小林恭子のレビュー一覧
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ボリス・ジョンソンに興味を持ったこと、プラチナジュビリーでエリザベス女王関連の本を読んだらチャーチルの本をジョンソン首相(この時点ではまだ首相)が書いているというので手に取った。
ボリス君がチャーチル大好きなことがよく分かった。こき下ろしている箇所もあるが、基本的には「大好きなチャーチルのことだからダメな部分もよく知ってるので!」というテンション。それにしても丁寧な罵倒のオンパレード。私が悪口や皮肉に感じるものは全てウィットに富んだジョークなんだろうな、と、引用されるチャーチルやその周囲の人々の言説から感じる。初デートの、カブトムシのくだりが好きです。 -
Posted by ブクログ
チャーチルという人物に関する著述は、2度ほど手にしたことがある。
しかし、これほどまでにこの人物に惹きつけられた経験は初めてである。
チャーチルという人物を何故ボリス・ジョンソンが書こうとすることになったかの一端は読み終えた今なら少しだけ理解することができる気がする。
世の中に利己主義が蔓延るなかで、民主主義と資本主義の可能性を信じ、世界平和を願い、これほどまでに果敢な行動をやめなかった政治家は、本当に稀有な存在なのだ。
特に、私が生活する日本において、そのような政治家が明治の選挙制度開始以降どれだけ存在しただろうか。
唯一、田中角栄がその雰囲気があると思えるながら、多くの日本人が同意するよう -
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[監督、脚本、主演の男]イギリスのみならず世界情勢に大きな影響を与えたチャーチルの業績と人柄を、ポストモダン的見解が広がる中で肯定的に再評価した作品。何故にこの一人の男が世界の流れを変えることができたのかを、数々のエピソードとともに探っていきます。著者は、前ロンドン市長を務め、将来の首相の候補としても名前が挙がるボリス・ジョンソン。訳者は、イギリスに関する翻訳書を多数世に送り出している石塚雅彦と小林恭子。原題は、『The Churchill Factor: How One Man Made History』。
チャーチルの評価がイギリスにおいてどのように変遷してきているかを感じるために非常 -
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英国の歴史にかかわる出来事を公文書館(National Archives、以下NA)の資料を引用し纏めたもの。類書がありそうな(NAがそれぞれの出来事でパンフを作っていそうな)気もするが、この視点があったね、うん、と納得の1冊。読み易く、取り上げられている内容も日本との関わりからマグナ・カルタ、サイクス・ピコ、女性参政権、タイタニックと幅広い。ケンブリッジ・ファイブの謎めいた内容、公開を100年近く伸ばしている内容も興味をそそられる。20世紀あたりの章は東西冷戦からインド周辺や中東の現在の混沌とした状況にいかに英国が(鉛筆一本で)大きな影響を与えていたかがわかる。巻末には参照資料も記載されてい
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Posted by ブクログ
チャーチルの評伝で、著者は前ロンドン市長、前外相のボリス・ジョンソン。
イギリスの政治において、チャーチルという要素が果たした大きな役割を説く。
その役割とは、たった一人で、自由や寛容さといった美徳の側に頑として立ち、ブレない判断を示したことで、その結果、歴史の流れを切り替えることができたのだという。
冒頭、1940年のロンドンで、ナチスの脅威に脅えて講和を選ぼうとする英国の閣僚陣と、徹底抗戦を選ぶチャーチルの対峙は引き込まれた。
著者も閣僚の経験がある大物政治家だからこそ、遠慮なく筆を振るえたのだろう。
その他の感想としては…
・記されたテーマは政治・経済・軍事・演説から、不倫疑惑、絵 -
Posted by ブクログ
ロンドン市長を務めたことのある著者が、チャーチルの生涯を振り返る。プレジデントでリーダーシップ論の文脈で本書が紹介されていた。チャーチルを賞賛しすぎていて、ちょっと気持ち悪かった。世界史に疎いからか、なるほど、確かにという感覚はなく、へーという程度で、それほどリーダー論は読み取れなかった。
彼が持っていたのは、スタミナ、パワー、どんなにうんざりするようなことからも逃げない強靭な精神力だった。
近代の政治家で、チャーチルほど多くを達成した者はいない。彼は福祉国家を創設し、刑務所を改良し、海軍をつくり上げ、第一次世界大戦の勝利に貢献し、財務大臣を務め、ほかにも多くのことを手がけた。…