あらすじ
五郎さんが生きた、あの時代。
集団就職、東京への人口移動、農業の衰退、バブル崩壊、交通事情の変化、恋愛の変遷、受験戦争、ゴミ問題――名作ドラマが映した社会の激動を描きとる。
「北の国から」ファン必読の1冊!!
フジテレビで1981年から2002年にわたって放映され、国民的な人気ドラマとなった「北の国から」。単なるヒューマンドラマにとどまらず、戦後間もないころから現代までの日本の社会のあり様とその変化を描いた秀作でもある。
ドラマがリアルタイムで描いた1980年代から2002年まではもちろんのこと、戦後の富良野で黒板五郎が成長し、東京で家族を持つまでの時代をも物語の背景として取り込み、ドラマは1人の男の生涯を描いたものとなっている。
本書では、そうした黒板五郎を中心としたドラマの登場人物たちの人間模様を取り上げ、その背景にある社会の変化に注目し、改めて戦後日本のあり様を見直す。ドラマ内の名場面を多数引用しながら、日本社会の変遷を振り返る意欲作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これは出版史上初の「泣ける新書」です。
「北の国から」を観て育った世代には涙無くしては読めない新書です。
脚本家の倉本聡氏が、登場人物の生い立ちや背景をしっかり描いたことと、
その当時の時代背景を巧みに取り入れたことにより、まるで本当の家族が
そこに暮らしているようなライブ感、リアル感をテレビを通して視聴者は
自分の人生と重ね合わせてきた。
だから今こうしてドラマの内容とその当時の日本社会を考察する本なんぞを
読んでしまうと、「ああ、そうだった。あのシーンを観て俺はもっと頑張ろう
と励まされたんだ」というようなノスタルジーが蘇ってくる。
改めて「北の国から」を見直したい。
本気でそう思う一冊です。
Posted by ブクログ
「北の国から」と戦後の社会変化を関連付けることで、とても興味深く読めました。
黒板五郎の生き方、考え方がよくわかりました。
現在ではこのような人はなかなかいないでしょうし、簡単に真似できるものではないです。
戦後の高度経済成長からバブル崩壊までの中で、日陰にいた人たちの存在や様々な価値観があるということも忘れてはいけないと感じました。
Posted by ブクログ
高度成長期から平成にかけての北海道が、さらには日本人の風俗がわかる!
何にも影響されず、自分の生き方を貫いているように見える五郎も実は激動の時代の波に揉まれながらその中で彼らしい選択をしていた、ということがよくわかった。
そしてなにより倉本聰の凄さがよくわかった。
これ読んで作品見直すと、何気なく観てたシーンの1つ1つの裏にある、時代を駆け抜けた登場人物の必死さが見えてくる
Posted by ブクログ
黒板五郎に会いたくなった。不器用だけど、頑なにブレない軸がある。ガキたちが成人したいま、あらためてドラマを観たらそうした五郎を昔とは違う目線で感じることができるかもしれない。いまなら、てらいもなく情けない面をさらけ出す五郎に嫌な感情は出てこないだろう。格好つけるところじゃないことがわかるようになったからだ。生きることに一生懸命なだけだ。それを嘲笑したりするほど、オイラの人生も余裕がない。余裕って、持っていたほうがいいと思う、物質的にも 精神的にも。でも無駄な余裕は、なにかを見過ごしたり感じたりする心や目を鈍くさせるかもしれないな。麓郷で暮らすということは、人を裸にするのかな。ホントに大切なことを、大切にする。それ以外のことはまあまあで。不倫に対する考え方も、寛容というわけじゃなくて、「人間も動物だからね」という視点に感じる。この本を紹介してくれたFM横浜 光邦さんに感謝。