海島千本のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしの好きなもの。
朝一番の花屋。その前を通り過ぎる時の匂い。
とっておきの一輪の美女を連れ帰って、お気に入りのフラワーベースに生けるときの、あの密かな高揚感。
スンと背筋を伸ばす彼女は済ました顔でこう言っているような気がする。
『へえ、あなたがわたしの世話をするの?』
そんなわたしの大好きな気高い一輪の花が、女子高生になって恋をするなんて、わたしのための物語かと思ったわ(違う
莉愛ちゃんは、いやクイーン莉愛は、気高く美しく、そして可憐で愛くるしい。
芍薬のような彼女が患う病が、ひとりの少年を惹き寄せ、ふたりがたったひとつの恋をする。
たしかにこの手のボーイミーツガールのお話は世の中に溢れている。わたしだって片手くらいのタイトルはすぐに浮かぶ。
それでもこの作品は、胸を打つのです。
花は散っていくから美しい。
永遠に続かないからこそいとおしい。
いちばん綺麗な花を記憶に刻んで散っていくなんてクイーンはにくい女の子だよ。
明日太のハートをおもうと君もなんてハードな初恋をしたんだと頭をなでなでしてあげたいけれど、たぶん彼は大丈夫なんだろう。
その名のとおり、明日を常に見ているから。
男に花の名前をひとつくらい教えておけとはよく言ったもので、明日太はひとつどころかこの世の花という花を知り尽くしているのだから、花が咲く限り、彼はクイーン莉愛を思い出し時々泣いたり笑ったりしながら、明日を生きていくのでしょう。
お気に入りの花屋に行って美女を手にウキウキソワソワしながら、店を出る。
そんな気持ちにさせてくれる素敵な一冊です。
枯れてしまった『彼女』に別れをいうのもまた、花のある生活そのもので、切なくも愛しいのでした。
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購入済み
こういう話も嫌いじゃない。
転生物で、主人公は、凄い能力を付与されたにも、関わらず、欲もなく、のんびり、マイペースに、スローライフを、楽しんでいる。
やたらと、美人が出て来て、モテまくる訳でもなく、物凄い悪人が、出てくる訳でもなく、ハラハラドキドキの大活劇が、有る訳でもない。
でも、こんなお話も、たまには、良いじゃない。
読んでいて、ほのぼのしてしまう。 -
Posted by ブクログ
読んだ時点(2018年6月)ですでに4巻まで続きが刊行されている1巻。続き物でも、ある程度の区切りで1巻を終わらせることが多いと思うが、本巻は完全にミッションが中途半端なまま。
けれども満足度が高い。
異世界転生にありがちな特殊技能を持った主人公だが、目立つことは嫌い、面倒なことは嫌い、でも食べ物(特に蟹)とお風呂は大好きでそこだけは遠慮しない!という姿勢がなんとも楽しい。
タイトルの通り、まさしく「素材採取家の異世界旅行記』で、主人公の(食べ物とお風呂にこだわる)目線を通して、異世界を体験できる。
特殊技能を持っちゃって祭り上げられて活躍する展開は見慣れてしまって、異世界転生でもゆるゆる思うままに生きる主人公を見たくて、他のいくつかの作品を読んだが、ゆるゆる主人公は目的が無いことも多くて読み進めるのがつらいこともあった。
本作は異世界の様々なものをガイドのように新鮮に見せてくれるので楽しい。
気軽に異世界に旅立てる、ちょっと現実逃避して楽しみたい肩にオススメ。