馬場マコトのレビュー一覧
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すごい本を読んでしまった。ホットペッパー、タウンワーク、じゃらん、ゼクシィ、カーセンサー、リクナビ、衣食住のあらゆる情報インフラを築いた男の創業黎明期から凋落までの栄枯盛衰物語(フィクション)。
今や若者にとって、リクルートと聞いてリクルート事件という名前こそ知っていても内容を知るものは少ない。むしろ挙げたサービスが浮かぶ。それを創り、支えた人々がこんなにも泥臭いものとは知らなかった。
リクルート事件の渦中も含めて詳らかにする本書を読むと、江副浩正という人の天才さと時代に翻弄される様子に空恐ろしさすら覚えるし、同時にコク深い。
話に上る協力者たちも錚々たる面々。 -
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江副氏が犯した2つの判断ミスが頭から離れない。1つめは、野村證券に店頭登録の主幹事を断られたと早とちりしてしまったこと。2つめは、株式譲渡禁止の内規を過大解釈してしまったこと。主幹事となった大和証券へ株式譲渡の内規について確認した際の回答は、「店頭登録には当てはまらないが、あまりおすすめできない。どうしてもというなら私どもでは止められない」というものだ。当時の株式譲渡の実態を考えると妥当な言葉だったのかもしれないが、最終的な判断は当事者に任せるという無責任さには変わりない。リクルート事件後、野村證券から聞いた話によると、実際は店頭登録の結論が長引いていただけで、あと少しで店頭登録できたこと、政
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リクルートは仕事で縁があって、社内の方と何人もお話させて頂いたことがあるのですが、皆さん元気、アグレッシブ、好奇心旺盛な印象です。
そんな会社の創業者の話を読んでみたくなり、迷わず手に取りました。最初は500ページ近くあるので、読み切れるか心配でしたが、あっという間に読みました。非常に読みやすい。次から次に話が知りたくなって止まらなくなります。
30代後半になると、卒業して次のステップに上がる風土なのは知ってましたが、江副さんのイズムがそこにもあることを知りました。
自分の弁護団もあえて若い人を揃えてもらう話がありましたが、本当に人を育てる、人の成長を喜ぶ方なんですね。
働いてる人はかなり -
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【感想】
今では知らない人はいないレベルの大企業と化した「リクルート」。
この会社のツールを使用したことがない人間なんて、中学生以下の児童を除けば日本に殆どいないのではないか?
そう言い切れるくらい、ロングテールで充実したサービスを今もなお展開し、進化し続けている企業の1つ。
その創業者である「江副浩正」の出生から死没に至るまでの経緯を描いた長編。
江副浩正が書いた名作「リクルートのDNA」。
そこに書かれていた江副の人物像として、謙虚な姿勢ゆえ、凡庸な人間かのように思っていたが、決してそうではない。
常に世の流れを観察し、不満やニーズを模索した上でそれを解消するサービスを展開する。
当時ニ -
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5月に入って米国の人材マッチングの企業Glassdoorを買収し、テレビでもバンバンCF打っているIndeedとともに、人材グローバル企業の道をぐいぐい進んでいるリクルート。先週は株価の史上最高値をつけたとニュースになっていました。そんな会社の礎を築いた男の絶頂と奈落と再生と失意の物語です。東大の学生企業からの時代の風に乗って、いや時代に風を起こしてのし上がっていく感じは「ザッカーバーグは日本にもいた!」です。いやいや、ザッカーバーグが江副浩正西海岸バージョンか…顧客情報流失問題で背広を着て議会で証言せざるを得なかったフェイスブックの総帥は、たぶんトコトン政治嫌い、権力嫌いなのだと思いますが、
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Posted by ブクログ
江副浩正のリクルートとゆう素晴らしい起業の成功が検察の恐ろしさを際立たせています。
どれほど検察の権力が強いのか。
この本が暗にこめたメッセージだと思います。
ちょうど検察が世間の話題になっている時期に読みました。
検事長がマスコミと雀卓を囲んでいることが証明しているように、検察の手柄のためにマスコミは必要で、マスコミを利用してリクルート事件は炎上した。
その20年後にはマスコミであるフジTVを買収しようとしたホリエモンが検察に血祭りにされたことからも、このリクルート事件から日本は変わっていない。
事件後から江副浩正の精神が崩壊していく場面は、あの巨大なリクルートを創業した人間だから、そう