佐々木隆治のレビュー一覧
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マルクスの一生のうちの思考の流れ、解釈、実践について
マルクスの思想や資本論についての知識は皆無だったが概要の理解にとても役立った
理解しきれていない部分もあるだろうが共感してるつもりになれるのはマルクスのバックグラウンドあってこその人を思いやれる心があったからなのかなと思った
どうして自分に「頑張らなきゃいけない」ことが根付いているのかが言語化されている部分があった
最大限の価値増殖を追求することをやめてしまえば競争に負けてしまうから労働時間が減らないということ
そしてそのように資本に振り回されるうにち人の心や自然が破壊されていくこと
日本では三六協定の抜け穴があるため労働時間規制は事実 -
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ネタバレカール・マルクスの生涯を辿りながら、彼の思想を変遷を描いている。マルクスの思想はマルクス主義とは異なる。マルクスはより大きな展望を持ちつつ社会の問題に具体的な解決を求めて取り組み、社会変革のために生涯探究を続けていた。資本主義が進み、グローバリゼーションが広がる現代においてこそ、マルクスの問題提起が生きることを示し、新しいマルクス像を提示しようとしている。
入門書としてもとてもわかりやすい。特に「資本論」については紙幅を割いて説明しているが、現代の日本の問題、ブラック企業や社会的基礎サービス領域の市場化なども例として挙げ、「資本論」が今日の問題とつながっていることを示している。さらに最終章は「 -
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マルクスの思想をていねいに解説している入門書です。
マルクスの生涯にもある程度説明がされているものの、思想についての解説が中心です。まずは、初期マルクスがヘーゲル左派のなかで疎外についての思索を深めていき、フォイエルバッハを批判するにいたった経緯に触れられています。つづいて、『資本論』において基礎的な概念を順番にとりあげ、それらが資本主義のしくみを解明するためにどのような視角を切り開いたのかということにも立ち入って解説がなされています。
さらに、資本主義の矛盾を解明することによって、未来社会の「産みの苦しみを短くし、やわらげる」ことをめざしたマルクスの構想についての著者自身の考察が展開され -
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マルクスの資本論の入門書。
資本論そのものを読むための入門書なので、引用と解説からなる。
※資本論を引用して解説するスタイルから、数ある資本論入門本とは異なりだいぶ難解
・商品、貨幣とはなんぞや
・労働者はいかにして生まれどうなるのか
・剰余価値の発生メカニズム(労働により生み出す価値>労働力の費用)
など、資本主義的生産様式が支配的である社会において、何がどうしてどうなって今に至る。また、将来はこうなるであろうと引用しつつ解説された書籍。
原文が難解で多様な解釈が可能なのか、学者間でも理解が異なるらしいので鵜呑みにせず読み解くべき一冊。
この手の本をしっかり理解できると、資本論その -
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カール・マルクスの生涯とその思想の変遷、資本論についてかなり分かりやすく説明されている。とは言っても資本論についてはその独特な言葉の使い方もあってやはり一回読んだぐらいで腑に落ちるとこまでは行かないけど。それでも、どのような時代背景があり、マルクスが何をしたかったのかは何となく理解できる。マルクスが資本主義のシステムについて、何が本質的なのかを徹底的に理論的に科学しようとしたのが資本論ということが。資本主義の行き詰まりがさすがに誰の目にも明らかになりつつ今、その問題点を考える土台としてマルクスの考察は理論モデルとして知っておくことは必要だと思う。
アマプラで観られる「マルクスとエンゲルス」とい -
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近年のマルクス研究を踏まえたマルクスの思想を初期から晩期までを俯瞰する好著。
構成は、1章が初期マルクス、2章が資本論、3章が晩期マルクスというもの。
2章の資本論のところはちょっと難しい感じはあるけど、白井聡さんの解説などを読んでいたので、なんとなく理解できた。
1章は、どうしてマルクスが哲学に興味をもち、それが経済学への興味に展開し、社会変革活動に力をいれていくことになったかという流れがとてもスリリングに描かれている。知らないことも多いが、もしかすると多くの人が理解しているマルクスはこのあたりの議論なのではないかと思った。
2章は、資本論のコアな概念の解説だが、ここで分析されている -
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「あの本は読まれているか」という海外ミステリを読んでみたいな、とふと思い。
●あの本、とは「ドクトル・ジバゴ」のこと。
→「ドクトル・ジバゴ」を読んでから読もう。
→あれはロシア革命前後の叙事詩のはず。ロシア革命をあらあら知ってから読もう。
→ロシア革命にいたる道…マルクスをもう一回、ちょっと読んでからにしよう。
…という興味のドミノ倒しでまずはマルクス。
共産主義という考え方だけではなく、エコや環境問題まで見据えていたことに「へー」。
それから19世紀のマルクスさんが、やっぱり当時の「資本主義先進国」であるイギリスの観察から学んだこと。そして19世紀のヨーロッパの、「フランス