的にも。でも無駄な余裕は、なにかを見過ごしたり感じたりする心や目を鈍くさせるかもしれないな。麓郷で暮らすということは、人を裸にするのかな。ホントに大切なこと
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Posted by ブクログ
人口減少社会、限界集落など自治体消滅論が喧伝される中、自治体は、若い人を引き寄せるため、あの手この手の補助金施策を打ち出し、ゼロサムゲームならぬマイナスサムゲームに鎬を削っている。しかしながら、一時的な人集めは収入が安定しない移住者世帯を生み出すだけであり、そんな人たちは補助金が打ち切られれば地域外に流出していくだけ。少ないパイの奪い合いは愚の骨頂。大事なのは日本のどこに住んでいようが生きていけるだけの環境をつくりあげること。人口減少社会という現実をしっかり受け止め、目先に囚われることなく百年の大計をもって、どうこれに向き合っていくのかを真剣に考えていく必要がある。